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就任式 4

 私が式場に入ると、私の席まで案内してくれた。会場には貴族階級の人達しかいない。王都に住んでいる一般人は就任式は関係が無いが、全ての王国民には私が就任したと告知される。ま、殆どの王国民には関係が無い話だが。


 指定された席に着くと、時間となり。


『只今より火の貴族当主及び火の領領主の就任式を行う!!聖 山瀬。前に』


 司会の冢宰に言われて、


「はいっ!」


 返事をし席を立ち玉座に座って居る陛下と王妃様の前までやって来て2人に礼をする。ここまでは練習した通りだ。


「聖 山瀬よ!本日より汝を火の貴族当主及び火の領領主に任命する。よって本日より汝の名を聖・フレイム・山瀬と改めよ」


「はっ!謹んでお受け致します!」


 シンプルに言って、その証明書を受け取った。

 中には長々と向上を言う輩が居るようだけど、ここではNGだ。


「5大貴族に就く汝の爵位は侯爵とする」


 と、陛下が言うと、会場全体がざわつく。

 侯爵は()()()()の中では最上位に位置するので、他の貴族達がざわついているのだろう。


『静粛に国王陛下と王妃殿下の御前であるぞ』


 冢宰が注意をすると、貴族達は静まり返るのを待ってから。


「はっ!」


 と、返事をした。


「続いて、ローラン、テレサよ。余の前に」


『はいっ』


 陛下の声で2人が陛下達の玉座の前に出る。


「ローラン、テレサよ。本日より汝らを火の貴族当主及び火の領主の代理人を命じる。テレサの希望により本日、両名の王族の籍を抜き、貴族として過ごすがよい!なお、爵位は公爵とする」


 公爵は王族を離脱し貴族として暮らして行く方々の特別な爵位だ。だから、普通の貴族階級は5大貴族だろうと爵位は侯爵までになる。


「はい!お受け致します」


 事情を知らない貴族達はまたざわざわと言おうとしたが、冢宰が目力で睨みつけ更に無言の圧力で貴族達を黙らせる。


「続きまして、火の当主に就任したフレイム卿のごあいさつ」


 冢宰は何事もなく進行する。


「皆様、初めまして、本日、火の当主及び火の領主に任命された聖・フレイム・山瀬です」


 私は貴族としての心構えを話した。


「───わたくしは若輩者でありますので、皆様の御指導御鞭撻の程をよろしくお願いします。以上をもちまして、わたくしのご挨拶とさせていただきます」


 挨拶が終わると、拍手が起こった。


「以上をもちまして、就任式を終わりとします。皆様、パーティー会場の方へ移動して下さい」


 冢宰は貴族達をパーティー会場に誘導する。


 貴族ではないミカ姉ぇ達は、別室で食事が用意されているそうだ。うん、私もそっちに行きたいわ。


 でも、今日は主役がだから行けない。それに就任式が終わり、移動する前にイスレイくんが抱きついて来た。どうやら、イスレイくんは担当のメイドと一緒に居たようだ。私はイスレイくんと手を繋ぎ一緒にパーティー会場に向かった。


 パーティー会場に着くと、私は陛下達一家と同じ席に案内された。理由を聞くと今回は主役だからと、イスレイくんは大喜びで隣に座った。

 陛下が話をして、パーティーがスタートした。

 私は王侯貴族のパーティーは初めてだから勝手が分からないので、大人しく食事をしている。食事中は優雅な音楽が流れていた。こんな音楽は陛下達と食事をしている普段は流れてはいない。貴族達が集まるパーティーだからオーケストラによる音楽を弾いているのだろう。


 食事が終わると、私の方に挨拶に来る貴族達がいる。

 私とよしみを持とうとする貴族達だ。来ない貴族達は様子見だろうね。ま、私の方からは挨拶はしない。陛下と王妃様も火の当主に成ったから、5大貴族以外の貴族達には自ら挨拶には行かないようにと言われた。というよりは私は5大貴族の当主達の顔も知らないからね。

その5大貴族の4人も挨拶に来た。

 今の5大貴族の筆頭は、雷の当主、サンダー卿らしい。

 5大貴族の4人の当主とは、私の方から敵対をする事はしない。今後、良い関係を築きたいと思っている。


「少しお時間宜しいでしょうか?」


 と、20代の女性だろうか?私に声をかけた。


「ああ、はい。良いですよ」


「ここでは、話せない内容ですので、誰も居ない所で話を」


 と、言うので、怪しいと思って、


「分かりました。陛下達に了解を得てから行きますね」


 かまを掛けてそう言うと、


「構いませんわ」


 と、何も動揺が無かった。では、本当に私だけで話をしたいのか?と、考えても仕方ないので、陛下達に断ってから、誰も居ない場所に移動した。


「で?私に話とは?」


「ええ。単刀直入で聞きます。貴女、創帝ですわね?」


 と、言われた。なるほどね。確かに他の人達に聞かれたくはない案件だわ。それと私を創帝と知っている女性の残りの帝はただ1人だけだ。


「なるほど、貴女が光帝か?私の事を創帝だと知っているという事は、貴女も帝をやっているという事になるわ。まさか、貴族の中で帝をやっているとは思ってもいなかったわ」


「そうよ。私は光帝ですわ。しかし、否定もしませんわね?」


「否定なんて出来ないでしょう?私が創帝だと分かるイスレイくんが居るもの」


 そう、帝の時もべったりと付いていたから、否定なんて出来ない。


「そうですわね。このパーティー会場に来る時もイスレイ王子様と仲良く手を繋いでおりましたから確信しましたわ」


「でしょうね?これで帝関係者で分からなかったら、呆れるわよ」


「そうですわね」


 光帝は苦笑を浮かべていた。

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