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魔法陣に魔力を注入する 5

 話し合いの結果、組み分けは、以下の通りとなった。


 第一グループ:雷帝、水帝、光帝。


 第二グループ:炎帝、時帝、空帝。


 第三グループ:聖拳帝、火帝、拳帝。


 となった。全帝は魔力量が少ないので、非常時の予備人員となった。そして、この作戦リーダーは私となった。その理由は、毎日参加する為に全ての状況が分かるからだ。


「では、早速、明日からお願いします」


『はっ』


「これで、臨時の定例会議を終わります。連絡ですが、この魔法陣注入の関係で、今月と来月の定例会議は無しとします。何かありましたら、臨時定例会議の通知を致しますので」


『はっ』


「では、解散して下さい。お疲れ様でした」


 クレアがそう言うと、雷帝、水帝、光帝は転移魔法で去って行った。


 私は「ふー」と息を吐き、帝の服装を脱いだ。あー疲れたわ。


「やっと終わったわ。疲れた。クレアとお姉ちゃんはいつもこんなのをやっているの?」

「私は、付いて行けれませんよ」


 マリアとリクが仮面を取りつつ嘆いた。今回の2人はまともに喋ってはいないからだ。


「ま、場馴れしないとね?」


 こればかりは自分で雰囲気に馴れないとどうしょうもない。


「そうね。では、お父様達の所に行って、ご報告をしましょう」


 私達は、陛下達の私室に向かい、今回の報告をする。


「そうか解った。皆の者、改めてお願いする」


 陛下達が頭を下げた。


「はい。任せて下さい」


 私が答えた。


「しかし、イスレイの夢が正夢だったとは驚きましたわね」


「そうですね。しかし、イスレイくんに限らず、子供には大人とは違った感性がありますので、子供からだと言って、子供の意見を聞き入れない事は良くないと、今回の一件で分かりました」


「そうですわね。今回の一件は、ただの偶然の一致と片付けるのは無粋でしょうね」


「ウム、今回、イスレイが夢を見なかったら、誰かが命を落としていたやもしれんな。そして、勇者召喚は白紙撤回となったやもしれん」


「そう思うと、今回はイスレイの活躍のおかげで、未然に死亡者を防いだのね。そして、計画通りに勇者召喚が行われるわ」


 イスレイくんは今回のMVPだ。私達はイスレイくんを褒め称えた。当の本人は恥ずかしがっていた。


 そして、ここにいる全員とミカ姉ぇ達と一緒に食事をする事になった。陛下が気を利かせて、バーストさんに迎えに行ってもらったようだった。


「…………聖、私、寂しかった」


 そう言って、エルフが私に抱き付いた。

 すると負けじと、残りの3人(マリア、リク、イスレイ)も私に抱き付く。


「いつもの光景ですね」

「そうじゃな」

「はい。いつもの光景です」


 と、ミカ姉ぇ達は、いつもの事だから、既に呆れを通り越していた。


「良いから、食事をするよ!」


 私は4人を振り解き、席に着く時にも4人による私の取り合いが勃発した。

 どうしてこうなるんだ?


 それでも、なんとか食事を終え、ミカ姉ぇ達に今回の話をする。今回はミカ姉ぇ達にも手伝って貰わないと達成が難しい。イヤ、私達3人でも出来ない事がないが、それだと、雷帝達3人に私達の正体を明かすことになるが、それだけは回避したい。何故なら、あの3人が他の人達に喋ってしまう可能性があるからだ。そんな事をされたら、私達はこの王都に住めなくなってしまう。だから、誤魔化す為にはミカ姉ぇ達にも手伝って貰わないといけない。

 その趣旨もミカ姉ぇ達に話した。


「なるほど?確かにそうですね。それに確実にガブリエル達を召喚させる為には私達の魔力も必要ですね」


「そうですね。私もお手伝いします」


「ウム、聖の頼みじゃ妾も手伝おう」


「………私もやる。1人で待つも詰まらない」


 4人が賛同してくれた。


「ありがとうね」


 私はミカ姉ぇ達にお礼を言った。


「ま、その為にああいうグループ分けをしたのだからね」


 クレアはそう言った。


「そうね。私達だけでは、きっと間に合いそうもなさそうね?」


「そうですね。不測の事態もあるかもしれませんしね」


「ああ、ミカエルさん達が手伝ってくれるなら大助かりだ」


 ママ達も賛成のようだ。


 次の日。


 注入初日。


 私達4人は、昨日と同じ宮殿の控え室に居る。とりあえず、ここが、私達、帝の仮部屋になった。


「では、今日の注入を宜しくお願いします」


 クレアが私達に頭を下げた。


「はい」


 と、私が答えて、魔法陣の部屋に行く。本当は、転移魔法を使いたいけど、他の3人から魔力の無駄遣いだと言われそうなので歩いて向かう。


「毎回歩いて向かうのか?」


「仕方ないでしょう?転移魔法を使えばそれだけ魔力量が減るわよ」


「そうだな。少しでも魔力量は温存しないとな」


 雷帝の愚痴を他の2人が否定する。


「わかったよ」


 雷帝は渋々答えた。


「で?3人は、体を鍛えたり魔力量を増やしたりのトレーニングはしているの?」


 私が質問した。


「それはしているわよ。ただ、体はあまりしていないわ。無駄に筋肉を付けると体のバランスが崩れてしまいますわ」


「俺も魔力の低下を抑える為に鍛えているぞ。体の方はそこそこだ」


「俺もだいたいそうだな」


 と、3人は答えた。


「そうなの?それは前の全帝と同じになってしまうけどね?それに敵やモンスターと対峙して、スタミナが無いと魔力が切れた時にどうするの?走って逃げるの?」


「それは、魔力回復のアイテムを飲みますわ。ある程度回復すれば転移魔法を使えますし」


「そうだな。それに味方が居れば時間稼ぎをしてくれる」


「ああそうだな。だが、俺達は帝だ。自分自身の魔力量は常に把握しながら行動をしている。少なくとも俺は魔力が切れる前に仲間が居れば仲間達と一緒に撤退をするさ。命は大事だからな」


 水帝がそう言うと2人も頷いた。ま、仲間同士で助け合ってクエストに挑戦する時は当たり前の行為だね。

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