制裁 4
「くっ!」
全帝は言葉を詰まらせた。
「臨時定例会議は、この立派な会議室を使って、下らない議題で会議を開いてもいいワケなの?ならさ、ここでお茶会でもOKだよねぇ?」
私はそう言った。その程度のレベルだと言いたい。
「確かにそうですね。しかし、そのお茶会と全帝が開催しようとしていたモノでしたら、お茶会に大変失礼ですわよ」
私の意図をくみ取り、クレアが更に揶揄する。お茶会以下と。
「ああ、そうだよね?お茶会の方が優位な時間が過ごせるわね」
「そういう事ですよ」
「なっ!?私が開催しようとしたモノよりもお茶会の方がマシだというのか!?」
私達にかなりキレているが、これは自分がまいた種だろう。
創「当たり前で当然だ!」
ク「お茶会の方が良いです」
時「お前の下らない会議よりも遥かに茶会の方がマシだな」
水「俺もそんな会議よりもお茶会の方が良いな」
雷「そうだな。俺もどっちを選ぶと言われたら、茶会の方を選ぶな」
光「私もよ。だいたい、あなたの急な呼び出しで夜の予定をあわやキャンセルをする所だったわ。で、蓋を開けてみたら下らない事で会議を開くって?何を考えているのよ。ならば、お茶会の方がまだマシよ!」
地「そうじゃな。ワシらも暇ではないからのう。じゃが、下らない会議よりも茶会じゃな」
空「そうですね。でも呼ばれなくて良かったと思います」
火「ある意味、幸運だったわ」
拳「ああ、そうだな。ものすごく幸運だったな」
パパは『ものすごく』の所を強調して言った。
「なっ!?」
帝全員が、全帝を否定した。
「要するに、お前の意見に賛同者は、この中には誰も居ないという事だよ」
「そう言う事ですよ。あなたには全帝の役職を辞任して貰います!既に決定事項ですよ!」
私とクレアが全帝を完全否定をした。
「わ、私よりも魔力量を保持している人間はいませんよ!その私を切ると言うのですか!?」
必死になっているが、余計に見苦しい。
「そうですよ!それに、あなたの魔力量を超える人間は既に出現していますよ。時帝もあなたに言っていた筈ですがね?」
「お前、実際に見たのをそれを私の幻や幻術と言っていたそうだな?馬鹿か!現実を見ないお前に、最早、全帝が勤まるワケがない!!」
「それに、あなたは魔力量が多くてもこの中で、一番弱いでしょう?」
私が煽る。ま、前から煽っているが。
「な、に?私が弱いだとぉぉぉぉぉーーー!!!!!新人のクセに生意気なぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私の言葉に怒りを顕わにする。意外と沸点が低い奴だな。
「なら、私と戦ってみれば判る。貴様は私が気に入らないようだからな!!貴様のケンカ買うよ!そして、貴様がどれだけ弱いのかを貴様の体を以て証明させてやるよ!」
「フン!良いでしょう!私に戦いを挑んだ事を後悔しなさい!」
私の挑発に全帝が乗った。
そして、本部にある闘技場に行き、私達はリングに上がる。審判はパパが務める事になった。
ルールは至ってシンプルだ。どちらかが戦闘不能になるまで戦う事だ。
「始め!!」
号令ともに、全帝がフルバーストを仕掛けて来た。おそらく、始まる前に呪文を唱えていたのだろう。
私は魔力のバリアーを張る。それに全帝の攻撃魔法が当たり煙幕が出来ている。
「フハハハッ!この私に戦いを挑んだ事を後悔しながら死になさい!!まだまだ行きますよ!!」
全帝は更に攻撃を繰り返した。
「おーおー全帝のヤツが張り切っているな?」
「そうですね。はっきり言って魔力の無駄使いですね」
ステラ先生とクレアが呆れていた。
「そうだな。アイツにあの程度の攻撃魔法は効かない」
「えっ?効かないって?こんなに激しい攻撃なのに?」
光帝が質問した。
「全帝の魔力量がいくら多くてもな。攻撃魔法の一発の魔力量がアイツの魔力量を上回らない限り効かないんだよ」
「そうですね。創帝は既に魔力の結界を張っていますよ。その結界を破らない限り、創帝には届かないのですよ。だから、魔力の無駄使いなのですよ」
「しかし、連発で何発も撃っていますが?」
「連発で撃とうが、何をしようが、並みの攻撃魔法ではアイツの魔力結界は破れないよ」
「そんなに強度がある結界なのか?」
雷帝も質問した。
「そうだ」
全帝の攻撃が止む。
「ハァハァハァ……………フハハハハッ!!どうですか!!これが私の実力ですよ!!と言っても相手はもう生きてはいないでしょうがね?アハハハハッ!!」
全帝は馬鹿笑いをし、勝手にリングから降りようとするが。
「オイ?全帝?どこに行く?」
パパが呼び止める。
「はぁ?どこに行くとは?もう勝負は決した筈ですがね?」
「審判は俺だ!俺が勝敗の判定しない限り勝負は決していない!!」
「はぁ?何を言っているのですか?もうボケてしまいましたか?誰が見ても判る事でしょう?」
見下した言葉だ。
「ならば、見てみろ!」
パパが煙幕の方を指差す。煙幕が晴れると、ノーダメージの私が立っていた。
「で?なにかやったのか?悪いな暇し過ぎて寝ていたぞ」
大あくびをした。
「ば、バカな………わ、私のフルバーストを受けて無傷だなんて………」
全帝はたじろいだ。それだけ、先程の攻撃は必殺技相当で全力だったのだろう。
「今度は私の番だよ。いいか?魔法っていうのはな、こうやるんだよ!!【ファイヤーボール】!!」
わざと呪文の名前を言う。ま、魔法のその作りから既に解ってしまうが。
「フン!いくら上級魔法と言えども、たった一発。そんなのは避ければ問題ない!」
全帝は私のファイヤーボールを余裕綽々で避けるが、全帝の横を通過する瞬間に、
「ブレイク!!」
私が言う同時に指を鳴らすと、ファイヤーボールがピタッと止まり、ファイヤーボールから別の魔法、フレイムランスが無数に全帝に襲いかかる。
「うわぁぁぁーーーー!!!!!」
全帝にとっては完全な不意打ちだった。
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