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復帰 2

 昼休みになり、私達は中庭で昼食を食べていた。天気が良い日はいつも中庭で食べている。


「学園長の呼び出しはなんだろうね?」


「確認じゃないの?」


 私が言うとエリサが答えた。


「確認、か………」


「あれだけの大怪我をしていたからね。今の健康状態を直に見て把握しておきたいのでしょうね?」


「なるほどね」


 私は昼食を食べ終わり、学園長室に行く。


 コンコンコン。


「聖ですが」


「開いておるよ」


 部屋の中から学園長の声がした。


『失礼します』。と言って入室した。部屋の中には学園長の他にジェーン先生も居た。


「ウム、元気そうでなによりじゃ」


「頭の怪我による後遺症はなさそうですね?」


 やはり、学園長達は怪我の状態を知りたがっていたのか。


「はい、おかげさまで怪我の方は全快しましたよ。後遺症も無いですね」


「それはなによりじゃ。あの大怪我じゃ、何かしらの後遺症があれば大変じゃからのう」


「そうですね」


 2人共本気で私を心配してくれていた。


「ありがとうございます」


 お礼を言った。


「話は変わりますが、今日の夜に臨時の定例会議があるそうです」


「今朝方、連絡が入ったからのう」


「そうなんですか?一体誰がそんな急に?」


 私はそんな連絡を受けていないが……?


「入れたのは全帝じゃよ」


「全帝が?確か、会議をやる時には帝専用の魔道具で知らせる筈でしたよね?私の所にはその通知が来ていないですが?」


「はい、そうですよ。ちなみに、私の所にも来てはいませんでしたね」


 では、来たのは学園長のみか?そして、ジェーン先生にも教えたのか?


「ウム、そうじゃ。内容までは判らぬが、全帝の事じゃ、どうやら良からぬ事をしでかしそうじゃな」


 学園長が溜め息を吐いた。


「そうですか?判りました。エリサも今日があるという事をおそらく知りませんよね?」


 知っていたら、この昼休みに連絡が届いたかの確認の為に私に聞く筈だ。


「ウム、知らぬはずじゃ。もしかすると、全帝はエリサ、聖、ジェーンなどの一部の帝達を抜いて、この臨時定例会議を行う腹か?」


「そのようですね?では、エリサさんを呼び出します」


「ウム、頼む」


 ジェーン先生が放送でエリサを呼び出した。


 しばらく待つと、エリサがやってきた。


「失礼します。学園長?私になんの用ですか?」


「ウム。単刀直入に聞く。今日の夜臨時定例会議があるのじゃが、知っておるかのう?」


「はぁ?えっ!?」


 思いっきり動揺していた。


「うん、この反応で分かったわ」


「そうですね?」


「やはり、知らんかったか?」


 全帝には呆れて物も言えないな。何故、トップであるエリサに連絡を入れないんだ。


「………えっ?一体誰が臨時会議を………?」


「全帝じゃよ」


「全帝が?いつ通知を?」


「今朝方ですね」


「なっ!?幾ら何でもそんな強引に臨時会議を開くなんて………」


「そうじゃな。臨時の会議を開催する連絡をするならば3日前じゃな。今回は今日じゃからのう。いくらなんでも強行し過ぎるのう」


「しかも、私の許可なくですよ!学園長?今回の臨時会議はどんな内容か分かりますか?」


「判らぬよ。ただ、臨時定例会議を今日の夜に開くとしか寄越さぬかったでのう」


「ちなみに私も連絡がありませんでしたよ。学園長が言われたので分かったのですが、おそらくはステラも知らないと思いますよ」


 エリサはジェーン先生の言葉に半ば呆れていた。


「では?今回の臨時会議は?」


「ウム、おそらく極一部の帝にしか連絡が行っていないとみて間違いないのであろうな?」


「それって、会議の成立が可能なの?」


 私が質問する。


「可能ではないわよ!定例会議は、臨時でも帝が全員揃わないといけないのよ。それだけ、帝の会議は重要なのよ」


 エリサが否定した。


「そうなんだ。では、病気や怪我をした場合は?」


「それとは話が別よ。人間、生きていれば、病気や怪我をしてしまうわよ。それに帝なら危険な高難易度の依頼も受ける場合もあるでしょう?長期のクエストとかね?この場合は欠席でも仕方ないわよ。ただ、今回は話にならないわ。そもそも全員に連絡が行っていないもの。全帝はそれ相応のペナルティーを与えないと」


 エリサは激怒している。


「そうじゃな。臨時ならば余計に全員に連絡をするのが常識じゃな」


「そうですね」


「確かにね。それで、どうしますか?私達は全帝の開催を知らない設定となっているわ。もし、全帝を切り捨て解任にするならば、この機を利用した方が良いわね。もう、王家の方でも使えないでしょう?」


「そうね?王家としてももう今の全帝の価値がないわね」


 エリサははっきりとそう言った。

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