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最終公演 2

まだ、精神不安定と体調不良が続いていますが、とりあえず不定期で再開しますので、宜しくです。

 昼食が終わり、私は一足先に大道芸人達の所に向かう。

 サトルと練習をする為だ。いくら私でも病み上がりで練習無しで本番をやる蛮勇はない。

 私が公園に行くと、サトルは女達に囲まれていた。


『ヤジリ様。これ、私が作ったお弁当です。食べて下さい』


『ヤジリ様。本当に王都を去るのですか?私の家に一緒に住みませんか?』


『ずるいわ。あ、あの私の家で一緒に、す、住みましょう』


 と、ギャーギャーと女達が無駄に騒いでいるが、当のサトルはただ黙っていた。


「オーイ!練習しに来たぞ!」


 私はそんな女達を無視して、サトルに声をかける。


「ああ、待っていた」


 サトルも無視して、私の方を向く。


『なっ!?』


『なんなのよ!あなたは!!』


『そうよ!あんた!私達はヤジリ様と楽しく話しているのよ!私達とヤジリ様の邪魔をしないでよ!!』


『あっ!い、委員長?何故、委員長が……大怪我をしていたのではないの?』


 1人だけクラスメイトが居た。


「全治したよ。そして、邪魔なのはあんたらの方だよ!私達は、これから、午後の部に向けての大道芸の練習に入るのだから」


「そういう事だ!さあ帰ってくれ!」


 私達は野次馬を追い払った。

 私の空間に入る。


 体をほぐしながら。


「こういう騒ぎは私が来る前に治めて欲しかったな」


「悪い、はっきり言うとな、うっとうしいんだよ。俺が無視してもマシンガントークでな。この態度がツンデレだと思われているようだ。で、他の団員が注意しても聞きはしないんだよ。だから、最近は、皆無視しているんだよ」


 サトルはうんざりとした顔でそう言った。それだけ女達がウザすぎる事だな。


「そうだったのか?ま、これも最後だな。練習をやるぞ」


 と、言っても、行く先々の場所でも同じ事が起こっても不思議ではないが、興行期間はどの位の日程で回るのか?で、決まるな。

 2人で一度一の型を全て舞うが、私のテンポが遅れている。やはり、一週間も怪我の為に体を動かしていなかったので、なまっていたのが明白の本に証明された。


「あー!ダメだな!体が思うように動かない!」


 軽く息切れも起こしていた。スタミナも落ちているようだ。


「そうだな。たったの一週間で姉貴の動きがこんなにも鈍くなっているとは思ってもいなかったな」


 サトルも私の動きを見てびっくりしていた。


「ま、稽古を1日休むとその分の体を取り戻すには3日掛かると言われているからな。私の場合は21日以上か」


「計算上はそういう事だな。だが、姉貴の場合は頭の大怪我だ。それは仕方ないと言えば仕方ないぞ」


「ああ、だが、最低限はお前に合わせないとな、じゃないと、芸が成り立たない」


「そうだな。やるか」


 私達は練習を重ねた。

 そして、休憩を挟みながら24時間後(現実では24秒)に漸く私達の動きが合ってきた。


 まさか、サトルの動きに合わせるのにこんなに掛かるとは思わなかったな。


 大量の汗をかきながらも私達は舞い続けていた。終わった頃には、私はゼィーゼィーと言いながら、大の字になって寝そべっていた。私が思っていた以上に体力が落ちていた。


「こ、ここまで、やらないとお前の動きについていけないなんてな……こりゃ、私の体を嘗めていたな。既にリハビリを超えているぞ」


「そうだな。細かい動作がまだ雑になっているな。大目で見れば漸く合ってきたな。それでも最低レベルの方だな」


「誰だよ!こんな面倒くさい芸を仕込んだヤツは!」


 私が愚痴ると、


「姉貴自身だろうが!この型を芸として覚えるのが大変だったのだぞ!」


 サトルがジロ目で言う。


「てヘぺろ」


「うん、もう古いぜそれは」


「うるさい!ヨシ、このてヘペろを剣舞に採り入れるか」


 私は舞の途中でてへぺろをやる。


「止めろ!!入れるな!採り入れるな!俺が恥ずかしい!」


 必死で止める。

 フン、お前が余計な事を言うからだよ。

本日、20時にもう一話投稿予約をしました。

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