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お菓子作り 2

 皆、クッキーを作り始めた。エルフも何かの料理を作るのはこれが初めてだという。エルフは子供達に教えてもらいながら作っていったが、それに対してミカ姉ぇは………。


「ミカエルお姉ちゃん!そんなに力を入れないの!生地が飛んでいるよ」


 ミカ姉ぇは力の入れ過ぎで、生地が子供達に飛んでいた。それを注意され、


「す、すみません………」


 と、謝っていた。そんなに力を入れなくても良いけどね?


 私は、回復した魔力を使って、ケーキ作りをしているが、マリアや一部の子供達が私がしているところを見ている。


「はい!手元がお留守ですよ。手をちゃんと動かす」


 そう言うが、


「だって、お姉ちゃんの周りに沢山のボールと泡立て器が浮かんでいるもの。結構気になるわ」


「うん」

「気になる!」

「聖お姉ちゃん?何を作っているの?」


「リハビリでケーキを作っているのよ。皆に後で食べてもらいますからね」


 私がそう言うと、


『やったー』

『聖お姉ちゃんのおやつだー!』


 子供達が大喜びだ。


「そうですわね。聖殿のケーキは昼食後に食べましょうね。そして、クッキーは皆が作った物を一つにまとめてから食べましょうね」


 王妃様がそう言ったが、ミカ姉ぇが、


「自分で作った物は私が食べますよ。私の物は皆さんに食べていただけるような物にはなっていませんので」


 と、辞退を言ってきたが、


「いいえ、美味しかろうが不味かろうが、皆で、味をみますわ。それに同じ材料で同じ分量で作ったクッキーですもの、極端に不味い物はない筈ですわ」


 王妃様はミカ姉ぇの発言を却下した。確かに、同じ材料で同じ分量で作ったクッキーだ。極端に不味いという事はない筈だ。しかしね、兄さんの事例があるんだよなぁ?兄さんがケーキを作ったら、未知の生物がケーキの中から生まれ、同じように料理を作らせたら、どんな料理でも最終的にはヘドロが誕生するというとんでもない料理の腕前だ。だが、ここにはそんな人がいない筈だ!そう私は信じたい!


 こうして、皆が作ったクッキーは、一度に焼かれて出来上がった。私のケーキはまだ未完成だから、後は空間で仕上げる。


 しばらく冷ましてから、試食に入った。


 見た目は皆同じクッキーだ。私の前に置かれたクッキーの匂いも問題なさそうだ。


「では、いただきましょう」


 そのクッキーを皆で食べるが…………。


「美味しい!!」


「味が無い?」


「苦い!!」


「甘い~♪」


 と、様々な反応を示す子供達。私のは、普通だ。


「あれ?同じ材料で作ったクッキーだよね?まあ、苦いのは焼き過ぎたかもしれないけど、味が全く違うのって?」


 子供達の反応を見てマリアが不思議がっていた。普通だった皆も不思議そうだった。


「これはクッキーによって味の加減が違っているかもしれないわね?しっかりと生地を混ぜなかったセイかも?」


 と、王妃様が言っていたが、私が見る限り、皆はしっかりと混ぜていたように見えたが………。


 しかし、エルフが、


「………私、クッキーに色んなモノを一つ一つに入れてみた」


 と、言い出した。


「たとえば、どんなものを?」


 リクが聞くと、


「………うん、塩、コショウ、ワサビ、ラー油、七味、唐辛子、辛子など、私、聖の調理場から持って来た。それを入れた」


 それを聞いて青ざめる。


「ちょ、ちょっと、エルフさん?それって、何の罰ゲームなのよ!!」


「………?罰ゲーム?私、真面目にクッキーを作った、美味しいと言ってもらう為に」


 エルフがそう言ったが、そんなモノを一つ一つに入れたって?これは食べ物のロシアンルーレットだわ!止めないと!


「はい!皆!このクッキーを食べるのはストップ!」


 慌てて止めるが既に手遅れだった。何故、フラグが立つかなぁ?

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