休暇と陛下の悩み事 5
今回は話の関係上凄く短いです。
「どう?思いっきり気持ちを吐き出した気分は?」
口喧嘩が終わり、ミカ姉ぇに声を掛けた。
「はい、何故か気持ちがすっきりしましたよ。喧嘩って、こういう喧嘩もあるのですね?」
ミカ姉ぇの顔が喧嘩をする前よりもすっきりしていた。
「そうね。暴力だけが喧嘩ではないわよ。口喧嘩も立派な喧嘩よ。それに、兄弟姉妹はいつも同じ仲良し小好しだけではないわよ。時によってはこうやって喧嘩もするのよ」
「そうですね…………。今回の事で分かりましたよ」
「でしょうね?私達は生きているわ。仲良し姉妹でも、気に入らない事があれば、口論になるのよ。それは、自然な事なのよ」
「ハァー。聖さんには敵いませんね。私は良い姉に成りたいと思って、いろいろと参考書を読みましたが…………」
「そんな物まで読んでいたの?参考書なんて、あくまで、参考書よ。そんなマニュアル通りにはいかないわよ。それに、一番上は、自然と自覚が身に付いちゃうのよ。まあ、他人の行動も見て真似る場合もあるよ。こういうのは真似から始まって、徐々に自分に合ったスタイルになっていくのよ。それは、武芸も同じよ。だから、焦る必要は無いのよ」
「そうですね」
そこにステラ先生達が転移して来た。
「おっ?マリア達からお前達が喧嘩をしていると聴いたが?もう終わったのか?」
「はい、ご迷惑をおかけしました」
と、私は頭を下げた。その光景を見た先生が、
「やっぱり、聖は姉御肌だな」
「そうだのう。ミカエル殿?こういう時に上の者が、聖のように率先的に頭を下げるモノじゃよ」
ヒルドさんが、そう指摘した。
「えっ!?あっ!?」
ミカ姉ぇは、『はっ』としたが時既に遅しだった。
「ミカエル姉さん、ドンマイ」
「………仕方ないと思う」
「そうね。これはもう経験の差ね」
「やはり、お姉さまは凄いです」
と、マリア達はミカ姉ぇを慰めて、私を持ち上げていたけどね。それは、ミカ姉ぇがダメージを地味に受けている事になるのだよね。
「はい、ミカ姉ぇはまだ姉のポジションに就いたばかりだから、まだ慣れないから勉強中だよ」
「うっ!?」
私の言葉にミカ姉ぇが絶句をする。
「あっ!?私がトドメを刺しちゃったわ」
気付いた時、既に遅しだった。
「聖たら………」
クレアが呆れていた。
その後は、皆と雑談をして、夕食を摂り、お風呂に入って、帰って行った。
ブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。
していただければ作者は泣いて喜びます。




