休暇と陛下の悩み事 4
マリア達は、練習用の扉から自分達の部屋へと戻って来た。
「お姉様?ボク、お姉さんの所に行きたい」
イスレイは駄々をこねた。
「今はダメよ。大人しくしてて、後で戻るからね」
と、クレアはイスレイをあやす。
「…………わかった」
イスレイはしぶしぶ答えた。そこに、ステラ、ヒルド、ルエルが帰って来た。ステラが、
「お前達、聖の所に行ったんじゃあないのか?それに何故王子様がいらっしゃるんだ?」
ステラはマリア達に聞いた。
「実は────」
クレアが事情を説明する。
「────という訳で、私達は、イスレイを連れて避難して来たのです」
「なるほどな。確かに喧嘩に発展するような内容だな」
「ほんにのう。しかし、ミカエル殿は、おぬしらの姉になるべく、参考書などを読みふけっておったが」
ヒルドがそう説明した。
「ミカエルさんは、そんな物を読んでいたのか?」
ステラがびっくりしていた。まさか、天使がそういう物を読むとは思ってもいなかったようだ。
「みたいじゃな。一刻でも早く良い姉になりたかったのじゃろうがのう」
「そんな物を読んだからと言って、良い姉になるなら、皆、苦労しないわよ」
マリアがそう言った。
「そうね。こればかりは、何事も経験よね」
クレアも同調していた。
「そうだね。私は妹だから、お姉ちゃんや兄さんの上の気持ちは分からないけどさ、その読み物が絶対に正しいとは限らない事はそれは分かるわ」
「そうね。私もお姉様を見て来たからね。エルフ。貴女は長姉だったわね?」
「…………うん。でも、私の所は、違う………弟がいたけど………姉弟で何かをしたという思い出はない。私は私で女王になるべく育たれた。だから、私自身は姉弟というモノは良く分からない。聖達の所、この場所で、姉妹ってこういうモノ?と知る場面が多く見られた」
エルフはそう言った。
「それって、1人っ子と同じでは?私も1人っ子ですから、姉妹というモノはここで知りましたよ。お姉さまが居るだけで、私は守られているという安心感があります」
リクがそう言う。
「…………そう、私もそう思う。何があったら聖が助けてくれると思うと安心する。周りに気を張らないで済む」
マリアとリクも頷いていた。
「どれだけ、聖を頼っているんだよ?まあ、確かに、聖は姉御肌だ。特にお前達に何かがあれば直ぐに動くタイプだからな」
「ほんにのう。そういった場合は妾達に頼って任せるのが良いのじゃがのう。聖は自分で解決しようとするのう」
「やはり、生活環境のせいでしょうか?」
「そうだな。前世は両親。神聖王様達が普段居なかった。聖は兄として、聖なりに弟妹を守って来たのだろう。ここでも、やはり、自分自身がしっかりしないといけないと思っているのだろうな………だが、ヒルドさんが言うように、今は、私達、大人がここに居るんだ。聖も私達に頼る時は頼れば良いがな」
「ほんにのう」
「はい」
2人も頷いた。
「さて、もうそろそろ、聖達の所に行くべきだろうな。まだ、2人が喧嘩をしていたら、止める」
「そうじゃな」
「周りの人達も迷惑でしょうですし」
再度、皆で聖達の所に行く事になった。
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