表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
400/739

立ち会いと………… 19

 そして、陛下が。


「リョウタ!」


「は、はい………」


 リョウタがビクッとして返事をする。おそらく震えているだろうな。


「前回の事と今回の事を吟味した上で貴様をしばらくこの宮殿に出入り禁止処分とする。次回から余が許可をするまで立ち入る事は許さん!」


「は、はい………判りました………」


 リョウタは落ち込んでいたが、この程度の処分で済むなら御の字だろうな。


 コンコンコン。


 ノックの音がし、バーストさんが対応して。


「陛下、皆様。お食事のご準備が整いました」


 バーストさんがそう報告した。


「ウム、判った。では、聖殿。ゆっくり、静養して下さい」


「分かりました。ありがとうございます」


 お礼を言う。ミカ姉ぇが、


「私と聖さんの食事はここに持って来て下さい」


 そう言った。


「ミカ姉ぇ?」


 ミカ姉ぇは私の看病をする気か?


「私は聖さんの姉ですよ。こういう時こそ、私に姉らしい事をさせて下さい」


「うん、ありがとうね」


 ミカ姉ぇの好意を無駄にしたくはないから、私は頼む事にした。


「私達は食事してから帰るわ」


「分かったわ」


「ああっ!」


 突然、マリアが大声を上げて。


「どうしたんだ?」


 サトルが聞く。


「うん。あのね、お姉ちゃんがいつも使っている洗濯機っていうモノ?その使い方が分からないのよ」


「ああ。そうだったわね?」


 私は洗濯を他人に預ける事が嫌な為に、洗濯機を創造し、毎日、皆の洗濯物をしていた。


「姉貴?そんなモノまで創ったのかよ?俺はまだ手洗いだぞ!!」


 サトルが驚いていた。


「それはご苦労さん。せっかくの創造魔法だぞ?有効に使えよ」


 私は呆れていた。せっかくの能力だろうが!


「ならば、この際だ!洗濯機の説明して、姉貴達の部屋をじっくりと見させてもらおうか?あまり見ていなかったからな」


「ああ、じっくりと見ていけよ」


「そうするよ。またな」


 皆が出て行った。


 しばらく待つと、メイド達が食事を持って来た。


 私はベッドの上で上半身を起こした。私の食事は消化に良い食べ物が中心だった。手術後だからか?スプーンで食べられる物だった。ミカ姉ぇは普通の食事だ。


「では、食べましょうか」


「そうだね」


 私達は食べ始めた。食べていると、ミカ姉ぇが、


「聖、私はガブリエルのような姉に成れるでしょうか?」


 と、聞いて来た。


「急になによ?前にも言ったけど、ミカ姉ぇが、がぶり姉ぇと同じようにする事はないのよ。ミカ姉ぇはミカ姉ぇなりの姉を目指せば良いのよ」


 そう言ったけどね。このセリフ何回、私に言わせるの?私は呆れてしまった。


「しかし、聖はガブリエルの話を生き生きと語っていました。私は「ミカ姉ぇ?ちょっと私の方に来て」


 ミカ姉ぇの話を折って、私の方に来るように言った。私はベッドから降りられないからだ。


「何ですか?」


「ミカ姉ぇ」


 私はミカ姉ぇの唇を奪う。


「ッ!?」


 ミカ姉ぇはびっくりして、一瞬混乱状態になったが直ぐに私と離れた。


「ひ、聖!?これはなんのつもりですか!?」


 驚きつつもこちらを睨んでいた。


「ごちそうさま♪どう?私のファーストキスの味は?がぶり姉ぇにもしていないわよ」


「そう言う事を聞いている訳ではありませんよ!」


 ミカ姉ぇが怒っている。


「ミカ姉ぇ?姉として、私と特別な関係を持ちたいならさ、もう、私とエッチをするしかないんだよ?」


 私は真剣に言う。


「ミカ姉ぇ?確かに、がぶり姉ぇと私との関係は特別な関係だよ。姉で母親。そして、私にいろいろと教えてくれた師匠さ。そんな関係を築くには、一瞬の時間ではないのよ。10年以上の月日があるのよ。そりゃあ、神や天使にとって10年という月日は瞬きの時間しか無いかもしれないけど、人間としては長い時間なのよ。その10年という長い時間で私とがぶり姉ぇの関係を築いたのと、私とミカ姉ぇが出会って、まだ2ヶ月の時間では、全く違うのよ。だからさ、焦らなくても良いのよ。それが嫌なら、私はミカ姉ぇとエッチをするわよ。もう、肉体で関係を築くしかないからさ」


「わ、私はそこまで求めてはいませんよ。私はどうやら、聖の言う通り、焦っていたようです。一刻でも早くガブリエルに追い付きたいという焦りが………」


 ミカ姉ぇは、反省しているようだった。


「そうなの?しかし、天使のトップであるミカ姉ぇが嫉妬とは結構可愛いわよ」


「ぐっ////」


 ミカ姉ぇの顔が真っ赤っかになった。


「しかし、天使の嫉妬心は堕天使に堕ちるわよ」


「わ、分かっていますよ。こ、これ以上言うと、斬りますよ」


 照れ隠しか?変な事を言う。おそらく、頭の中はパニック状態だ。


「んー?それも良いかも?ミカ姉ぇの剣術は超一流だからね。また斬られたいわ」


 私は素直に答えた。


「なっ!?何を言っているのですか!頭の手術を受けておかしくなりましたか!?」


「元からだよ。何度でもミカ姉ぇに斬られたいと思うほど、気持ち良く斬られたからさ」


 それに未だに剣術のみの模擬戦で勝った試しがなかった。


「…………ッ!?と、とにかく、そういうのをやめて下さい。私は私なりの姉を目指しますから」


「それで良いのよ。さあ、残りの食事を食べてしまいましょうか」


 私達は食事をした。

ブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。

していただければ作者は泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ