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立ち会いと………… 18

「テメェーはバカか!!つうッ!!」


 私は思わず大声を上げて怒ったが、頭が痛い。声が頭に響いた。


「姉貴!無理するな!俺が代わりに言うから!オイ!リョウタ!学校行事の後片付けと、王国での政治の後片付けを一緒にするなよ!あの時は俺よりも効率が良いヤツが居たからソイツをリーダーとして片付けをするように頼んだだけだ!あの時は俺も他にやる事があったからな!そして、この一件は国王陛下が先頭に立ってやる仕事だ!姉貴が勝手にしゃしゃり出て行って良い事はないんだよ!解ったか!」


「……………」


「リョウタ?俺は前に言ったよな?王侯貴族達には言葉を気をつけろとな?言っておくが、ここに居る他の人達はなにかしらの地位を持っているんだよ。持ってないのは、リョウタ、お前だけだ!その場でその首を刎られても文句は言えない無礼な事を言ったのだぞ!解っているのか!」


「悪かった………」


「リョウタ!お前はもっとこの世界や基本的な一般常識を勉強しろ!じゃないと、たとえ、どんなに美味いケーキを作れたとしても、お前の今のままの言葉使いでは店が潰れるぞ!!」


「うっ………」


「確かにな。リョウタ、お前の接待一つで、客の反応が様々の評価が分かれるだろうが、悪い噂が立てばあっという間に潰れる」


「…………」


「今後、お前に教えて行くが、聖が言ったようにもっとこの世界の常識を勉強しろ」


 リョウタはしょんぼりしている。余計な事を言うからこうなるんだよ!


「聖や」


「なんでしょうか?」


「この者を学園に通わせたら良いではないかのう?」


 学園長がそう言った。


「リョウタは魔力がありませんが?それに虐めの対象になりますよ?」


「ウム、確かにな。どんな人間でも多少の魔力があるが、この者にはないのう」


「でしょう?私は嫌ですよ。リョウタのお守りは。それにコイツはこうやってうっかりと要らない事と言うのですから、こちらとしてはたまったものではないですよ」


「そうじゃのう。しかし、無知は罪と言う事も事実じゃ。コヤツが無知の為に要らぬ事も言うてしまう事ものう?」


「学園長?なにが言いたいのですか?リョウタを学園に通わせるのですか?しかし、リョウタは天涯孤独の身ですよ?学園の学費や家賃も誰が払うのですか?リョウタに払う能力はありませんが?」


 そう、リョウタはパパ達の所に住み込みで働いている。まだ、皿洗いだけだから、給与はそんなに高くないが、食事費や家賃を免除されている。


「ウム、確かに、支払う能力はなさそうじゃのう?」


「はっきり言わないでくれよ!」


 リョウタが嘆く。


「じゃが、神聖王様から、リクの学費としてオリハルコンの延べ棒を戴いたからのう。今、学園の経営が潤っておるんじゃよ」


「ベルモット殿!?そんな貴重な金属をサラッと言わないで頂きたい」


 ホクホク顔の学園長に陛下が苦言を呈した。


「オリハルコン………そんな金属があったのかよ?」


「伝説や架空の金属だと思っていた………」


 サトルとリョウタが絶句をした。


「だから、エルフの学費がタダになっていたのか?」


「そうじゃよ。じゃから、この者の学費や家賃も免除が出来るのじゃよ」


「で、リョウタをどこのクラスに編入するのですか?一番下位のクラスですか?」


「イヤ、ジェーンに任す」


「えっ?私がですか?しかし私は……」


 ジェーン先生は驚いていた。まさか、自分に来るとは思っても居なかったからだ。


「解っておるよ。なにも1日中付きっきりとは言わぬ。場合によって課題を与えておけば良い」


「判りました。では、3ヶ月で、立派な社会人にしてみせましょう。私もずっとはみていられませんので」


「ウム、やり方は任せる」


「判りました」


「3ヶ月?短期集中学習か?」


 リョウタがまたもや絶句した。


「その認識で構いませんよ」


 サラッと言うジェーン先生。


「ま、ジェーンなら可能だわね?」


「ああ、ジェーンは学園始まって以来の秀才だからな。ジェーンの手に掛かればどんなヤツでもまともな社会人になるだろうな」


 ママとステラ先生がそう話していた。なるほど、ジェーン先生は才女なんだな。ま、リョウタがこの世界の常識を会得するなら、教える教師は誰でも良いがな。


 こうして、リョウタは3ヶ月間、学園に通う事となったが、パパは土日は皿洗いの仕事をさせるようだ。じゃないとリョウタは暮らしていけないからな。

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