表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
388/737

立ち会いと………… 7

 どの位の時間が経ったのか?それとも、刹那か?


「……………!?」

「…………ッ!!」

「…………様!!」

「ひ…り……!!」


 周りが五月蝿い…………。


「うっ!?…………」


「聖様!!」

「気が付きましたか?聖様!!」


「ぇっ?…………な、なに………?」


 私はまだ半覚醒状態だ。頭が痛い………。


 えっ?頭が痛い?………そう言えば、私………後頭部を何かで殴られて………それで……………?


「はっ!」


 完全に覚醒をした。


「つっ!?」


 頭が痛いので、回復魔法で処置をしようと手を後頭部に回そうとしたが、『ジャリッ、ガキーンッ』という音がして、手が動かない。


 どういう事だ?周りを見回すと、女性調査員と仮面を取られた風帝ことセシルさんが居たが、2人共に下着姿で大の字で両端の壁に枷によって拘束されていた。


 という事は、私も同じ姿で、中央の壁に拘束されているという事になる。


「い、一体、何コレは!?どういう事よ!?」


「わ、判りません。私も食事中に急に眠気が来て、周りの人達も急に倒れ込むように寝ていていました………気付いたら、このような状態で………」


「それに、この拘束具は魔力を封印の効果があるようです!魔力が集まらずに霧散してしまい、魔法が使えません!」


 と、調査員とセシルさんが報告をしてくれた。


 私も魔法を使ってみるが、全く発動しなかった。これじゃ、回復魔法も使えないぞ。


「こ、これは、や、やばいわね………私も使えないし………集中力が…………うっ………」


 後頭部のダメージで、また気を失い、体がだらりと落ちた。その光景を見た調査員が、


「ふ、風帝様!貴女様は言いましたよね?聖様ならこの状況下をなんとかしてくれると!!しかし、今のこの人は役立たずじゃないですか!!」


 セシルさんに八つ当たりをしていた。


「しかし、本来の聖様の魔力量を見れば、この状況においても頼りになると思ったらですよ!しかし、今の聖様は明らかに様子が変ですよ!!」


「た、確かに、また気を失っていますね?何かのダメージでも受けたのでしょうか?」


「判りませんよ!ならば、私達がやることは、この枷をどう自力で外すかですよ!!言い争いをやっている暇はありませんよ」


「そ、そうですね?ご、ごめんなさい。しかし、どうやって外れるの!?わ、私、こんな所で死にたくないわ!!」


 調査員は体全体を使ってガチャガチャとやっているが、全く外れる気配はなかった。セシルもなんとか外そうとしているが、全く外れる気配がなかった。



















「うっ……………」


 私が再び気が付いたが、どの位の時間が経ったのだろうか?セシルさんも調査員も既にぐったりとしていた。


「ふ、2人共、大丈夫なの?」


「あっ!気が付きましたか?」


「…………」


 風帝は喋る気力もないようだ。


「なんとかね………」


「貴女様が気を失っている時に枷を外せるかと、いろいろと試みましたが………」


 調査員は首を横に振った。


「そう………」


「聖様もダメなのですか?」


「今、やっているが、この枷は、呪文、カオスワードで、開閉するようだわ。しかも、魔力を利用してね。拘束されて魔力を封印されている私達にはどうしょうもなさそう………」


 見る限り、枷に鍵穴がどこもなさそうだ。一度、拘束したらこれで終わりでもなさそうだった。あたりを付けてそう言った。


「そんな………じゃあ、ここで死ねと?」


「落ち着いて、質問に答えて!この質問は、私達が生きるか、死ぬかの別れ道に繋がる大事な質問なの」


「えっ?な、何を答えれば?」


「うん、これから質問するわ。私が気を失っている間に一度でも、偉そうな人物が来た事がある?」


「えっ?これが私達が生きるか、死ぬかの別れ道の質問ですか?」


「そうよ。さあ、答えて!」


「は、はい!まだ、来てはいません」


「そう。ならば、まだ助かる可能性があるけど、そいつが来ないと助からないが、もし、そいつが来たら、私がやることに口を挟まずに黙って見てて」


「分かりました」


「風帝!貴女もよ!」


「あっはい……分かりました………」


 もしも、来なかったら、()()()()()使()()()()も付いたが、そいつは、必ず来ると私は確信していた。

補足説明:聖が聖様と呼ばれた訳。

食事中。

リーダー「皆いいか?今後は聖様とお呼びしよう。魔法の腕前もさることながら、陛下とも親しいご関係のようだ」

捜査員1「確かに」

捜査員2「今朝、陛下とご一緒にご入室してきましたよね?」

捜査員3「そうだったな?仮に鉢合わせになってご入室なされても、陛下よりも早く入室するのが常識だが、自然とご一緒にご入室なされたな」

調査員4「もしかしたら、陛下の隠し子か?」

調査員5「そんな噂話はありませんが?」

リーダー「とにかくだ!今後は聖様とお呼びし、聖様に失礼が無いようにしょう!」

「「「「はい!」」」」

こうして、調査員達は聖を聖様と呼ぶ事になり、その事は風帝にもその旨を伝えたのだった。


と、いうのが経緯です。その後、何者かの手によって眠らされてしまいましたが。


次話は来週の月曜日に更新します。

ブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。

していただければ作者は泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ