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新たなキョウコウ 1

 デートの話がまとまり。


「私達はこの辺でお暇致します。今日は、マイケル様のご祝福の立ち会いをさせていただきありがとうございました」


 パパが挨拶をして私達も頭を下げた。用は済んでいるから、あまり長居もしてもね。


「すまないが、お前達に大事な話があるんだ。また、余の私室に来てくれ、ここでは、話せれぬのだ」


「分かりました」


「わたくし達はわたくしの部屋で待っていましょうか?」


「そうだね。暇だしね」


「うん」


 クレアの発案で、私達はクレアの部屋に行く事になった。兄さんとリョウタはバーストさんの案内で客間に通される事となった。


「では、わたくし達は、屋敷に戻りますわ。聖様、ミカエル様。本日は誠にありがとうございました」


 夫妻は改めて、私達に頭を下げた。


「いいえ、私達の祝福でマイケルくんが健やかに成長してくれれば良いですよ」


「はい、ありがとうございます」


 夫妻と別れて、私達は、部屋に向かう途中で、メイドに呼び止められた。


「陛下、教皇様がお会いになりたいと、今、謁見の間にいらっしゃいますが?」


「何?教皇が?」


「教皇?もう新たに決めたのですか?」


 前の教皇がクビになってからそんなに時間が経っていないが、こんなにも早く決められるモノなのか?


「ああ、教会の幹部連中が早々と選出してた。時間を掛けると、余に自分達の力を削ぎ落とされてしまうと危惧したのだろう」


「なるほど、分かりました。念の為に私も付き合いますよ」


「うん?どうしてだ?」


「ま、ぶっちゃけ、新たな教皇がどんな奴だかこの目で見てみたいのですよ。前はロクな奴ではなかったですしね?」


 あんなクズを教皇にしている教会だ。次の教皇もこの目で見ないことには信じられる訳がない。


「なるほどな、分かった。お願いしよう」


「はい」


「で、このままで行くの?」


 クレアが聞いてきた。


「イヤ、帝に成ってから行くよ。それに帝なら言い訳もたつしね?」


「そうね?」


 空間から帝の服装を取り出し、着替えた。


「コレが帝の服装?地球なら一発で不審者だぜ?」


「そうなの?」 


「まあね。フード付きマントローブをして、こんな仮面を被っていたら、『これから、犯罪をします』。と、服装で周りの人達に知らしているからね」


 もしくはコスプレだね。


「そうなのね?住む場所によって服装一つで住民の捉え方が違ってくるのね?」


「そう言う事よ。陛下、準備が出来ました。行きましょう」


「ウム」


 先ほどのメイドには、会うと伝えておくように言ってある。


 私と陛下は親衛隊長と合流して、謁見の間に入ると、中央に派手な服装の老人が膝を折って畏まっていた。コイツが新たな教皇か?左右には若い神父が1人ずつおり中央の老人と同じように、膝を折って畏まっていたが、私は一目見て分かった。左右の神父共は、ただの神父共ではないという事に。

次話は来週の月曜日に更新します。

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