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デートしたい!

 兄さんのデートの一言で、マリア、リク、エルフ、イスレイくんが参戦した。


「ズルい!私だって、まだ、お姉ちゃんとデートしたことないのよ」

「私だってお姉さまとデートしたいです」

「…………私も聖とデートしたい!」

「ボクもお姉さんとデートしたい!」

「お前達は普段から聖と一緒に居るだろう!たまにはオレにも付き合わさせろよ!」

「「「「イヤだ!」」」」


 と、私を取り囲んで、5人が言い合いになっている。


「ハァー、結局はこうなりますか?」


「そうですね?」


「いつもの光景じゃな?」


「そうですね?まあ、マリア達がイスレイに気をつけているので良いのですが………」


 ミカ姉ぇ、ルエルさん、ヒルドさん、クレアの4人はため息をつきながら呆れていた。


「聖はこんなにもモテるのかよ?」


「それはモテるでしょうね?」


「ああ。聖自身、美人だからな。これで誰も寄ってこない方がおかしいぞ?」


「た、確かにそうかも………オレも聖と知らなかったら、一回は声をかけるかもしれないな」


 などと、言っていた。


 室内からギャーギャーと騒ぐ声を聞きつけてバーストさんがやってきて。


「陛下?もう、マイケル様の祝福は終わりましたか?」


「ああ、無事に終わった」


「では、あの光景は一体?」


「ウム、簡単に言えば、聖殿の取り合いだな」


「聖様の取り合いですか?」


「あの5人は聖殿とデートをしたいようですわ」


「デートですか?それでイスレイ様もご参戦を?」


「ああ。しかし、イスレイはデートの意味が判っているのか?」


「聖殿はどうするつもりでしょうか?」


 陛下達は興味深そうにやり取りを見ていた。


「5人共落ち着きなさい!」


 私がそう言うと5人はぴたりと止まった。


「分かりました。5人共にデートをします」


「本当?」

「やったー!」


 マリア達はハイタッチをしながら喜んでいるが、兄さんだけは複雑な表情だった。


「まず、マリア、リク、エルフの3人は明日の午後にデートをします」


『やったー!』


「オイ!」


 兄さんが文句を言うが、無視する。


「次にイスレイくんは今度の火曜日の授業を使ってデートをします」


「わーい!お姉さんとデートだ」


 大はしゃぎをするイスレイくん。


「そして、最後は兄さん。兄さんとのデートは翌週の土日を使ってデートをします。以上!文句は受け付けません!」


「えっ?」


「ま、マジか!?」


 兄さんが一番驚いていた。


「聖?どうして、ガイのデートは土日なの?どこかに泊まりがけでデートをするの?」


 ママが聴いてきた。


「うん、ホラ、私は火の貴族に成るでしょう?しかし、火の領を見たことがないからさ、兄さんとのデートをするついでに行って視察して来ようかなと思ってね。まあ、パパには悪いけどさ、良い機会だなと」


「なるほどね?」


「考えたな。どっちみち、聖は一度は火の領には行って来なければならないか?」


「そうね」


「オレとのデートをついでにするなよ!と、言いたいところだが、オレも火の領には行った事がないんだ。デートには丁度良いかもな?」


 パパ達や兄さんは納得していた。


「火の領か?」


「わたくし達も逃亡中にとある場所にはお世話になりましたわね?」


「ああ。そして、聖様の名代として俺達も火の領に住むのだからな」


「そうですわね」


「分かった。来週の店の事は俺がなんとかしよう」


「私の生まれ故郷だからね。行ってきなさい」


「ありがとう」

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