新たな命 6
食事も終わり、お風呂に入るけど、イスレイくんは空間のお風呂はこれが初めてだね。
「わーっ!ここがお姉さんの空間なの?」
イスレイくんは辺りを見回していた。
「そうだよ。これから、お風呂に入るからね」
「うん!また、お姉さんと一緒に入る」
「えっ?どういう事なの?」
「驚く事はないよ。運動した後に入っただけよ。朝練でも入るでしょう?それと同じだよ、マリア」
「あっ!?」
「それにイスレイ王子に風邪をひかれても困る」
先生が言う。
「そうなの?」
イスレイくんは私の方を見る。
「そうだよ。イスレイくん、キミは王子様だからね。運動後に風邪をひいてしまうと私が大変なのよ」
「お姉さんの方が偉いのに?」
「私は世間一般に公表していないからね。私よりもイスレイくんの方が立場が上になるのよ」
「そうなの?でも、お姉さんの方が偉いよ?だって、ボクにお勉強を教えてくれたり、美味しいお子様ランチを作ってくれるもん」
「ああ、そうだね」
私達はお風呂に入る。
「お風呂場も広いね?」
「そうでもないよ。宮殿の方が広いわよ」
私はそう言った。それでも、浴槽の広さは男女共に20人が入れる広さに改良した。
男の方も、人数が増えて来たので、面倒なので、広さを同じにした。
お風呂に入ると、イスレイくんは、また私の胸に頭を乗せて入っていた。それを見ていたマリア達は大騒ぎだ。
「あー!ずるい!」
「私もしたいです」
「………私もやりたい」
「イスレイ!?貴方、何をやっているのですか!聖!貴女もなんで注意をしないの!!」
「だって、こうやると安心して気持ち良いだもん」
どこ吹く風のイスレイくん。
「エリサ、そんなに怒りなさんな。イスレイくんがこういう行為が出来るのも今の内だけよ。それに当人が気持ち良いと言っているからね。どうしょうもないよ。それとそこの3人。5才児のイスレイくんに嫉妬しないの」
まったく、良い年をした者達が。
「しかし!!」
「エリサ、怒るな。聖が良いと言っているんだ。それにイスレイ王子も後2、3年したら、私達とはもう入れなくなるんだ。聖が言う通り今の内だ」
先生に諭された。
「分かりました」
「ま、お前が弟を思う気持ちは解らんでもないが、私は一人っ子で子供もいない。今のは教師として言っているだけだ」
「そうですか。確かに、私は、イスレイが聖達に迷惑を掛けないようと思って注意をしています」
「だから、迷惑と思っていないよ。私はイスレイくんを弟と思っているからさ。それに私は下の面倒見は良いんだよ」
前世では舞と更夜の面倒を見ていたから、2人からはお兄ぃや父親と呼ばれていた。
私達は、お風呂から出た。しばらく休んだ後に、エリサは自分の部屋に帰って行った。先生は空間で寝ているから、そのまま、自分の部屋に行った。ミカ姉ぇ達も自分達の部屋へ戻って行った。
私達もイスレイくんを連れて自分達の部屋に行く。
「で?寝るのはどうするの?」
「もう一つ、ベッドを創るよ。どうせ、一つはベッドを創らないといけないからね」
「え?どうしてなの?」
「誰かが病気になったりしたら、隔離しないといけないでしょう?それに私の体の事もあるからさ」
『あっ!?』
マリアとリクが気付いた。
「た、確かにそうですね?」
「うん、お姉ちゃんの体がどうなるか解らないものね?それに私達も」
「でしょう?だから、予備で創っておくのよ」
私はダブルベッドを創った。もちろん、布団や枕もだ。
そこにイスレイくんと一緒に寝る。エルフが羨ましそうに見ていたが、一晩位は我慢して欲しい。
深夜3時頃。
『オギャアアアアーーーー!!オギャアアアアーーーー!!』
と、元気な泣き声が屋敷内に響き渡った。
「陛下、王妃様。男の子がお生まれになられました。テレサ様もご無事でございます」
メイドが伝えに来た。
深夜なので、声も控え目だ。
「産まれたか」
「そうですわね」
「これで私も祖父か………」
陛下達3人はテレサの所に行く。
「テレサ、良く頑張ってくれた。ありがとう」
「はい、あなた。私達の子供ですわ」
テレサの隣りで赤ちゃんは大人しくしていた。
「ああ、可愛いな」
「私は少し休みます」
「ああ、そうしてくれ。お義父様もお義母様もお休みになられて下さい」
「ああ、そうしよう」
「そうですわね」
赤子を夜勤のメイドに任せて、全員が就寝に就いた。
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