新たな命 5
「はい、料理が出来たよ。食べましょうか」
私が作った料理が並ぶ。
「はい、イスレイくんはお子様ランチ」
今日、作った料理で、お子様ランチ風に仕上げて出した。
「わーい、お姉さんのお子様ランチだー」
凄く喜んでくれた。
「いつ見ても、豪華に見えるわね?」
エリサは、感心しているのか?呆れているか?良く判らない声で言った。
「………コレが、お子様ランチ?………私にはお弁当に見える?」
どうやら、エルフは、このお子様ランチがお弁当に見えるようだね。
「違うよ!これはお子様ランチなの!お姉さん!そうだよね?」
「そうだよ。これはお子様ランチというのよ」
「ほらー」
「………でも?私にはお弁当に見える……どうして?」
「エルフは、お子様ランチを見たことがないからだよ。だから、お子様ランチをお弁当と認識してしまうのよ。知らない物はより近い物に認識してしまうのよ」
「………だから、私はこれをお弁当と思ったのか?」
「そうだよ。主食があって、そして、おかずがあるから、エルフにはそう思ったのでしょう?」
「………うん、そう、そう思った」
「でしょうね?エルフはお子様ランチを知らなかったから仕方ないし、この世界には無かった料理だからね。さあ、食事をしよう」
皆で食事をする。その食事中に。
「テレサ様が出産中か、私は経験が無いからなんとも言えん」
「………私も」
「私もって?エルフは結婚していたの?」
「………していた。けど、私は子供が宿せない体だったみたい………直ぐに別れた」
「えっ?エルフ族は長寿の種族だから、子供が産まれる確率は低いのではないの?」
エリサが聴いた。長寿種族は、子供を宿せる確率が低いとされていた。
「………そう。エルフの医師がそう言った………子供を宿せない体だと………だから、もう諦めている」
「そうなのね………」
「………別にエリサが悲しむ事は無い。私は子供はどうでも良かった」
「どうでも良かったって?好きな人との子供じゃあ?」
「…………違う、私は好きでも無かった………相手もそう………子供を産む事はエルフ王族の義務だからそうしただけで、私は男は嫌いだから」
エルフのカミングアウト。
「えっ?男嫌いって?」
「………私は元々女性が好き」
エルフは私を見た。
「ちょっと待て!じゃあ、エルフ、貴女は私を?」
「…………そう、あの時に一目惚れしていた」
エルフは顔を赤くした。
「また一目惚れか!!この世界の住人達はどうなっているんだ?一目惚れが流行り過ぎだぞ?」
特に私の周りで。
「………そうなのか?」
「そうだよ。なぁ、エリサ?」
「そうですね。私も聖の弟の更夜さんに一目惚れをしましたからね。それは否定しませんよ。で?聖は一体何人の人に一目惚れをさせたのですか?」
「えーっと、エルフと兄さんの2人だね。えっ?マリアとリク、何、手を上げているの?」
「私もお姉ちゃんが好きだよ」
「私もお姉さまを愛しています」
2人同時に言った。
うん、これは一目惚れの話だけどね?イヤ、違うな?テレサさんの出産の話だったな。
「聖さん、モテますね?」
「そうだね」
ミカ姉ぇに言われてそう答えた。
「ボクもお姉さんが好きだよ。このお子様ランチも美味しいもん」
「そうか、ありがとうね。そう言ってくれると嬉しいわ」
「うん!」
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