先生達に報告
「……………という言う訳です」
私は陛下達にテレサさん達の現状を伝えた。
「そうか。分かった」
「ついでに、火の貴族の事も伝えておきましたが?」
「そうか、それは助かる」
そして、私達は陛下達に挨拶をして、寮部屋に帰った。クレアもだ。明日も授業があるからだ。部屋にはステラ先生とルエルさんが既に帰って来ていた。
部屋に帰るまで、マリアは落ち込んでいた。
「マリア?大丈夫?」
私はマリアに声をかけた。
「うん、大丈夫よ。お姉ちゃん」
マリアの声に張りがない。
「マリア?無理はダメよ?」
「一体、何があったのですか?」
ミカ姉ぇが聞いてきたので経緯を言った。
「なるほど?そういう訳ですか?」
「リリカの母親がなぁ?意外と言えば意外だな」
「意外ですか?」
「ああ。これは私の印象だがな。高圧で誰でも見下した態度を取る夫人だったな?だから、当時を知る私からしたら、リリカやファルコンさんに謝罪をしたいと言う言葉が出てくるとは思わんかったな。まあ、今から思えば、火の貴族という大看板を背負っているから、嘗められないように下の者達を見下した態度を取らざる得なかったかもしれんが、こればかりは私の想像だからな」
「そうですか………」
「…………」
「でも、マリアさんが落ち込む必要はありませんよ。マリアさんが落ち込んでいるのは、不意に怒り任せで魔力を放出した事でしょう?そして、その怒りのやり場がない事でしょうか?」
ミカ姉ぇがそう聞くと、マリアは頷いた。
「そうですよね。まあ、一番良いのは空間で魔力を解放して何もかも忘れて暴れ回る事でしょうか?スカッとすると思いますよ?」
「あー?そうかもな?」
ミカ姉ぇの提案に先生が同意した。確かに、何も無い空間で暴れ回る方がストレス解消になるわね?でも、ミニチュアの建物を魔法で破壊すればもっとスカッとするわね。
私は皆にそう伝えた。
「なるほど、ただ暴れ回るよりも何かを破壊しながらの方がよりスカッとしますね?」
「ウム、良い考えじゃな。妾もやりとうなったわい」
「…………私もやりたい」
ヒルドさんとエルフもやりたがっているようだ。まあ、この2人も今日はストレスが溜まる1日だったからな。
「ならさ、夕食を食べ終わって、お風呂に入る前にやろうよ」
私がそう提案すると、皆が賛成した。
私は、皆の夕食を作った。
食事中に別の話をする。
「…………という訳で、先生、エルフの本格的の復学を」
「ああ、そうだな。戻って来たからな。でも、復学は来週の月曜日からで良いか?あれこれと、手続きがあるからな」
「…………構わない、聖とステラに任せる」
「分かった」
「まあ、今日、帰って、明日、復学じゃね?」
「そうですね。少しおかしいですね?あっ!?ステラ先生?お姉さまと私は明日の授業を出ても大丈夫なのですか?違和感は無いのですか?」
「あっ!?そうだわね?一応、水の領外の森まで行っているという事になっているから、聖達も明日の授業を出るのは不自然かも?」
エリサがそう言った。王国の領土は広大だ。王都から水の領外までは馬車で3週間はかかる距離だ。だから、私達も、明日、教室に居る事は不自然になってしまう。
「そうだな?聖?お前は学園内で生徒達の前で転移魔法を使った事はあるか?」
「生徒達の前では無いですよ」
素直に答える。
「そうか………では、お前達も、明日、教室に来ていては不自然だな。不本意だが、明日は休め」
「分かりました」
私とリクは返事をした。
やったね!先生公認の休みだ!!さて、空間で何を作ろうかな?
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