テレサさん達はどこに?
「陛下?聞きたいことがあります」
「ん?なんだ」
「最近、テレサさんとローランさん夫妻の姿が見ていないのですが、今、どちらに?」
そう、最近、夫妻を宮殿内で見かけないので、居場所を聞きたかった。
「ああ、テレサ達は出産が近いので宮殿内の離れの小屋にいますわ。テレサ達もここが良いと言っておりましたので」
と、王妃様が答えた。
しかし、小屋って?宮殿内に王族が住める小屋が存在しているのか?
「そうでしたか?あの?夫妻の様子を見に行っても宜しいでしょうか?」
「ええ、構いませんよ。聖殿が行けばテレサ達も喜ぶ事でしょう」
「ありがとうございます。では、行ってきます」
「お姉さん、ボクも行く」
イスレイくんが私に付いて行くつもりだ。
「分かったわ。では、道案内を宜しくね?」
「うん!」
イスレイくんは元気良く返事をした。
「聖?本当は、お姉様達の居場所が分からないのではないの?」
クレアが揶揄した。
「2人の居場所は魔力感知で分かるわよ。それに転移魔法を使えば直ぐだよ。私が知らないクレアの部屋に転移魔法で行けたのが証拠でしょう?」
「あっ!?そうだったわ」
思い出したようだ。
「はい、クレアさん残念ー!!」
「うっ」
「それでは、行ってきますね」
「はい、行ってらっしゃい」
私はイスレイくんを抱っこをして、テレサさん達が住んでいる小屋?に行く。
十数分位歩いて行くと、王妃様が主張する小屋?に着いたが…………。
「ね?これが小屋なの?これはどう見ても立派なお屋敷だよ?大豪邸だよ?」
私達の目の前には上流貴族が住んでも可笑しくないとてもない大きな屋敷がこの宮殿内の敷地に建っていた。これを王妃様は小屋と言い放った。では、王妃様にとって他の家は何?
「そうなの?ボク、わかんないよ」
イスレイくんはそう答えた。
うん、イスレイくんも王妃様の感覚にならない為にも一般的常識の勉強を教えないといけないわ。
私は気持ちを新たに決意を固めた。
私は備え付けのベルを鳴らした。
しばらく待つと、メイドが出て来た。私は、そのメイドに主旨を話したら、屋敷に入れてくれた。ま、イスレイくんがいるから、私達を追い返す訳にもいかないだろうね。
私達は居間に通されて、ソファーに座って待っていると、ローランさんがやってきた。
「聖様、お久しぶりでございます」
「お久しぶりですローランさん」
私達は挨拶を交わした。
「聖様、申し訳ございません。連絡もせずに急にここに引っ越してしまって」
ローランさんが謝罪した。
「いいえ。それにしても、この屋敷は凄い豪邸ですね?王妃様はこの屋敷を小屋と言ったので、この屋敷を見たときにはびっくりしましたよ」
「ハハハッ。実は私もですよ。王妃様が手頃な小屋があると言ったので、担当のメイドに案内をして貰ったら、この屋敷でしたから。私はこれのどこが小屋なんだ!と、思わず声に出してしまいましたよ。テレサは、呆れたようにお母様らしいと言っていました」
ローランさんは、当時の事を思い出して、苦笑いを浮かべながらも話してくれた。
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