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体の異常3

 俺達は寮に戻り、自分達の部屋に戻った。


「さてと、今から、行くところがある!」


 俺はそう宣言する。


「えっ?どこに行くの?」


 マリアは驚いたように聞いてきた。


「神界だ」


「えっ?し、神界に?どうして?」


「俺の体を治して貰う為にだよ。このままではダメだ。マリア達に影響が出てしまって、大変な事になる」


 永遠と魔法を掛けている訳にはいかないし、いつ切れるかも判らない。そんな不安な日々を過ごしたくはない。


「でも、どうやって、神界に行くの?そもそも行けるの?」


「普通では行けないが、ちゃんと考えてあるよ。【次元の扉】」


 俺は扉は出した。


「えっ?これで行けるの?」


「ああ、理論上はな。そして、そこのイメージを思い浮かべるのさ」


「…………」


「何時に帰って来るか分からないから、マリアの夕食を作って置くよ」


 俺はキッチンに向かい、料理を作り始める。


「お姉ちゃん?帰って来るよね?嫌だよ。これでお別れなんて………私、お姉ちゃんともっと一緒に居たいよ」


 今すぐにも泣きそうになっている。


「ああ、帰って来るよ。もう、帰る場所はマリア達の所しかないからさ。それに…………まあいいか」


「えっ?なによ。何言うとしたのよ?」


「イヤ、俺の料理を食べて美味しいと言ってくれたのが嬉しかったと思ってな?これを言うとさ。今から死にに行くぞ!と思って、言うのを止めたのさ」


「確かにそうだわね?あっ!お姉ちゃんに料理や色々と教えてくれた人の名前って聞いていなかったわ。教えて?」


「そうだな。色々と教えてくれた人の名前は『がぶりえる』さんという外国の人だよ。俺達は『がぶり姉ぇ』と言っていたよ。いつもニコニコしている人だったなぁ。それに俺達、兄弟を大切にしてくれた人だったよ。母親の愛情があったと思うが、俺達は、親達にまともに育てられてはいないから分からないかな」


 そう、俺は親達の愛情は良く分からない。がぶり姉ぇは家政婦以上に良くやってくれたけど、俺達は()()としてではなく、()として接したからな。


「そうなんだ?」


「そうだよ。特製ハンバーグが出来たよ。後は、好きな時間に食べてね。心配しないで、ちゃんと戻って来るよマリア」


「うん……戻って来ないと許さないからね!!お姉ちゃんの下着を物色しちゃうからね!!」


「ばっ!?辞めて!何言っているんだ!」


「だから、お願い!戻って来てね。私、お姉ちゃんの事、大好きだから」


 マリアは俺に抱き付いた。俺もマリアを抱き締めて。


「ああ、帰って来るさ。戻ったら神界の話でも聞かせてあげるよ」


「うん!約束だよ」


「ああ」


 俺達は離れて、俺は次元扉のドアノブに手を掛けて、幼女神をイメージし、次元扉を開ける。


「じゃあ、行ってくるよ。マリア」


「行ってらっしゃーい。お姉ちゃん!」


 マリアは笑顔で言ってくれた。


 バタン。


 閉めた同時に扉も消えた。

 注)がぶりえるやがぶり姉ぇの名前表示は、聖達の幼い頃の名残を表現しました。


 ネタばれになりますが。以降、聖やその兄弟がガブリエルの事を言う表示は『がぶり姉ぇ』もしくは『がぶりえるさん』になります。

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