陛下達に報告 7
「そうだろうねぇ。資金を手っ取り早く作るなら犯罪に手を染めた方が早いねぇ。特に麻薬や魔薬が早く作れるねぇ。全く馬鹿なことをやったモノだ」
お婆さんは悲しい顔をせずに呆れ顔になっていた。
「そうだよ。王家に多大なる迷惑をかけたよ。そして、ソイツ等に関わった多くの貴族達が家を取り潰しとなったが、それは自業自得だ。悪いことはいずれは見つかるのさ」
「そうだねぇ。結局、元旦那は今までの功績を踏まえの地方で軟禁生活。アレはナチ帝国の者に無惨にも殺されたぇ。あたしはアレはろくな死に方をしないと思っていたが、その通りになっちまったねぇ……陛下、あたしはこれで失礼致します。お嬢さん、ありがとうよ。あたしの孫に会わせてくれて」
「ママやパパには謝罪しないの?」
私はそう言った。何故か、お婆さんは会わないような気がしたからだ。
「するよ。謝罪はしたいさ。ただ、リリカがあたしに会ってくれるかどうか………」
なるほどね。謝罪の現場に招待してもお婆さんの名前では応じないのか。
「ならば、余が間を取り持ってやろう」
陛下がそう言った。陛下が間を取り持つならば、ママも断れないだろう。
「陛下………ありがとうございます」
お婆さんは陛下に頭を下げた。陛下は日程が付き次第、ママとパパに連絡をする。とお婆さんに言った。お婆さんは、分かりました。と答え、部屋を後にした。
マリアはまだ黙って俯いていた。頭の中では整理が出来ていないのだろうね。
陛下が、
「エルフの女王がここに居るということは、聖殿が会議場で言った事は嘘となるのかな?」
「嘘ではないですよ。エルフは国民に対して、二度と人間達との関わりを持つ事を禁止して、退位しましたよ。そして、あの場では言わなかった事は、王国に仇なす者達は私と熾天使ミカエル、ヴァルキューレのヒルドの3人で全て成敗致しましたよ。ただ、この件を会議場で言ってしまうと、私の正体をバラさないといけませんので」
「なるほど、確かに聖殿の言う通りだな。しかも、たったの3人で、エルフ族に戦いを挑む事は無謀と考えるな」
「そうでしょう。だからこそ、あの場では言わなかったのです」
「そうだな。私も聖殿の立場なら言えないな。エルフの女王は本格的にこの王国に聖殿達と一緒に住むということで良いのだな?」
「…………いい。私、聖達と一緒に住みたいし、学園で人間の勉強をしたい………私は人間として、暮らしていきたい」
「分かった。改めて、聖殿、リク、我が王国を救ってくれて、ありがとう。エルフ族との要らぬ戦争を回避が出来たのは2人のおかげだ。回避が出来なかったら、失わなくても良い命が沢山失っていただろう」
陛下と王妃様、クレアが私達に向けて頭を下げた。
「いいえ、この王国に住んでいますから、当たり前です」
「私は戦いに関しては出番がありませんでしたので」
リクは萎縮していた。
「そうなのか?」
陛下がリクに訊く。
「はい、ほとんど、ミカエルお姉さまとヒルドが倒してしまいましたよ。お姉さまは、王族を含めた高官達を殺しました。出遅れた私はただ観ているだけでした」
「そうだったのか?だから、聖殿は3人と?」
「はい。まあ、成り行きですよ。エルフ共の私達に対して見下した態度は、ヒルドさんを怒髪衝天にする事をさせてしまいましたのでね。私も交渉次第ではエルフ共を4人で殺すしかないと思っていましたよ」
「なるほどな。エルフ共は聖殿達を人間だと思い込んでいたのだな?」
「はい。それでも、私達は魔力で威嚇しましたがね。エルフ共はお構い無しに襲って来ましたので」
「哀れですね」
王妃様がそう言って、頭を左右に振った。
「………これは、父を含めて、全面にエルフ側が悪い。私は忠告をしようとしたが、父に黙っていろと言われたから黙っていた」
「そうだったのですか?本当に哀れですね」
「ああ。そう言えば、エルフ族の賠償の金貨だが。3割。金貨3割は聖殿達の取り分に。残りは我が王国に納めてくれ。王国としての報酬は別に支払う」
「分かりました」
私もこの事は文句はない。私は1割貰えれば良いなと考えていたからだ。こうして、私の報告が終わった。
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