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陛下達に報告 5

「今帰った」


 陛下はそう言って、私室に入って行く。その後に私達も続く。


「只今戻りました」

「失礼致します」


「お帰りなさい、アナタ、そして、聖殿。まあ、珍しい、いらっしゃい魔道師殿」


「ご無沙汰しております王妃様、クレア王女様、イスレイ王子様」


 お婆さんは挨拶をした。


「誰なの?」


「この王宮の魔道師ですよ。わたくし達の部屋にはあまりやってはきませんが、今日は一体?」


 マリアの質問に王妃様が答えた。


「あンたが、リリカとファルコンさんの娘さんだねぇ?ワインレッドの髪の色で直ぐ分かったよ。ワインレッドはあたし達一族にしか出ない髪色だからねぇ」


「えっ!?」


「ま、魔道師様はまさか?」


「おや?クレア王女様は知らなかったようですね?あたしはリリカの母です」


「ッ!?」


「リ、リリカさんの母親………」


「な、なんでここに来たの!貴女は、私達とはもう関係ないわ!!パパとママを酷い目に遭わせておいて!!帰ってよ!!帰って!!」


 マリアの魔力が大爆発した。


「マリア!」

「マリアさん!落ち着いてください!」


 クレアとリクが慌ててマリアを抑えた。


「な、なンという魔力なンだい!?既に人間レベルを超えているじゃないか………こンな子が、リリカとファルコンさんの娘とは………」


「お婆さん?人間レベルを超えているって、一体誰が決めたの?今まで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だけでしょう?人間の魔力量の限界値なんてないよ?」


「……………」


私に言われて、お婆さんは黙ってしまった。この世界の人間の最大魔力量の限界値はどこまでなのかはまだ判らない。それはマリアが証明していた。


「マリア、落ち着きなさい。このお婆さんは、パパとママ、そして、マリア達に詫びを入れたいという事で連れて来たのよ。詫びを入れる前に帰してしまったら元も子もないわ」


「で、でも!私は!!」


「マリアが許せないのは分かっているわ。でも、詫びを聴いてからまた判断すれば良いわ」


「………うん……ごめんなさいお姉ちゃん」


 マリアが落ち着きを取り戻してから、お婆さんが話し出した。


「あたしもそうだったが、身分が高い人間がとても優秀な人間だと思っていたよ。だから、跡取りであったリリカには身分の高い人間と一緒になった方があの子がきっと幸せになる筈だと信じていたのさ。だから、あの子があたし達の前に平民であるファルコンさんを連れて来た。あたしは一目見て、ファルコンさんの魔力量があたし達よりも遥かに高いと判ったけどね。

 しかし、いくら魔力量が高くても、陛下の親衛隊所属でも、ファルコンさんの自出は平民。

 あたし達は2人の結婚…いいえ、付き合う事さえも猛反対した。ファルコンさんにはリリカと別れさせる為に様々な嫌がらせもし、そして、神聖王様をも盾にもしたけど、リリカの意志は固かった……その後、リリカは貴族の身分を捨てて、家を出た。

 リリカの判断は正しいかったと後から思い知ったのさ」


「……………」


 マリアはお婆さんの話を黙って聴いていた。

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