陛下達に報告 4
大会議が終わり、私は陛下と一緒に退席した。そして、魔道士のお婆さんもだ。そのお婆さんが。
「ハァー。これで娘の貴族の復帰は無くなったねぇ」
と、ぼそっと言った。
「えっ?娘の貴族の復帰って?」
「おや?今のが聞こえたのかい?すごく小さな声で言ったのだけどねぇ」
「でも、火の貴族に何故こだわるの?何があったか知らないけど、貴女の娘を貴族に復帰させるのなら、陛下に頼むとかすれば良いのでは?」
かなり高い地位に居るのだから、その位は出来そうだが?
「それが出来たら苦労しないよ。まあ、あたしと娘とは縁を切っているしねぇ」
「そうなんだ?」
「そうだよ。しかしねぇ、あたしゃどうしても娘夫婦に謝りたいのさ。あたしの考えが浅はかだったと……」
お婆さんは昔の事を思い出したのか、かなり落ち込んでいたが、そう言えば、私達のママもお婆さんの娘と同じようなシュチュエーションだわ。
「陛下?貴族達の親は子供に結婚の自由を与えていないのですか?私のママもそうだったようですし」
「えっ?あンたの母親も元貴族なのかい?」
「そうだよ。というか、私は養子だけどね」
陛下が答える前にお婆さんが言ったので答えた。
「そうだったのかい………」
陛下が、
「魔道師よ。その聖殿がお前の娘夫婦、リリカとファルコンの養子なのだ」
「「えっ?」」
陛下の言葉に私達は驚き、顔を見合わして。
「じゃ、じゃあ、このお婆さんは?」
「この娘さんは?」
「ウム、お前達は戸籍上は肉親関係にあるのだ」
「そうだったのですか………陛下は、あたしの願いを………」
「それもあるが、聖殿は実力でも火の当主に成るのに相応しい御仁だ」
「そうですか……あたしは………本当にリリカに対してとんでもない母親でした………こんなあたしを娘夫婦は許さないでしょう……本当は孫にも会う資格もありません………」
なんか自己解決をしているな。
「ねぇ?お婆さん?私は養子だからさ、あまり貴女の事は詳しくは知らないけどさ、自己解決は良くないよ。本当に悔いて謝りたかったら、ママ達に会ってしっかりと謝らないと何事も先に進めないし、このままじゃあいけないよ?」
「…………」
「今さ、本当の孫のマリアが宮殿に居るわ」
「今どこに?」
「陛下の部屋ですよ。まさかこんなにも時間が掛かるとは思っていませんでしたから」
「そうか………それは済まぬ事をした」
「いいえ、仕方ないですよ」
「娘さん?あンた一体?」
私と陛下の親しいそうなやりとりを見て、お婆さんはそう言った。
「魔道師よ。本来、聖殿は、余と対等に話せられないのだ」
「えっ?対等に?」
お婆さんは私と陛下の顔を見比べていた。
「陛下?それは言いっこなしですよ」
「そうだったな?」
「とりあえず、行きましょうか?お婆さんの口から話してくれないといけないような気がします」
「……分かったわ。陛下、私室にお邪魔も宜しいですか?」
「ウム、来るが良い」
私達はお婆さんを連れて陛下の私室に行く事となった。
お婆さんからどんな話が聞けるか分からないが、お婆さんの話を聞いてマリアが荒れなければ良いけどね…………。
気付いたら、連載一年が経過していました。これからもこの物語を宜しくお願いします。
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