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エルフ 28

「な、なんだ………こ、この馬鹿げた魔力は??」

「人間が我らの魔力よりも高いだとう!?」

「あ、ありえん………に、人間如きにこんな魔力を出せる筈がない」


 ヒルドさんの魔力に部下のエルフ達が驚いている。


「と言うよりさ?お前達の女王様が帰還しているのだぞ?その女王に言う事は無いのか?それにそこの兵士達もそうだったが、自分達の女王に得物を向けるとは何事だ?お前達は自分達が長寿だとほざいている割には全然物事を知らぬ馬鹿者共が」


 私は呆れた声で言う。


『…………』


 部下のエルフ達は黙って私を睨みつけた。


「ほう?それがお前達の答えか?あんたさ?全く部下共に恵まれていないわね?同情するわ」


「………うん…………ありがとう」


『…………』


 部下達は更に黙って私を睨みつけていた。


 ヒルドさんが、


「なんじゃ?おぬしらは、あの世に旅立つのを諦めたのかえ?詰まらんのう」


 と、本当に殺せないのを残念がっている。


「さて、あんたがこの国のリーダーの代理で良いのか?貴様らの約束通りに女王を見つけてやったぞ!我々に感謝して貰いたいものだな?」


 ふんぞり返りながら言う。


「貴様!人間の分際で先代様を愚弄する気か!」


「貴様らはここで突っ立って黙っていろ!話が進まん!」


 部下達に金縛りを掛ける。


 私の金縛りに掛かった部下達はブルブルと体を震えているだけだった。


「さて、返事はいかに?」


「娘をどこで見つけた?」


「どこでも良いだろう。貴様らの無茶な使者で我々の王国はかき回されたのだからな!!貴様ら、エルフから我が王国に迷惑料と賠償金を払って貰うぞ!貴様らには拒否権は無いぞ!全て合わせて1000億を払って貰うぞ!」


「なっ!?なんだと!?そんな法外な金額を払えるか!!」


「拒否権は無いと言ったぞ!私達4人で貴様らを滅ぼす事は可能だからな!!」


「………父よ……ここは素直に払った方が身のため…この4人は強過ぎる…本当にエルフの国が滅びる」


 エルフは忠告するが、


「アメリア!貴様は黙っていろ!貴様が言う立場ではないわ!」


 一喝した。


「……分かった…もう黙っている…後はエルフの国がどうなろうと…私は知らない」


「なに!?どういう事だ!」


「……………」


 父親の問いかけにも答えないエルフ。代わりに。


「あんたさ?さっき娘に対して言っただろう?だから、もう答えないよ。そして、答えて頂こうか?賠償金1000億を払うか否かをな!」


「もちろん「父上!姉上が戻ったと!!」


 いきなり、デブなエルフがのしのしと突然乱入した。


 無礼極まりないな、コイツは。


 そして、デブエルフは。


「貴様らが姉上を攫った犯人か!者共出会え!狼藉者共を捕らえて処刑にせよ!」


 一人で盛り上がっている。


「何だ?こいつは?」


 エルフに聞く。


「………私の弟だと思う……もう…何百年も会っていない…その頃の見る影もない…自信がない」


「そうか?オイ!そこのデブエルフ!貴様は邪魔だ!引っ込んでいろ!それにエルフ族は礼儀作法を知らんのか?」


「……それについては謝る」


 ぞろぞろと武装をしたエルフ達が出て来た。デブエルフが!


「この者共捕らえて処刑せよ!」


「はっ!」


 エルフ達は私達に得物を向ける。


「これは交渉決裂だな!私達に喧嘩を売った事を後悔しろよ!」


 私達4人は魔力が解放した。エルフはただ見ているだけだった。


「な!?」


 デブエルフが驚きの声を上げる。兵士達も私達の魔力にびびって、動揺していた。


「ええい!何をしているやってしまえ!ソイツらを始末したら、王国に戦争を仕掛けるぞ!」


「ほう?貴様が主導者か!!」


 デブエルフを睨み付ける。

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