エルフ 22
「リク様、申し訳ございませんでした。今までの数々のご無礼をお許し下さい」
ラキさんがリクに向けて頭を下げて謝った。
「お、オイ?ラ、ラキ!?」
他の大人達が困惑している。ラキさんが。
「貴方達はまだ分からないのですか!?聖様は、私達、大人達は誠心誠意、リク様に謝れと言っているのですよ!!」
「イ、イヤ、し、しかし………頭を下げるのは…………」
大人達が困惑している。
「貴方達!だから、聖様に言われるのです!前族長のやり方に賛同していると!前族長は『他人でも親族でも頭を下げる事は恥晒しだ』。と、言っていました。今の貴方達がそうですよ!前族長に刷り込まれているのですよ!!人に頭を下げて謝る事は恥晒しでもなんでもないのです!それが、なぜ分からないのですか!!もう前族長はいないのですよ!現族長は私達が崇拝しているアトランティス神様こと神聖王様のご令嬢の聖様なのですよ!私は、聖様に付いて行き、新たなアトランティスの村の開拓を手伝います!」
ラキさんがそう言うと、ラキさんと同年代の人達が。
『リク様、今までのご無礼や非礼申し訳ございませんでした!!我々一同、リク様に心より謝罪致します。そして、我々も族長である聖様に付いて行きます』
と、リクの前で謝罪した。そして、私の前に跪いた。
「み、皆さん………」
立ち上がり、ラキさんの方を向き。
「ラキ、オレ達もラキと同じ考えだ!オレ達もこの村を大きく発展させたい。じゃないと、オレ達はこの村をいずれ捨てる事になる。このままの状態でこの村に留まっててもオレ達はダメになっていたから。オレ達はこの村を新しくしたいんだ!!しかし、その勇気がなかった。そう、今朝の聖様の話があるまでは。この村の現状は土は豊かになったが、ただそれだけだ。他の技術がオレ達には全くない」
「だからね。私達は他の技術を学びたいのよ。ファーネリアは色々な技術があるわ。特に私達は服や靴を造りたいのよ。こんな直ぐにダメになる程度が低い服や靴ではなく、より質が良いものをね」
他の若い人達も頷く。
「貴方達は、短い時間でそこまで考えていたのですか?」
「ああ」
「そうよ」
ラキさんが言うと若い人達は答えた。
「貴方達はどうするのですか?」
ラキさんは大人達に聞く。
すると残った大人達が一斉に跪いて、土下座をする。
『リク様、申し訳ございませんでした!!』
大人達も漸くリクに謝罪をしたのだった。




