エルフ 21
~アトランティスの村~
村に着くと、村人達がざわつく。
「えっ?な、なんで、リク様が子供や聖様と一緒に?」
「なんで、リク様が………」
大人達全員が信じられないという表情をしている。
「はい!静かに!リクがここに帰ってきたら何か拙い事でもあるのかな?ま、前の族長はリクの実の父親だったけど。実の娘であるリクも前族長の被害者なのよ」
そう私が言うと、村人の1人が。
「ひ、被害者なワケがあるか!!コイツも父親と同様に俺達よりも良い暮らしをしているのに決まっているんだ!!」
と、怒りに任せて怒鳴り散らす。
「その証拠は?リクが貴方方よりも良い暮らしをしていた証拠を出して下さい」
「お、俺達よりも良い家に暮らしていた!それに毎晩豪華なベッドで寝ているだろうが!俺達は未だに床で寝ているんだ!それに、あの当時、俺達の食事は、今では、三食、ちゃんと食べられているが、あの頃は、一般人の大人が1日一食で戦士や子供達でさえ二食だが、族長やコイツは三食だろう!」
『そうだ!そうだ!』
と、他の村人達も便乗してしたが、
「いいえ、私の食事は1日に一食でしたよ。父は確かに三食食べていましたがね。そして、寝床も筵で寝ていましたよ。ベッドで寝ていたのは父だけですよ。私はこの村でベッドで寝た事なんて一度もありませんでした。一度、小さい頃にベッドで寝ようとしたら父にこっぴどく殴られましたよ『ここはお前ような輩が寝ていい所ではない』とね。それに、『お前はワシの息子だ!村連中には絶対に舐められるなよ!ワシが恥をかくからな!』と言われましたよ。私には既に村の中には味方もいませんでしたからね。誰に言えず、肉親である父に従うしかありませんでした………」
最後は俯いて喋っていた。
「らしいわよ?私はこの村には住んでいないけどさ、今までにリクや子供達の話を聞く限り、貴方方、大人達はリクに対して酷い差別をしていたみたいだね?前の族長の振る舞いは貴方方に対して非道な振る舞いだったと想像が出来るが、だからといって、なんの罪がない娘のリクに当たる事はないでしょう?リクが父親と同様にやっていたら、私だって、妹にはしないし、何よりも神である私の両親もリクを娘として養子にしないわよ」
『ッ!?』
私の親を出す事で、村人達の反論を封じ込める。反論をすると言う事は、リクを養子にした親を否定する事になる。
子供達が。
「リク様は優しいよ」
「リク様はぼくらにお菓子を作ってくれていたんだよ」
「そのお菓子はとても美味しかったよ」
「リク様は悪くないよ」
「悪いのは父ちゃんや母ちゃん達だよ!」
『…………』
大人達は更に黙ってしまった。
「自分達の子供達にリクを貶める事を言っておいて、まだ綺麗事を言うことはないでしょうね?」
私は、大人達を睨む。
『……………』
大人達は俯いたままだった。
「な、ならば、あの当時の我々はどうすれば良かったんだ!」
「それを自分らで考えていなかったのが原因でしょう?貴方方も前族長のやり方を賛同していたのでしょう?騙されたとは言え、なんの疑いもせずに族長の言いなりになっていたのだからね?」
「そ、それは…………」
村人の言い訳を遮断して、こう言った。
「で、貴方方全員が貧乏暮らしを強いられていても、その族長のやり方が正しいと言っているようなものよ?それに貴方方も族長に対して抗う術を持っていた筈だっただろう?それをせずに、ただリクに八つ当たりなんて以ての外だよ!」
『……………』
大人達は、黙ってしまっていた。
右腕が完治するまでは、しばらく不定期更新です。




