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エルフ 19

 イスレイくんと子供達は、イスレイくんの部屋に遊びに行ってしまった。


 私達は、もう少し、お茶をする。


「そういえば、マリアは一緒に行かないの?」


「うーん?どうだろうね?ここにも来ていないわよ。いつもなら来る筈だけどね?」


「そうですね。実はマリアさんは何か焦っているような感じですね」


「焦っている?少なくとも私が見た感じはそんな様子には見えなかったけど?」


「ええ、お姉さまの前ではそんな素振りは見せませんでしたが、私達の前だと結構見せているのですよ。特に、クエストの時にです」


「クエストね?張り切ってしまうの?」


「張り切るというか、マリアさんは、前線で戦ってしまうのですよ。戦闘リーダーのヒルドは再三注意しているのですが………」


「そうなの?マリアって、後方で魔法攻撃するタイプでしょう。別に前線に立たなくても敵を十分に倒せるわよ」


 クレアも疑問を持ちながらも言う。


「そうなのですが、マリアさんは、沢山敵を倒したいようで、私達の陣形を崩して、前線に立ってしまうのですよ」


 これはかなり焦っているわね?


「なるほどね?マリアは自分が弱くて、沢山経験値を稼ごうと焦っているんだ」


「おそらく、そうでしょうね。しかし、マリアさんはけして弱くはありませんが、私達と暮らしていると………」


「そうね?マリアは弱くないわね。なら、私はどうなるのよ!!私の方が一番弱いわよ」


 クレアが嘆く。


「………マリア………弱いのか?」


「弱くはないわよ。聖とリクを除けば、この王国では最強の魔力量を持っているわよ」


「…………そうか………でも…本人は……弱いと嘆く………」


「それはそうよ。聖とリクの魔力量の桁が遥かに違うのよ。マリアだって、人間としては桁外れな魔力量なのよ。今までの最高魔力量は5億なのに、マリアの魔力量はその2倍以上もあるのに………ハァー、イヤになっちゃうわ」


 クレアは更に嘆いた。


 クレアの魔力量は約7000万だ。朝練で魔力量を徐々に増やしているが、私達の魔力量がとんでもないから、クレアの心が折れそうになっていた。


「…………約10億以上か?………私達………エルフ族よりも………ある………し……私の……魔力量……よりも……マリアの方が…………遥かに…ある………聖達の………魔力量は?」


「今の私は最上級神の中位クラスの魔力量だよ」


 ミカ姉ぇから聞いたから間違いない。


「私は母上から聴きましたが、世界神の下位並みの魔力量があるそうですよ。でも、今は更に増えていますよ」


 私達の魔力量の桁数を言うと天文学的な数になる。


「………その魔力量………バカげている………この魔力量に………ケンカを売るのは…………自殺行為………交渉決裂した場合は………エルフ族が滅ぶ」


「改めて聞くととんでもないな。聖殿とリク、それにミカエル様とヒルド様が加わるのだからな」


「そうですわね。エルフ族が間違った選択肢を選ばないようにとただ祈るだけですわ」


「だからこそ、マリアはそれで焦っているのよ。マリアは、聖とリクに追い付きたいからね。私もそうよ。将来的には最低でも2億以上の魔力量を持ちたいのよ。私はどう頑張っても聖達のように爆発的に魔力量は増えないから」


 クレアは、自分の限界値を見極めていた。


「2億か………。我々、人間としてはかなりな魔力量だ」


「そうですわね。それもわたくしたちの娘が挑むのですから」


「私も聖達と一緒に朝練をしておりますので、今の目標は1億を超える事です」


 クレアは当面の目標を立てた。その方が良いわね。大きな目標を立てて、その間に小さな目標を立てる。その小さな目標をクリアーして行けば、大きな目標にいずれたどり着ける。


「ま、ママやミカ姉ぇがいるからね。朝練をやっていれば2億の魔力量を持てるよ」


「そうね。修行をすれば、魔力量が上がるわね?」


「そうだよ。それは、マリアも言えることだね。そう考えれば本当は焦る必要はないのにね?」


「そうですね。魔力量は直ぐに一気に上がるモノではないですよね?まあ、私もマリアさんも覚醒したように一気に上がりましたからね。それの感覚があるのでしょうね」


 経験者のリクが答えた。


「おそらくね?まあ、この世界にレベルというモノがあれば、マリアの魔力量レベルが10代から一気にレベル90代まで上がった感じだね。その大幅なレベルアップをしても、私達には追い付かない悔しさが出てきたのかな」


「そうかもしれないわね。魔力量が大幅に増えて、その聖達の増大な魔力量の高さが分かってしまうのは皮肉だわね?」


「まあね。私も両親の魔力量を分かってしまったわ。そして、小指1本で本気なった私を簡単に倒せてしまうとね」


「そうですよね。私も絶望しましたよ」


「「「「は?」」」」


 4人が驚く。


「い、いや。神聖王様だからその強さは当たり前な事のような………」


「そ、そうよね。聖が小指1本で倒されてしまってもおかしくないわよね」


「え、ええ………そうですわね」


「………えっ?………神聖王……様?………誰?」


 エルフに説明したら、私とリクの顔を見て驚いていた。

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