体の異常1
俺達は一度、自分達の部屋に戻り、制服から私服に着替えてから、校門の所で待ち合わせをしてから、寄り合い馬車に乗ってカフェに向かう。
カフェの近付くで降りて、行くと、平日にも関わらず行列が出来ていた。
「凄い行列だわ?皆、新しく出来た食べ物、ケーキが目的なのかしら?」
「あっ!知っていたの?そうだよ」
エリサの質問に俺が答える。マリアが、
「お姉ちゃんがパパに作り方を教えて、販売したら、こんな状態なのよ。だから、行列が絶えないのよ」
パパは、俺の空間で、なんホールの違う種類のケーキを作っているし、他の料理の仕込みもやっている。パパは『忙しすぎだ』と、言っているが、その表情は充実していた。
「このままだと、夕方になるな。裏口から行くか?」
「そうだね。このまま、普通に入ったら、他の客にどやされるわね?」
「そうだな」
俺達は裏口から入った。
「「ただいま」」
「おじゃまします」
裏口は厨房になっており、パパが忙しく捌いてやっていた。兄さんはもくもくと皿洗いをやっている。
「お帰り。悪い忙しくて、相手が出来ない」
「ああ、良いよ。自分でやるよ」
「頼む、コーヒーは、淹れておく」
「ありがとうパパ。ケーキはなににする?」
「えっ?大丈夫なの?」
「聖なら大丈夫だ!!………コーヒーを淹れたぞ。代金は良いからな」
パパのご好意で、タダとなり、好きなケーキを持ってマリアの部屋に入って、お茶を楽しむ。
「ここがマリアの部屋なのね?」
「初めてなの?」
「ええ、カフェには行くけど、失礼と思って、今まで入った事ないのよ」
「そうなのか?」
「聖の部屋はどこ?」
「ここだよ。マリアが一緒が良いと言ってね。一緒に寝ていたよ」
別の部屋をもらったが、結局、マリアの部屋に寝る羽目になったからだ。
「そうだったのね?」
「それよりも、食べましょう」
「そうね」
エリサがケーキを食べる。それを見守る俺達。
「んー!美味しいわ!なんとも言えない味と柔らかな………えーっと、コレってなんというの?」
「スポンジだよ」
ま、初めて食べる物だから、知らないのも無理がないな。
「そうなのね?こんな食べ物は食べたことがないわ!行列が絶えないのも分かるわ」
俺達も食べてみる。
「うわっ!また、腕を上げた。もう、私では太刀打ちが出来ない」
「本当だわ。前よりも一段と美味しくなっているわ」
一口食べた瞬間に俺の負けを認めるしかなかった。パパは真剣にケーキに取り組んでいる。
「えっ?そうなの?」
「ああ、私のケーキを食べてみれば分かるよ」
ボックスから1ホールのショートケーキを出して、1ピースに切り、エリサに渡す。マリアも欲しいと言うのであげた。
「じゃあ、いただきます…………んー………確かにマリアのパパさんよりも味が落ちるわね?でも、パパさんよりも先に食べれば、このケーキも十分に美味しいわよ」
「でしょう?あーもう!もっとやらないといけないか!教えた立場がない!料理では負けないからな!」
これ以上負けてたまるか!
「負けず嫌いなのね?」
「まあね。それに教えた立場としてもね?」
「分かるような気がするわ。それにこのコーヒーも前に飲んだ時よりも美味しくなっているわ」
エリサはパパが淹れたコーヒーを美味しそうに飲んでいる。
「お姉ちゃん?」
「うわっ!?な、なに?マリア?」
いきなり、マリアがすり寄って来た。
「お姉ちゃんの体の匂いいつも以上に良い匂いだねぇ~。私、なんだか気分がポワポワしてきたわ~」
「えっ!?ちょっと、マリア!!止めてー!!」
俺はマリアに襲われた。
「ま、マリア!俺の胸を揉まないでー!!しっかりしろ!!」
「本当に俺って言うのね?」
「そう言っている場合じゃあない!!」
冷静に言っているエリサにつっこむ。
「お姉ちゃん~好きだよ~」
マリアは気を失った。イヤ、俺が眠らした。
「マリア!?」
「大丈夫だよ。魔法で眠らしただけだよ」
「そう?良かったわ。でも?一体?」
「分からないが、エリサ」
真剣な顔になり。
「な、なに?」
エリサはびっくりした顔になっている。
「貴女も俺の胸を揉んでいるぞ?」
「えっ!?あっ!」
エリサは自分の両手を見て慌てて胸から離した。
「い、いつの間に?ごめんなさい……」
「イヤ、良い。しかし、エリサは無意識の内に胸を揉みだしたね?なんでだ?」
「分からないわよー!私は、そんな毛はないわ!」
エリサはそう言った。ま、会ったばかりの俺にいきなり俺の胸を揉みだした。普通はあり得ないな?なら、俺自身の体がおかしいのか?




