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エルフ 15

「えっ?この人がお父様に会わせたい人物なの?午前中、聖を連れて行く時には既に居たわよ?」


「おおっ!凄い洞察力だわ」


 クレアを見直したわ。あの時の状況の私なら、全く周りを見ないし、気にしないわ。


「当たり前でしょう?後もう1人見られない男性がいたわね?」


「あら、そこまで見てたの?なるほど、まあ、その話もあるわ。こちらは、陛下達が探していた、エルフの女王。本人ですよ」


 エルフを紹介する。


「えっ!?この人がエルフの女王なの?だ、だって、耳が?」


「イヤ!その前に何時なのだ!!何時見つけたのだ」


 陛下は興奮状態だ。分からないでもない、これで、エルフとのくだらない戦争を完全に回避が出来るからだ。


「はい、それはクレアが私達に依頼した人身売買の会場に居ましたよ。そして、この子供2人とその男性が被害者で、その男性は私の地球に居た時の元同級生なのよ」


「「「は?」」」


 陛下達3人が、間抜けな声をあげた。私は苦笑いし。


「まあ、私の話を聞けばそういう声が出てしまいますよね。元同級生の名前はリョウタ 伊勢といいます。そのリョウタは、飛び降り自殺をして、奇跡的にこの世界にやって来たという人間ですが、運悪く、捕まってしまいました」


「飛び降り自殺をして、この世界にやって来たって?どういう事?」


「さあ?その原因はまだ不明よ。しかし、本来、おそらく死ぬ筈だったけど、何らかの奇跡な事が起きて、この世界に来てしまった事しか分からない」


「そうね?しかし、何故、その人は飛び降り自殺なんてしようとしたの?」


「まあ、全ての原因はリョウタ自身にあるのだけどね………」


 私は陛下達に事情を話した。


「それは確かに本人がいけないな。料理をすること事態が間違っている。我が宮廷料理人達もタバコを1本吸うだけでも即クビとなり、料理免許を全て剥奪し、料理界から永久追放となるな」


「でしょうね。リョウタの両親もその考えに近いのでしょうね。しかし、リョウタはその考えを持っていなかった。料理を軽く考えていた。そして、自身の命もです」


「でしょうね。命が大事なら、自ら命を絶つなんて事をしないわ。で、そのリョウタって人は今後はどうするの?」


「ここに残るか、元の世界に帰るのかは、まだ保留中。当分の間はパパの所でビニール袋を嵌めての皿洗いのバイトをしていますよ。パパは、リョウタが残るなら、ケーキ作りを教えるつもりですが、タバコが完全に切れるまではずっと何年間かは皿洗いをさせるつもりですね。もし、帰るとなると、リョウタは違う職種で働く事になりますが、悪い奴が既に絡んで来ていますので、果たして順風満帆といくかどうかですね?」


「なるほどな?ファルコンは残るならそのリョウタという者にチャンスを与えると?かなり甘いな?」


 陛下は冷たく言い放つ。


「私もそう思いますよ。しかし、ここに残るなら、リョウタは、生きていくのにやはり大変苦労しますよ。リョウタの選択肢は、どちらを選んでも結局は茨の道なんですよ。だからこそ、パパはリョウタにチャンスを与えたのですが、また、タバコを吸った時点で、パパは放り出すと思いますよ。私もリョウタとの関係を絶つために、私達の記憶を完全に消しますよ」


 私達も甘くはない。リョウタが懲りずにタバコを吸っているならば、『もう知らない、勝手にしろ』。となり追放となる。


「なるほど、たった一度のチャンスか?」


 陛下は多少の納得をしたみたいだが、やはり、甘いなという言葉の含みがある。


「そうですね。果たして、リョウタの選択肢はどちらを選ぶのか?」


「そうね?私が彼の立場なら、相当悩むわ。元の世界に帰れば両親に会えるけど、将来的には大変ですものね?ここの世界は、知り合いの聖達が居るけど、結局は自分自身で生きて行かなければならないから、やっぱり、大変でしょうね?あっ、彼は、魔力とかあるの?」


「無いよ、その才能を持っていないわ。この世界にずっと住んだとしても、生涯、魔力を持つ事はないでしょうね」


「そうなのね?彼にはお金が無いから学園には通えないわね?」


「通うよりは、料理のケーキやお菓子の勉強をした方が良いわ。それに商売の勉強もね」


「でも、彼はお店を持てるのかしら?持ててもかなり先でしょう?」


「そうだね。ま、向こうの世界でも、40代、50代で漸くお店を持つ人も居るからね。どうなるかは、まだまだ分からない話よ」


「そうね」


 次はエルフの事だな。

次話は来週の月曜日の更新予定です。

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