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エルフ 6

 一旦、リョウタとの話は終わりにした。私は母さんにも念話でコトの経緯を話した。


【分かったわ。リョウタ君がこちらに来たのも調べるわ】


【お願い】


 私は料理用の服に着替えて、厨房に行くと、ミカ姉ぇとエルフがいた。


「2人共来たのね」


「はい、マリアさん達はクエストに出掛けましたよ。ステラさんとリリカさんは昨日の犯罪者達を取り調べを行ったいます」


「分かったわ」


「…………聖…………この格好は?」


「これから、料理をやるのよ。お仕事の格好だよ」


「…………そうなのか?…………聖は…………色々と出来る……………私は………出来ない………」


「これは仕方ないわね。貴女は王族で女王様だったのだからさ。周りのエルフ達がやらせないようにしたのでしょうね。それに貴女もそれが当たり前だと思っていたが、それは違うと気付いたのでは無いの?」


「…………そう………そう思ったから…………飛び出した………私は…………何か変化を………したかった………と思う」


「そうだね。まあ、貴女はいずれは、エルフの国に戻らないといけないわ。その戻る前になにかしらの変化や興味になるものを見つければ良いわね?」


「…………興味に……なるもの…なら見つけた………それは………聖………聖に興味がある…………聖は………何者?……聖は…私と…………同じ………地位に居る………ような………気がする」


 なかなか鋭いな。しかし、リョウタも居る事だし言う訳にもいかないな。


「私はただの人間さ。ま、特殊な立場とおいては、今後は、貴族に成る予定さ」


「…………貴族………?」


「そう、この人の要請でねって?え?なんでクレアが居るのさ?」


 そう、いつの間にか、クレアとバーストさんが厨房に入っていた。


「聖、時間がないの一緒に来て!バースト!!」


「はっ!転移」


 有無を言わさずに連れて行かれた。


「……………聖が………攫われた?」


「違いますよ。クレアさんが連れて行ったのですよ」


「しかし、凄く急いでいたな?(宮殿で)何かあったのは間違いないな?」


「そうですね?(宮殿で)一体何が起きたのでしょうね?」


 ミカエルとファルコンがそう言った。


「聖を連れて行くって…………それだけ、聖を必要としているのかよ?」


「そうだな。聖ではなければ解決が出来ないと思ったのだろう。ではなければ、説明も無しに急いで連れて行かないが、店の開店時間までに間に合うか?だな」


「それは分かりませんね?」


「そうだな。この慌てようでは、今日は俺が全てやるしかないな」


「そう準備した方が良いかもしれませんね。あの急ぎようだと、時間がかかるかもしれませんね?」


「ああ。それは、仕方ないな。向こうの用事の方が優先だろうしな」


「…………聖が居ないと………困る?」


「そうだな。今日明日と昼間の店が忙しくてな、客が多く来るんだ。そうなると俺一人では回りきれなくてな、聖に厨房を頼んだ。聖は店の料理を作り直した張本人だからな」


「……………凄い」


「聖はこの世界で一体何をやっているんだ?たったの2カ月ほどで………アイツは引きこもりで不良だったのに…………」


 リョウタが悔しいそうにしていた。


「お前が言う聖の事は、俺達も多少知っているがな。本来の聖の姿は今なのではないのか?誰からにも頼られて、好かれているあの姿がな。これは、あくまで俺の想像に過ぎないが、お前達がいた世界の聖は誰にその持ち味を潰されたのではないのか?だから、本来の聖と真逆な聖になったが、家では色々と勉強をしたのだろう。ではなければ、あの年で、美味い料理は作れないならな」


「……………確かに日本にいた頃の聖は引きこもりをする前までは、特に担任教師に頼りにされていたが、ある日に、その担任教師と聖が恋人関係だったという噂話が学校中に広まったんだ。もちろん、担任教師と聖はそれを完全否定したが…………俺や聖と親しい人間以外は、誰からも信用されなかった。やはり、担任教師が聖を贔屓にしていたのが仇となっていたから。そして、しばらくして、担任教師が辞めて、聖も辞める前に引きこもりになったんだ。3年になって、引きこもりから復帰した聖は先生達から何故か不良と呼ばれていた。聖自身も先生達に対して不良のような態度をとっていた………」


「そうか…………だが、お前自身はどう思っていたんだ?当初、残ると言ったが、話を聞く限り、お前自身は、聖の事を疑っていないのだろう?むしろ、その担任教師や他の教師を疑っているのだろう?」


「はい………聖とは友達でしたから、聖と担任教師が恋人関係にあるなんて有り得ないと、しかし、担任教師は大人だ。聖を助けずに辞めてしまった事は許せない。それに、教師全員が聖を卒業まで目の敵にしていた態度も」


「そうか…………」


「だから、聖はその話になると荒れていたのか」


「そうだな。聖には悪い事としていたな」


「聖はその話を?」


「少しな。しかし、聖本人は話したくないから、最後は荒れて先公共は許せねぇと言っていたんだよ。それに、今こそ私と言っているが、転生した当初は俺と言っていた。ま、もう1人の聖、サトルに男部分をあげたと言っていたからな」


「そうだったのか…………聖は何故2人になったんだ?しかも、1人は女になっているし」


リョウタは聖達の説明を余り聴いていなかった。


「さあな。それは聖本人に聞け。俺達が言える事ではない」


「分かりました」


「…………………」


 聖の事情を知っているミカエルはずっと黙って会話を聴いていた。

今日、三回目のワクチン接種をする為、次話は来週の月曜日か火曜日の更新予定です。

二回目のワクチン接種で副反応が凄く出て2日間寝込んでしまったので、三回目もどうなるか分かりませんし、二回目まではファイザーでしたが、今回はモデルナの混合接種です。


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