人身売買を阻止しその組織を壊滅せよ 4 ~聞き取り 子供達~
エルフも再び出て来て、私にくっ付く。これは仕方ないか。
「はい、皆さん、私達に付いて来て下さい」
そう言って行こうとするが。
【オイ!何言っているのか分かんねーよ!日本語で言えよ!】
【お前?しばらく見ないウチに態度がでかくなったな?黙って私達に付いて来い!!必要以上に喋るな!お前が私達の言葉が分からないように、私達もお前の言葉はただの雑音としか聞こえないんだ】
【うっ!?わ、分かったが、服をくれ!オレのもあるのだろう?な?】
【チッ!ほれ!さっさと着ろ!】
着替え終わり、ステージ上に行くと、ママだけが残っていた。
「全員、無事ね?ステラ達は被害者達と容疑者達、後、道中に拘束した容疑者達を回収する為に先に行ったわ。後は、あなた達だけよ。あなた達、被害者は怪我があるなら言って下さい。それと、帰れる方は、事情聴取を取った後に帰れますが、夜も遅いですし、ギルド内で泊まる事も出来ます。もちろん、代金は要りませんし、朝食も用意します」
『おおっ!』と歓喜の声が上がった。
この中には怪我人はいなかった。居たら、私達が治療をしている。
「では、行きます。私に付いて来て下さい」
ママを先頭に付いて行く。ミカ姉ぇが後方にいる。もしかしたら、生き残りがいて奇襲攻撃をする可能性があるからだ。
私は真ん中に居るが、エルフや元同級生、村の子供達が私の周りに居た。この4人は私が話を聞く事になるな。
外に出ると、パパや先生達が待っていた。
「戻ったか。リリカの読み通りだった。ボスらしき人物が子分を連れて、よりにもよってヒルドさんやルエルさんに襲いかかって、返り討ちに遭っていたぞ。で、今は、子分共々ぐるぐる巻きに縛られている」
「そう、分かったわ。ありがとう。容疑者達は私のギルドの地下牢に一時的に収監します。引き上げますよ」
ギルドに着くと、ギルド員は事情聴取が出来る者を残して解散となった。ジェーン先生も帰って行った。ステラ先生は私達と一緒に帰るつもりだ。先生は事情聴取を手伝っているが、夜遅いから軽く聞くだけだと思う。明日にもしっかりと行うだろう。
被害者の内4人はギルドの2階の部屋で話を聞く事となったが子供達は、リクの姿を見て驚き怯えていた。
リクも子供達のリアクションのショックから下を向いていた。
「リクはもう前とは違うのよ。だからね?怯えなくても良いのよ?」
「それでも、とうちゃんが、族長の娘のリク様には逆らうな、リク様が欲しいと言えば直ぐに渡せば酷い目に遭わずに済むって………ずっと言っていたもん。目も合わすなって………」
「ウチもそう言っていたよ」
「……………」
それを聞いて余計にショックを受けたリクは更に下を向いた。
「そうか?で?実際はどうだったのかな?リクはキミ達からもしくは誰から何かを盗っていたかな?」
「ううん、何も盗ってはいなかったよ」
「私も見ていない。ただ、大人の人達がリク様に『これをお納め下さい』と言って何か渡していたよ」
「そうか?それは、キミ達の誤解だね。そして、大人の人達は、おそらく、族長が怖かったから、その娘だったリクに八つ当たりと嫌がらせの為にキミ達にリクに対して恐怖心を持たせたんだよ。将来、族長が死んでから、リクを孤立させて追い出す為にね?それか、リクが自分で出て行くようにね」
「そうなの?」
「ええ、たとえ大人の人達がそういう意図がなくても、村で孤立すれば、居る場所が無いわね。そうなれば、自然と出て行ってしまうのよ。でもね、キミ達はもうリクを恐がらなくても良いのよ。これは大人達の嘘の話だから」
「「はい」」
「さあ、リクに謝ろうか?誤解といえども、キミ達はサベツをしたのだからね?」
「「はい、リク様、誤解をして、怖がってごめんなさい」」
子供達が謝る。リクも。
「良いですよ。私もあの頃は族長の娘として、村では威圧な態度をとっていましたから………そうしないと、父上に……………」
悲しい顔をしていた。
「リク…………」
と、つぶやいたマリアが心配そうな顔をしていた。
「リク。もう終わった出来事よ。今は私の妹よ」
「はい、お姉さま」
「はい。では、あなた達がなんで攫われたのか話せるかい?」
「うん………ぼくらね。森に行って、木を拾っていたんだ。そうしたら急に知らない人達がぼくらを。気づいたら、檻の中に居たの………」
「怖かった。けど、聖お姉ちゃんたちが来てくれたからホッとした」
「そうだわね。怖かったわね。けど、良く頑張ったわ。あなた達は凄いわ」
子供達を抱きしめた。
「「うん」」
子供達の状況は分かった。次はエルフだわ。
次話は来週の月曜日に投稿予定です。




