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帝の定例会議 聖、帝デビュー 7

 私達は本部に用意されたクレアの控え室に行く。そこには、バーストさんが控えていた。

 バーストさんは、席に着いた私達にお茶を淹れてくれた。


「さて、反省会の前に言う事があるわ。クレア、私の名前の言おうとしたわね?この場に居る全員の体がビクッとしていたよ」


「そうだぞ。私も、『ひ』と、言った瞬間に心の中で『オイ!』と叫んでしまったぞ」


 私に続いて、ステラ先生も言う。

 パパ達も頷いていた。皆が同じ思いだったのか。


「うっ!?………バレたか………創帝と言おうと判っているのだけどね。どうしても聖の名前が出てきて言ってしまいそうになったのよ」


「まあ、私も地帝を学園長と言ってしまう………ん?」


 微かな気配がドアの向こうからする。


「聖様?どうしましたか?」


 バーストさんが聞くが、私は口元に人差し指を立てて、素早くドアの方に行き、一気に開けると。


「ウワアアア……………」


 声を上げて、倒れ込む人物は。


「ふ、風帝!?あ、貴女!!」


 クレアが驚きの声を上げる。パパ達も驚いている。


「風帝?お前、帰ったのではなかったのか?」


 パパが言った。


「ご、ごめんなさい………わ、私………創帝の事が気になってしまい………」


 私のこと?一体、なんだろう?


「それでも立ち聞きはシスターがやることではないわね?」


「そうですね?それも、わたくしの控え室ですよ?王族の控え室での立ち聞きが許されると思っているのですか?」


 ママとクレアがそう言う。 


「はい………大変申し訳ございませんでした………」


 風帝は頭をしきりに下げていた。


「失礼致しました」


 そう挨拶をして、風帝はこの場から逃げようとする。


「待ちなさい!貴女は私達の話をどこから聴いていたの?」


 風帝を逃がさない。

 大事な所を聴かれてしまったら、風帝から拡散される可能性があるからだ。場合によっては口封じをしないと。


「え、えーとですね………創帝が聖とか………地帝を学園長とかです………」


「ハァー、そこからか?だってさ?どうする?」


 私は皆に聞く。


「そうね?もうこの子をクビにしましょうか?そして、クレア王女様の権限で僻地の更にど田舎のボロ教会に放り込んでおいて下さい。この子は毎回毎回、私を勧誘をしてきて参っているのですよ」


 ママがそう言った。先生や他の帝達がギリギリに来ている理由はコレがあるからだ。


「か、火帝!!私の勧誘がそんな嫌なの!?」


「嫌に決まっているわよ!創帝なんて、それが嫌で、『私は神』と言って貴女の勧誘から逃げたのよ」


「えっ?」


 風帝は私を見る。


「ま、か、火帝!!それ言ったらダメでしょう!!」


 また風帝の勧誘から逃げる口実を考えないといけないのに。


「創帝?貴女は私にウソを言ったのですか?私が聞きたい事がそれでした。だから、ここに来てしまったのです。何故、私に神様と嘘を言ったのですか?」


「嘘も方便だよ。入る気も無い宗教にしつこく勧誘をされても困るのよ。それに私は神だよというのはあらがち嘘でもないかもよ?」


 私はそう言ってウィンクをする。が、私は仮面を付けていた。仮面越しでは相手には分かりませんよね?


「え?神様が嘘ではないって?」


「風帝?コイツはお前をからかっているんだよ!創帝!いい加減にしろよ!」


 そう言って、先生は私の頭を叩く。


「いったー!!」


 私は頭を抑えてうずくまった。


「風帝?もうコイツの理由は分かっただろう?もう帰ってくれないか?私達は反省会をやらないといけないんだよ」


 先生は凄みをもたせて言う。


「分かりました。私はこれで失礼します」


 風帝が挨拶をして出て行こうとすると、クレアに呼び止められて、


「言っておきますが、この事は誰にも話さないようにして下さい。僻地のど田舎のボロ教会の左遷だけではすみませんので」


 そう脅した。


「わ、分かりました。この事は誰にも言いませんです………はい………本当に申し訳ございませんでした」


 慌てて逃げ帰った。


 漸く、本題に戻れるわね。

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