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帝の定例会議 聖、帝デビュー 6

 全帝の無謀とも思える魔法陣への魔力注入計画。


「全帝貴方は1人で魔法陣への魔力注入を行うつもりですか?」


 クレアが訊ねた。


「いいえ、ここに居る全員とです。地帝が言ったように一気に毎日魔力を注入すれば、100億の魔力量になるかと。創帝が言ったグループ毎なんてやっていたらいくら経っても溜まらないかと」


 全帝は、自信満々に馬鹿げた提案をするが、私達を勝手に巻き込むなよな。


 物理的に無理無謀な考えだ。これまで、私や学園長、クレアが言った事を悉く否定した。それに。


「と、全帝は言っていますが?あなた達、帝の意見はどうなのですか?」


 クレアは呆れ果てた声で私達に訊ねる。


「反対だ!そんな馬鹿げた提案が出来るか!!全帝!王女様や地帝の話をちゃんと聴いていなかったのか!!」


 ステラ先生が声を荒げた。それはそうだ。学園長が言ったのは魔力量が多い人間達を集めてやったと言った。おそらく20人以上で3億以上の魔力量の持ち主だろう。そして、私達、帝は私を除いた、平均1億以上持ったのはたったの9人しかいない。これで、どうやって溜める事が出来るんだ?


「もちろん、聴いていましたよ。2億以上魔力量を持つこの私が居るのですよ?私に中心にあなた達と一緒になって一気に魔法陣に魔力を毎日ずっと連続で注入すれば、あっという間に100億以上の魔力量が溜まる筈ですよ」


 全帝は自信満々に答えたが、こりゃダメなパターンだな。


「アホか!!お前の作戦は穴があり過ぎて話にならないな!創帝のグループ分けでの魔力注入の方が現実味がある!!」


「私も拳帝に同意見だわ」


「ワシもおぬしの話には賛同出来ぬよ」


「私もですね。死にたくありませんよ」


「私も反対だわ」


「俺もだ」


「俺も同じく反対だ」


「私も反対ですよ」


 と、帝全員が反対した。全帝は茫然自失になっている。残るのは私のみだ。


「創帝は、どうですか?」


 クレアが聞くが、クレアも聴かなくても私の真意は判っている。


「もちろん、全帝の作戦には反対さ。あんたの作戦は、私達全員が無制限の魔力量を持っている前提で話していると思えない位の妄想で空想だ!!実際にはあんたの魔力はたかが2億程度で、しかも、私達全員を使って毎日連続で注入をするなんて有り得ない話だろう?それとこれは私が最初に質問して言った事をただそっくりそのままに採用しただけの作戦でしょうが!!呆れて物も言えんな!!」


 だから、パパは全帝に対して『アホが!!』と言ったのだ。


「うっ!?」


 全帝は私の指摘でようやく気付いたが、遅過ぎるぞ。


「全帝?創帝の言う事が正しいですよ!貴方は創帝が最初に言った事を真似ただけですから。あなたの作戦はわたくしが思っていたのと一緒の作戦ですよ。しかし、創帝が言ったおかげでわたくしは現実には出来ないと思い知らされたのですが。あなたはそんな事も思わずに提案した。それと、帝全員の魔力量を合わせても、せいぜい12億から15億位の魔力量ですよ?この程度の魔力量で100億以上魔力量をどうやって溜めるのですか?毎日、魔力が続きますか?魔力が最大限まで瞬時回復しますか?そして、普段の仕事や帝のクエスト、レポートが出来ますか?」


「うっ!?し、しかし、仕事などは無しにして、それに魔力回復薬をがぶ飲みすれば………」


 と、バカな事を言い出した。


「ならば、自分自身でやってみてください!!一体、1日で何十本の回復薬を飲むのですか?私達は帝達は無駄に潰す訳にはいきませんよ!!」


 クレアは既に全帝を見捨てていた。そもそも魔力回復ポーションは、最大でも1000万でしか回復しない。全帝の作戦において億を超える者達にとってはこの魔力回復ポーションは無用の長物にしかならなかった。


 それにグループでどうやるかも決まってもいないし、魔法陣の現物を見なければ決められない。この日は解散とした、私達を残して、帰って行った。

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