転入初日4
「全員、番号は把握したな?では、始めるぞ!番号が1番と2番来い」
ステラ先生に呼ばれ行く。
「オイ、いきなり、転入生かよ」
「どんな闘い方をするんだろうな?」
周りの生徒達のヒソヒソ話が聞こえる。
「この模擬戦のルールを説明するぞ!今回は魔法のみの模擬戦だ!相手を降参か、気絶させれば良い。蹴る殴る、剣や武器の使用は禁止だ。分かったな!」
先生が説明をする。
「宜しく」
「こちらこそ」
お互いに挨拶をした。
対戦相手は女子だ。
さて、相手はどのような攻撃をするのか?少しわくわくするな?
「始め!」
先生の号令で相手が動く。
「ウインド・アロー(×5)!!」
初級の風の魔法を放って来た。それも5本もだ。なかなかの魔力量と魔法のコントロールが良いと言っても良いな。
本来、風は見えないが、魔力が宿った風は見える。
だから、簡単に避けられる。ま、俺相手にたったの5本では話にならないということだ。
「くっ!?もう一度、ウイ……あっ!」
「それは無理でしょう?降参して?」
俺はフレア・ランスを伸ばして先端を相手の喉元に当てていた。
「はい、降参します………」
「(ほう?アイツ、面白い魔法の使い方するな?)勝負ありだな。次だ!3番と4番の奴ら来い!」
先生は興味がないように次の人達を呼んだ。
俺達は戻った。
生徒達の反応は無反応だった。大したことがないと思っているようだ。ま、それはそれで良い。
マリアとエリサの所に戻り。
「流石だねお姉ちゃん」
「まあね」
マリアはいつも通りに言うので、そう答えた。
「本当に凄い魔法だったわ。フレア・ランスを伸ばすなんてね?しかも、魔法名すら言わずにね?この凄い魔法を果たして何人気付いている事か?」
エリサはそう言った。
「流石貴族だね?私は前にお姉ちゃんに説明されて理解したのに」
ほう?エリサは貴族だったのか?
「マリア、止めてよ。私の家は貧乏で名ばかりの貴族なのよ」
「けど、貴族は貴族でしょう?ね?」
「そうだね?」
「あれ?聖は驚かないの?」
「別に、エリサが貴族だったと正体を明かして、その態度がコロリと変わるなら驚くよ」
「ありがとう」
そこに。
「オーイ!番号11番を持っている奴居るかー?」
ステラ先生が呼んでいた。
「はーい!行きまーす!」
エリサは慌てて、走っていった。
「11番って、エリサだったのか?」
「対戦相手は気の毒だな?」
「全くだな」
と、生徒達の声が聞こえた。
「やはり、エリサは強いんだな?」
「そうだよ。中等部の時は全体で3位になっているわ。女性では1位よ」
「なるほどね?」
「けど、高等部からお姉ちゃんが来たから、上位は大きく変動するわね?」
「そうだね。否定はしないよ」
そして、マリア。貴女もそうだよ。
エリサの模擬戦はエリサがあっさりと圧勝した。
エリサが使った魔法は雷の魔法だった。




