帝の定例会議 聖、帝デビュー 1
テレサさん達の結婚式から数週間後。
「えっ?帝の定例会議?」
「そうだ。明日の夜に開く事が決まったぞ。で、お前の参加が正式に決まった」
「そうですか?ついにデビューですか?」
「そういう事だ」
「ステラさん?私も聖さんに付いて行ってもいいでしょうか?」
ミカ姉ぇが突然言い出した。
「え?それはダメだ。いくらミカエルさんの頼みでもダメだ」
と、先生は拒否する。
「ミカ姉ぇ?どうして付いて行きたいの?」
「決まっていますよ。こういう集まりは、新人である聖さんをいじめますから、私はその人間を成敗します。だから、付いて行きたいのですよ」
「というかさ?私の喧嘩をミカ姉ぇが買うのでしょう?それにそんな程度が低い人間に私がやられる訳がないでしょう?それはミカ姉ぇが一番分かっているでしょう?それを踏まえて、何故?」
「そうですね?原因はストレスですよ」
「「「「ストレス?」」」」
私を含めて皆が驚く。まさか、ミカ姉ぇがストレスを抱えていたなんて…………。
「ミ、ミカエル様?ストレスって?」
ルエルさんが聞く。
「はい、全く聖さんは討伐クエストに行かないので、私のストレスはMAXですよ。戦いが私のストレス発散ですから」
「そうなの?朝練ではものが足りないんだ?」
ミカ姉ぇとヒルドさんはかなりの練習量をやっていたけどね?
「はい、朝練では物足りません。やっぱり、魔力をおもいきり解放して戦いたいですよ。聖さん?」
と、ミカ姉ぇから当たり前のように指名を受けたのだが?
「あのね?ママが言っていたのだけどね?お姉ちゃんとミカエル姉さんが、討伐クエストをやってしまうと、1日で全てやってしまいそう。と言っていたよ」
マリアがそう説明した。しかし全て無くなるって?それは大袈裟でしょうに?
「そうじゃな?おぬしらが討伐クエストを手を出してしまえば、1日で全てやってしまいそうじゃな?そうなると、妾達が商売上がったりじゃな?」
ヒルドさんまで便乗してきた。
「そうなのよ。それに捜索や採集のクエストも簡単にやっちゃって、やっぱり全て無くなってしまうと言っていたわ。でも、ギルドとしては全て無くなれば嬉しいと言っていたわ。でも、他のギルド員の仕事がなくなれば、死活問題だって言っていたわね」
確かに全てクエストをやってしまえば、ママ達幹部は大喜びだけど、ギルド員は大騒ぎだ。
「なるほど。そういう理由でしたか?聖さんはそういう事は知っていましたか?」
「いいえ。でも、なんかそんな予感はしたよ。私達が普通にクエストをやってもさっさと片付くとね?私達の魔力は半端なく多いし、私はどこでも自由に転移魔法が使えるから余計にだよ」
「あっ!?」
と、ミカ姉ぇは声を上げた。どうやら、忘れていたようだ。
「だよね?たださせえ強いお姉ちゃん達が、自由に転移魔法が使えれば、やりたい放題にクエストを片っ端から片付けて行くわね?」
「そうですね。聖さんとミカエル様なら十分に可能ですね」
ルエルさんが言う。
「うっ!?確かに………そうですね。やっぱり、聖さん?私の相手をして下さい。聖さんとなら遠慮なしで戦えます」
「そうらしいですので、先生、ミカ姉ぇとの戦いの日は休みますので宜しくお願いします」
私がそういうと。
「ふざけるな!それは自己都合だ!!休むのは許さん!!ダウンしても引きずっても来させる!!というか、お前の空間は時間が早く流れるだろうが!!24秒もあれば十分に休めるだろうが!!」
そう言いながら、私の頭をバシバシと叩く。マジで怒っているわ。
「先生痛いですよ!分かりましたよ」
「分かればいいんだよ!」
「私の時と対応が違いますが?」
リクがそう言った。
「当たり前だ!リク、お前のは自然の摂理だ。この場合は休んでも仕方ない。そして、コイツは先ほども言ったが自己都合で、ミカエルさんと戦うんだ!学園を休む意味合いが全く違うぞ!」
「では?私は、聖さんと戦う事が出来ないと?」
「出来るわよ。私もいつかはミカ姉ぇにリベンジしたかったからね?丁度良かったよ。やるのは定例会議が終わった後でいい?」
「はい、構いませんよ。おもいきり戦れれば」
「分かったわ」
「聖かミカエル殿のどちらでもよい妾とも戦ってくれまいか?妾もおぬし達と戦いたいのじゃ」
ヒルドさんがそんな事を言い出した。
そういえば、ヒルドさんも戦闘狂だったわ。




