出来るかな?出来るかな?はてはてフムー?
私に難癖付けた教官が言った事の検証する為に、魔法を使えれば簡単にリフティングが出来るか?を実践する。
そこで、魔法が使える兵士数人が教官の言った事が正しいと候補として名乗り出てやる事となった。
まずは鎧を外して身軽にして、リフティングの基本ルールを私がリフティングを実演しなが言う。更に、どんな魔法を使っても良いが、空中のままは失格。それではリフティングにならないからだ。もちろん、ボールを破壊しても失格とした。制限時間は5分。5分間の間、魔法を使って1人でもボールを落とさなかったら教官の言うが正しいとした。そして、全員ダメだった場合は私に教官と参加した兵士達全員が土下座して謝ると。教官は了承した。
「では、始め!!」
数人の兵士達が魔法を使ってリフティングを開始するが……………全くダメだった。結果、誰1人として30秒も保たなかった。それはその筈だ。第一にリフティングをやった事が無い。それに魔法は全員がボールを高く蹴り上げてから詠唱を開始していたので魔法の完成なんか間に合わない。詠唱をやるのなら、普通はボールを足に乗せてからやるか、始まる前に唱えておくかのどちらかだ。
私はしっかりとルールと実演をしたのに、参加者達はなにを観ていたのか?
「貴方達、情けないわね。でも、これで判ったでしょう?魔法を使ってもリフティングが出来ないとね?さて、約束通りに教官以下参加した兵士達には土下座して謝ってもらいましょうか?インチキと言ってしまい大変なご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。と、言わなけば、私は王妃様にご報告をしなければなりませんよ?まあ、貴方達が謝ったとしてもご報告しなければなりませんがね?」
「なっ!?」
教官と参加した兵士達が驚いて絶句いる。謝っても謝らなくても、王妃様に報告をする事は、陛下に報告したと同じになるからだ。
「当たり前でしょう?私は王子様の家庭教師ですよ?私は王妃様に事細かに教育であった事をご報告をしなければなりませんよ?じゃないと、私がクビになってしまいますよ」
嘘は言ってはいない。全て本当の事だ。
「くっ!?」
私が説明した時、教官の顔が、赤くなったり、青くなったり、大量の汗を流したりと、忙しく様々な変化をしていた。
教官の後ろの兵士達は笑いを堪えていた。
「さあ!どうするのですか?謝るのですか?謝らないのですか?」
そう言うと参加した兵士達は土下座の格好をするが、教官はただ立ち尽くしたままだった。
「なるほど?言い出しぺの上官様は土下座を拒否すると?分かりました!貴方方、全員が、私に謝る気持ちがないという事を確認しました!よって、王妃様にその様にご報告し、どんな沙汰が降りるかは陛下に委ねましょう。王子様、これで今日の授業は終わりです。宮殿に戻りましょう」
「うん!」
手を繋ぎで戻ろうとした時に。
「ま、待ってくれ!謝る!謝るから!だから、王妃様には土下座して謝ったと伝えてくれ!」
と教官がそう言うが。
「は?私に対して謝る気持ちは全く無いと先ほどに私自身が言った筈だが?本当に私に対して謝る気持ちが無いのだな!何が、王妃様に伝えてくれだ!私に対して、ふざけているのか?それとも、私をまだ見下しているのか?どっちにしろもう遅いよ!貴方の言葉で、この場に居る兵士達にも迷惑を掛けているのだからな!!上官ならもっとその責務を考えてから行動しろ!!戦でこの場に居る兵士達の生死が貴方の采配一つで決まるのだろう?私が敵ならこの場に居る全ての者達が死亡しているぞ?それが解ってての発言か!!」
教官だけに中るように殺気を出す。
「うっ!?」
その殺気を感じたのか、更に大量の脂汗を流しへたり込みガタガタと体を震えていた。
『教官!?』
兵士達は教官の異変を感じて一斉に叫ぶ。
「これで判ったでしょう?私をただの家庭教師と見くびった貴方の失態ですよ?家庭教師の私は王子様のボディガードも兼ねているのですから」
私はイスレイくんを連れてその場を去った。教官と兵士達は、ただただ私達を見送ることしか出来なかった。
私はイスレイくんを連れて、今度はお風呂場に行く。
「お姉さん?ここお風呂場だよ?」
イスレイくんの服を脱がしている時に聞いてきた。
「そうだよ。運動した後はお風呂に入らないといけないのよ。汗が引くと体が冷えてくるからね。それに汗で体が気持ち悪いでしょう?」
「うん。じゃあ?お姉さんと運動した後はお風呂に入れるんだ?」
「そうだよ」
「やったー!お姉さんとお風呂だ!」
イスレイくんは嬉しさのあまりその場で飛び跳ねた。
「そんなにはしゃがないの。そんなに長くは入らないからね?汗を流して、体を温めるだけよ?」
「それでもお姉さんと入れるのが嬉しい」
「そうか」
私はイスレイくんの体を洗ってから自分の体も洗って、お風呂に入った。宮殿のお風呂は24時間使用出来ると言っていたので、いつでも入れる。出来なくても、私の空間のお風呂を使用すれば良い。
お風呂から出た後に私はイスレイくんを部屋に連れて行き別れた後に王妃様に報告する為に王妃様の部屋に行くともうリクがいた。
「あら?リク?大丈夫なの?」
まさか、リクが居るとは思わず、そう言ってしまった。
「はい。お母様達のおかげで体調もよくなりました。お姉さまにはご心配おかけしました」
リクは私に頭を下げた。
「良いのよ。生理は仕方ない事だからさ。陛下と王妃様には感謝を申し上げます。ありがとうございました」
今度は王妃様に対して私が頭を下げた。
「良いのですよ。リクはわたくし達の娘ですから、娘の面倒を看るのは親の務めですわ。それと初日の家庭教師の報告をお願い致します」
「はい」
私は全て話した。
「まあ?そうでしたか………聖殿の授業を邪魔をし冒涜し尚且つ聖殿に謝罪をする気持ちが全く無い教官はこちらでそれなりの処分をしましょう」
「はい、お願い致します………」
ぐったりとする。
「お疲れのようですわね?」
「はい。まあ、あのような輩をいちいち相手をするのは疲れますよ」
「そうですわね?けど、上に上がれば上がる程にそういう輩を相手をしなければなりませんわよ?」
「そうですか?あれは氷山の一角という訳ですか?」
「そうですわよ」
「分かりました。では、これで失礼します。リク、行くわよ」
「はい、お姉さま。お母様、ありがとうございました」
「リク?わたくし達は親子ですよ?他人行儀はしないようにと言った筈ですよ?」
「は、はい、ごめんなさい。気を付けます」
「気を付けて下さいね?それとここは貴女の家でもありますので、気兼ねなくクレアと一緒に来てちょうだい。クレアにもそう伝えておきますから」
「分かりました。では、お母様、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
私達は、寮へと帰って行った。




