女魔族を送った黒幕は?(冒頭でバレますが)
~ナチ帝国~
ナチ王宮の部屋で。
「闘鬼様、わたくしがファーネリアの宮殿に送った部下が死にましたわ。国王やその家族の暗殺に失敗しましたわ」
と、大事な所三カ所をただ布みたいな物で隠しているだけで服を着ているとは言えない、見るからに裸同然の一鬼が闘鬼に報告した。
しかし、当の一鬼は、これは【服】と言い張っている。しかも、一鬼の部下の女型の悪魔や魔族も強要されているから、直ぐに、一鬼の部下と判別が出来る。
「所詮は魔族ということか?」
闘鬼は一鬼の服装は気にしていない。一鬼が何を着ようが全裸だろうが一鬼の服装には全く興味が無かった。あるのは使える優秀な部下のみと自分自身が満足が出来る戦いのみだ。
「そうですわね?わたくしの部下の中では最も最下級の魔族。所詮は使い捨ての部下ですわ。しかし、部下の暗殺によって宮殿に強固な結界が張られましたわ」
一鬼も闘鬼も魔族の死や暗殺はどうでも良いという感じだった。2人にとってはただのファーネリア王国に対しての嫌がらせのようなモノだ。自分達なら何時でも、国王やその家族を簡単に殺せるとそう思っている。もう一つの大国のグランパニ公国の王族達に対しても同様だ。
「で?誰が張ったのか判ったのか?」
「申し訳ございません。わたくしにも判りませんでしたわ。その結界はわたくしの部下が死んでから、しばらく経った後に張ったモノでして………」
『おそらくは、どこぞの神が張った結界であろう』
闘鬼達の部屋にノックも無しに入って来た。しかし、闘鬼達はその人物を見て、一斉にかしこまり、土下座し、額を床までこすりつけるまで下げて。
「皇帝閣下、気が付かずに大変申し訳ございませんでした!!」
「申し訳ございませんでした!!」
2人は謝罪する。
そんな2人を見下し。
「闘鬼よ」
「はっ!」
「例のモノは順調か?」
「はっ!皇帝閣下。今、奴隷共に地中を掘削して例のモノを探せております!勿論、奴隷共には休み無しで働かせております!!」
闘鬼は大量の汗を流しながら報告する。
闘鬼達が前の火と闇の屋敷から使用人達や捕らわれていた人間達を根刮ぎ攫った理由はこれだった。24時間中休み無しで働かせているから直ぐに奴隷達は当たり前のようには死ぬ。何故直ぐに死ぬのかそれが判らない上層部達は他国から人間達を戦争を仕掛けて大量に攫ってくる。いくら奴隷達が居ても足りないのは当然だった。
「闘鬼よ。更にもっと急がせろ!【他勢力】が気付く前に例のモノを見つけ出せ!そして、更に他の小国に戦争を仕掛けて侵略し奴隷共を増やせ!」
無理難題を当たり前のように言うが。
「はっ!仰せのままに!女帝閣下・ビヨンデッタ様!!」
「フッハッハッハッハッハ」
女帝は高笑いをしてその場を去って行った。
「…………………。ぷっはー!相変わらず、女帝閣下のプレッシャーはもの凄いですわ。わたくし、息が出来ませんでしたわ。後もう少しで死ぬところでしたわ。しかし、闘鬼様は、いつも、女帝閣下とお話を出来て羨ましいですわ」
一鬼は唯一女帝と会話が出来る闘鬼を尊敬していた。しかし、当の闘鬼は。
「バカを言え!俺も汗がもの凄く出ているぞ!女帝様との会話はもの凄く緊張する」
闘鬼は一鬼に本音を言う。
「あらまあ?闘鬼様でも?」
クスクスと笑いながら言う。
「それだけ、女帝様は常に周りに殺気を発しておられるのだ!謀叛を起こす気を削ぐ為にな」
「そうですわね。女帝様はいつも圧倒的なプレッシャーを発しておりますわ。それが分からない者は無知無能ですわね」
一鬼は笑いを止めて、真面目に答える。
「一鬼よ。次の作戦を移行する!女帝様のご命令を直ぐに実行する」
「分かりましたわ。早速、周辺の小国を殲滅して来ますわ♪そして、大量の奴隷を確保しますわ」
「そうだ。それでいい!」
2人は嗤い。その数日後の内にナチ帝国の周辺の小国が滅びた。
裁判編は終わりです。次から新しい編に入ります。
ネタばれですがナチ帝国が聖達の真の敵です。
ちなみに女帝の名前のビヨンデッタだけで真の正体が判ったら凄いです。




