部屋に着いて
私達は寮部屋に着いた。
「あー!なんだか凄く濃い1日だったな」
私が言う。
「ほんにのう。結婚式後に襲撃があるとは誰も思わんじゃろう?」
「そうだね?びっくりしたわ」
「はい」
ヒルドさんとマリア、リクも同調した。ミカ姉ぇとルエルさん、先生も頷く。
「4人はドレスを脱いで下さい」
ミカ姉ぇが言う。
「そうじゃな。いつまでも着慣れぬドレスを脱がないとのう」
「そうですね」
ヒルドさんとルエルさんはその場で、魔法を使って、いつもの服装に着替えた。私とミカ姉ぇはあの襲撃事件から普通の服装でいるから、着替える必要がない。後はマリアとリクだけだ。
「あー!いいな。直ぐ着替えられて、羨ましいわ」
「そうですね。私達もさっさと着替えてきましょう」
「そうだね」
2人は部屋に入った。
私達のやり取りを見ていたサトルとメアリーはぽかんとしていた。
「オイ?どうした?」
先生がそんな2人に声をかける。
「いや、俺達がいるのに普通にやり取りをしているから驚いただけだ」
「私も同じだわ」
「私達は、ここで暮らしているからな。もう家族のようなものだな」
「そうなのか?」
「そうだよ。待っている間、席に座ろう」
私達は椅子に座る。
「オイ?聖?マリアとリクが戻って来たら風呂なんだろ?」
「そうですね。サトルとメアリー、あなたたちも一緒だよ」
「は?まさか?混浴ではないだろう?」
サトルがバカな事を言う。
「違うよ。空間に風呂を男女別に創ったんだよ。そして、母さんが、温泉にしたよ。ああ、ちなみにあの3人の風呂も温泉にしたよ」
私達が使っている温泉を使っている。
「温泉かよ?母さんもやる事が凄いな?まあ、牢にいる団長達にも温泉なら、凄くリラックスが出来るだろうな」
サトルは納得していた。
「ねぇ?ヤジリ、その温泉ってなに?私知らないわ」
と、メアリーが言うので、サトルが温泉を教えていた。
「えっ?そうなの?じゃあ、パパ達の牢獄暮らしは、まだその温泉があるから他の囚人達よりもマシなのね?」
「凄くマシだぞ。温泉はリラックス効果があるからな。温泉好きな人が居たら、牢でもいいからここに住たいと思うな」
「そこまでにも温泉は凄いの?」
「そうだよ。これから、その温泉に貴女も入るのからな」
私が言う。
「あっ!?で、でも…………わ、私は…………」
メアリーは下を向いていた。
「風呂の入り方が分からないの?」
「…………」
黙って、頷き。顔が真っ赤になる。
「仕方ないさ、俺達は旅の大道芸人だ。俺達はいつもテントや風呂がない宿で泊まって、川やお湯のタルを貰っては、体を拭いているだけだからな。風呂の入り方が知らないのは当然さ。ま、姉貴達に教えて貰えば良いぞ?」
「う、うん………でも、いい年した女がお風呂の入り方が分からないなんて、恥ずかしいわ………わ、笑ったりしないでよ!」
「しないさ。私の妹のリクも風呂の入り方を知らなかったからな。この世界の一般の人々の大半は風呂に入らないらしいからな。はっきり言ってもったいないと思うよ。だから、サトル!お前も魔力があるから空間魔法が使えるようになったからな。まずは空間に寝床と風呂とトイレを完備しろ!風呂はいきなり温泉は、出来ないだろうから、魔法で水を使ってお湯に変えろ。それを綺麗に循環しろ」
「分かったが、それは俺の魔力量は足りるのか?」
「工夫しろよ。お前も創造と想像の魔法があるだろう?私も創る時に魔力量の節約や工夫をやって創ったよ」
「あっ!?そうだったな?今度やってみる」
「というか、今から空間を創れよ。魔力量が少ないなら、空間から創れ。そして、後は施設を少しずつ創れば良い」
「わ、分かった。試してみる」
私の説明が終わると、マリアとリクが来た。
「随分と遅かったな?」
先生が聞く。
「はい、ドレスが上手く脱げなくって」
「なんか、変な力を入れるとドレスが破けてしまうような感じだわ」
「ああ、分かるな。なんか、変な力を入れるとビリッと音が鳴るのではないだろうかと思うな」
「そうなんですよ。とくに私なんかそうでした」
リクが嘆いていた。
「そうか?だが、ちゃんと脱げて良かったな?」
「「はい」」
「じゃ、風呂に行くか?」
「そうですね」
皆で私の空間に入った。
「コレが姉貴の空間かよ?広いな?」
「まあな。本来の目的はこの体を鍛える事から始まったのさ」
「そうなのか?」
「ああ、前も言ったがこの体は本当に貧弱でな。魔法使いタイプの体だったのさ。だからオールラウンドの体にしたくてな?」
「なるほどな?俺達はがぶり姉ぇから剣術や格闘技を習っていたな。それを活かせる為にか」
「そうだ。そして、訓練はここにいる全員とママと兄さん、クレアが加わったんだよ。そして、なんだかんだで汗を流す風呂や先生やママの仕事部屋とパパが練習する料理部屋が出来た。風呂はそのままこうして普段でも普通に使うようになったんだよ」
「そうだったのか………ん?ちょっと待て!姉貴の両親や兄は別な所に住んでいるのだろう?なぜここに来られるんだ?それに王女様も」
「それは私が許可しているからだよ。許可した人物はどこでもこの空間に入れるんだよ。場合によってはここにエスケープが出来るんだ。しかし、出入り口は入った所だけだ別の場所にはいけないんだよ」
「なるほどな?ならさ。俺は当分の間は自分達の寝床を創って、姉貴の空間を利用すれば良いな?」
サトルは私の空間を利用する気だな?まあ、まだ未熟だからな。
「まあいい。好きにするんだな」
「ああ、そうさせて貰おう」




