裁判 4
「さて、貴方方の裁判の前に貴方方には謝罪をしなければならない」
陛下とクレアが大道芸人達の前にやって来た。
「えっ?」
陛下のあまりの発言と行動でポカーンとする大道芸人達、サトルもメアリーも驚く。
そして、陛下が。
「貴方方にはすまない事をした。力帝を最終的に帝に任命したのはこの余だ。あやつを帝にしなければ、貴方方は捕縛時に死にかける事もなかった筈だ。そして、傍聴席に居る貴女にも謝ろう」
「ごめんなさい。わたくしも帝の長として、謝ります」
2人は頭を下げた。
その光景に大道芸人達が更に驚いた。大道芸人達はあたふたしていて、直ぐに言葉が出てこないようだった
勿論、私達も驚いたが、力帝は。
「フン!国王陛下と王女様が罪人達に頭を下げるとは、王家は質が落ちたな!!」
「力帝!陛下と王女様はお前の失態のせいでこうして頭を下げているのが分からないの!!」
「ふざけた発言だ!俺がその腐った根性を叩き直してやる!!」
激高する2人だったが。
「2人共落ち着け!このバカはどうせ終わっているんだ!今の発言で更に刑が重くなるんだ!」
「それもそうだわね?」
「そうだな。すまん」
先生の言葉でパパ達が冷静になった。
「さて、これより貴方方の裁判を本格的に始める」
「は、はい」
陛下とクレアは席に戻る。雑魚帝はどうせ動かないから後でどうにもなる。陛下は罪状を読み上げる。
「お前達は18年前まで、世間を騒がせた宝石盗賊の一味で良いのだな?」
「はい。その通りです」
「ウム。当時、珍しいレアな宝石を数多く盗んでいったな?それらはどうした?」
「はい。それらの宝石はほとんどは闇のバイヤーを通して売りさばきました。私達の手元にはありません」
「そうか………当時、お前達にレアな宝石を数多く盗まれたおかげで、宝石店は数多く廃業に追い込まれ、中にはレアな宝石を盗まれたショックで自殺者まで出た」
「そ、そんな…………」
大道芸人達はショックを受けていた。ダンさんは人を殺した事はないと言っていたが、事実、自殺者が出ている。ダンさん達が直接手をかけていないが、間接的に死に追いやってしまった。
それにダンさん達が泥棒に入った宝石店の中にはその後の人生を狂わせた人もいるだろう。他にも様々な人達が不幸になっている可能性があると思う。
「本当だ!その当時、その宝石店の店主はレア宝石を手に入れたばかりで、盗まれたせいで、客の信用を失い営業が出来なくなり、その代金を業者に支払えずに自殺したのだ。そういう宝石店もいたのだ」
「……………」
3人は下を向いていた。
「しかも、18年間の間、逃げ続けていたのも言語道断である!!逃げ得は許すわけにもいかない!!」
「申し訳ございませんでした………私達はとんでもない事をやってしまったのですね………」
3人は泣いていた。
「そうだ!お前達だけではないが、盗みに入られた所は、大概は不幸になっている。貯めた金を元手に商売を始めようとした矢先にその金を全て盗まれて、人生や家庭が滅茶苦茶になってしまった者達もいる。余達はそういう者達の支援は最低限の事しか出来ぬし、場合によっては出来ない事もある。盗まれた者達はもう泣き寝入りするしかないのだ。判決を言い渡す!元盗賊一味3人は刑期30年と言いたい所だが、力帝の事もある。5年軽減し25年に処す!!」
「25年………これでパパ達と大道芸が出来ないわね…………」
メアリーは意外と長い年数で諦めていた。
「次は元力帝!!お前はこの被告人達、殺人未遂で帝剥奪及び懲役5年の鉱山での強制労働の刑に処す!!」
「たったの5年!?陛下!パパ達が25年で、なんでこんなヤツがたったの5年なのですか!!おかしいわよ!!」
「メアリー!!落ち着け!!」
興奮しているメアリーをサトルが宥めるが。
「ヤジリ!!なんで貴方は冷静でいられるのよ!陛下と王女様のあの謝罪はなんだったのよ!!」
全くダメだった。
「黙れ!まだ判決は終わってはいない!」
陛下が一喝する。
「えっ?」
「元力帝!お前は、神聖王様並びに神聖王王妃様、余、そして、余の子供、クレアとイスレイを侮辱した罪は非常に重い。よって、5年の強制労働の刑が終わった後に死刑に処す!5年間の鉱山での強制労働で悔いを改めて死を受け入れろ!!」
「なっ!?そんな事が許される筈かない!人権侵害だ!」
「お前に人権は最早無い!お前は鉱山で強制労働の犯罪奴隷だ!!控えている兵士たちよ!この元力帝と元ギルドマスターを連れて行け!!」
『はっ』
兵士たちは元ギルドマスターを拘束した。元雑魚帝は、グルグル巻きにされてから私の金縛りを解いて、連れて行かれた。その時にギャアーギャアーと喚いたので、今度は、言葉だけを塞いだ。犯罪者には最早言葉は要らないだろう。
「以上!裁判を終わりにする!なお、被告人、3名は聖殿に預ける。クレア並びに帝達は退室を命ずる。ご苦労であった!」
クレアとパパ達は大人しく退室した。陛下の命令には逆らえない。
そして、陛下も見届けた後に退室した。
「さて、これら貴方方は私専用の牢獄で25年間過ごしていただきますが、普通の牢獄よりもずっとキツい目に遭いますので、貴方方はじっくりと牢獄で反省をして下さい!では、案内をします」
空間を開き行こうとしたら。
「ちょっと待ちなさいよ!なんでパパ達を貴女がやるのよ!」
「メアリー!これにはきっと国王や姉貴の思惑があるんだ!逆におかしいと思わないか?」
「なにがよ?」
「普通なら、裁判が終われば団長達も兵士たちに拘束されて連れて行かれるのに、ここに残っているんだ!これにはきっと裏があると考えるのが普通だろう?」
「確かにそうだけど………その裏って何よ?」
「それは分からないが、きっとある筈だ!」
「話は終わったか?3人を連れて行くからな。無駄なお喋りよりもお別れの挨拶でもしろ!!」
「「うっ!?」」
「そうだな?メアリー、ヤジリ、元気でな」
「お嬢、今までありがとうな。ヤジリ、短い間だったが楽しかったぞ」
「ヤジリ、お嬢を頼んだ」
「ああ、任せておけ」
「パパ、みんな………元気で」
「もう良いか?行くぞ」
「はい」
3人と空間に入る。
入り口は閉めて。
「ここが貴方方の牢獄だ!ここで25年暮らして貰うよ。勿論、牢には1人ずつ入って貰うからな」
そう言いながら、牢の方に案内をする。
「こんな白い何もない所で25年もか?」
「こんな所で居るだけで頭がどうにかなってしまうぞ?」
「しかも、牢に1人ずつ入るのだろう?コレは確かにキツいぞ?」
「そうだ!貴方方はその位の経験をして貰わないとな。さあ、1人ずつ牢に入りなさい!」
3人は言うとおりに牢に入る。そして、鍵で閉める。
「ここでの暮らしを説明する!貴方方は25年間、ずっとここで過ごしていただきます。ようするに、この牢から出られないという事だ!」
「なっ!?それでは俺達は死んでしまうぞ!?」
「そうだ!この牢の中には簡易なベッドとタンスと変な物しか無いぞ!!」
「騙したな!!」
「黙れ!まだ、説明は終わってはいない!この牢は見た目はしょぼく見えるが、扉がある所にトイレがある。このトイレは用を足せば自動的に汚物を流し、扉を閉めれば、自動的に綺麗になる。そして、反対側には風呂を完備してある。24時間自由に入れる風呂をな。風呂も同様に締めたら綺麗になる。更にタンスがあるだろう?このタンスの各段には服類専用と食事専用と各備品類の段がある。服類はタンスに入れれば、新品同様に綺麗になる。風呂に入っている内タンスに入れるのが良いだろう。食事は決められた時間に勝手に開く、食べ終わったら、また食器をタンスに入れればいい。備品類はトイレットペーパーや風呂で使う物が入っている。後は、布団はリセットと言えば、綺麗になる。運動はそこの乗り物があるだろう?それに乗って漕げば十分な運動になるだろう。以上だ!何か質問はあるか?」
「ちょっと待て!ここは本当に牢なのか?豪華な個人部屋に俺達は暮らす事になっているぞ?」
「ああ、出られないだけで、風呂は入り放題なんだろう?」
「そうだ。ここでは、看守もいない。貴方方3人だけだ。おっと、言い忘れていた。この牢から勝手に出た瞬間に牢は自動的に閉まる。二度と入れなくなり、この空間で暮らす事になるが、空間には食べ物や水が一切無いからな。野垂れ死んでしまうぞ。それと、病気には一切ならないからな。そういう魔法をかけた。この空間は無菌空間になっている」
追加で説明をした。
「そうなのか?」
「では俺達はこの牢に25年間いた方がましなのか?」
「そういう事だ。しかし、ここには3人だけだ!最初は良いが、段々と孤独感を感じるな?だからこそ、ストレス解消の為にそこの乗り物や風呂に自由に入れるんだよ。それにここには本類は一切ない!外からの情報もない!」
「確かにそうだな?牢の中は豪華だが、これは俺達がここで暮らしていく為の最低限な事だな?」
「そうだ。一見豪華に見えるが、実は最低限必要な物しかない。私はこれで出るが、間違っても自殺だけはするなよ?父さん達が言った事は本当の事だからな?そして、25年間、ここで自分達の罪を償うのだな」
「はい」
私は空間から出た。その瞬間に空間での25年の禁固刑が発動した。




