転入初日1
転入初日の日を迎えた。
が。
それとは関係なく俺達は空間で、いつも通り朝練をやっていた。俺の空間は、許可した人達なら、どこでも入れるようだ。だから、ママと兄さんと一緒に朝練をやれていた。
ただし、俺の空間は、入った場所から違う場所には出られないようだ。空間から出ても、入った場所に戻っている。
朝練の時間は皆で話し合った結果。6時30分からの6時間練習となった。
俺達の朝練の内容は、まずは軽く食べてから、準備体操、筋トレをやり、約1時間のランニングをする。まあ、まだ、重力なしで大体30Kmを魔力全開の全力疾走するのがやっとだがな。50Kmは長いよな。いずれにせよ、50Kmを走りきるぜ。
ランニングが終わったら模擬戦をやる。
模擬戦の時は、マリアはママから魔力や魔法の使い方を教えて貰っている。
だから、自然に相手は兄さんになる。模擬戦の内容は様々だ。格闘をやったり、魔法をやったりとしているが、魔法は兄さんの魔力量は少ないから、兄さんに合わせてやっている。
模擬戦が終わったら、朝練は終了となり、空間のお風呂場で汗を流す。
今はそういう内容となっている。
お風呂場で。
「貴女達、今日から、学園でしょう?準備は整っている?」
ママが聞いた。
「うん、大丈夫だよ。高等部の制服も来ているわ」
「そう、それは良かったわ。問題は担任教師ね?」
「アッハハハ。そうだね?中等部と同じ教師だからね~」
「はあ~。まあ、良いわ。何かあったら、私に言いなさい。がっつんと言ってあげるからね?」
「分かったわ。でも、大丈夫だよ」
と、ママとマリアが話しているが、担任教師は問題がある先生なのか?
ママ達と別れて、部屋に戻り、朝ご飯作りを食べる。
「お姉ちゃんの料理は美味しいわ。スクランブルエッグもあって」
「スクランブルエッグはマリアの朝のルーティンでしょう?俺もコレを食べないとな?」
「お姉ちゃん、良く平気な顔をして食べているわ。私はダメだわ」
「そうだね?マリア達、家族全員がダメだったね?俺達、家族全員が普通に食べているからな」
俺が食べているのは、天使パンと呼ばれているパンで、見た目は普通のパンだが、食べると、甘いが、その甘さは半端ではなかった。言うなれば、砂糖の塊をそのまま食べている感じのパンだった。だが、作る工程で甘いモノは一切使われていないが、何故か甘くなってしまう。
俺達、兄弟は小さい頃から食べているパンだったから食べ慣れているが、マリア達家族は、一口食べただけで、ギブアップをしていた。
「このパンを作ったのがお手伝いさんなのでしょう?」
「そうだよ。俺も教えて貰ったよ。でも、1日で傷んでしまうパンだから、自分が食べきれる分しか作らない」
「不思議なパンだね?」
「そうだね。お手伝いさんも不思議がっていたよ。『どんなに工夫してもダメになる』と、試しにボックスに入れて、時間を止めたのだけど、ダメだったよ。傷んでいたよ」
本当に不思議なパンだ。
そして、朝食が食べ終わり、制服に着替えて、俺達は寮の食堂に行く。
「ここが食堂だよ」
「ありがとう。またね」
「うん、またね」
マリアと別れてた。それにしても、スカートか、足元からスースーしてヤだな。
俺はスカートを穿きたくなかった………。
しばらく待つと、女性教師がやって来たが、レディーススーツはシワでヨレヨレ、髪の毛もボサボサ、なによりも目の縁にくっきりと濃い隈がある。
コレはかなりズボラな先生だな。
この先生の第一印象はそういう風だったが、まさか、この先生と長い付き合いになるとは、この時は全く予想をしていなかった。
※天使パンは実際はパンではなく『マナ』と呼ばれていて、蜂蜜をウロコのような形に固めたモノになっているようです。やはり、甘い食べ物らしいです。
この物語では、普通のパンの形として書いています。
天使パンは1日で傷んでしまうのは本当みたいなので採用しています。




