表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
238/739

疑惑 2

「申し訳ございません。なにぶん18年前の手配書なもので探し出すのに苦労しました」


 父さん達にそう謝罪し、先生は4枚の手配書を私達に見せた。


 因みに私はサトルに9割男の部分を譲渡したので、急に女らしい言葉になっていた。だんだんと口調も女らしくなっていくでしょう。ま、怒れば迫力や威圧感を出すために男の口調に戻る。これが1割残した理由。


「こ、この似顔絵は、まさしく団長にゴンザさんとニートさんだ!もう1人の女性はメアリーに似ているからおそらく母親なのか?」


 サトルは手配書の似顔絵を見て驚愕したが、そう言った。


「なるほどね?おそらく、その母親が妊娠していて、子供、メアリーを産んだ為に盗賊を辞めた訳だ。それ以降、大道芸人一座として自分達の食い扶持を稼いでいたのか」


「おそらく、そうだな。そして、メアリーの母親は何かしらで亡くなってしまったのか、それとも何かしらの状況が遭ってやむを得ずに別れてしまったのか」


 私が言うとサトルが答えた。更に。


「そうだな。話を聞かないと分からないな?」


 先生がそう言った。


「なあ?この王国の法律に時効というものはあるのか?」


 サトルは先生に聞く。


「時効?なんだそれは?」


 私が説明をする。


「なるほどな?お前達の国にはあるのか?残念ながら、そんなモノは無い。犯罪を犯して、逃げ得をするなど以ての外だ!!」


「そうだよな…………俺はこれからどうすれば良いんだ?」


 先生に言われて落ち込むサトル。


「それでも会うしか無いだろうな?そして、本当に犯罪を犯しているなら自首をさせるしかない。だが、これに関しては俺達はなにも出来ないからな」


「そうですね。サトルがお世話になっている一座ですが、過去に犯罪を犯している容疑が掛かっていますからね?」


 父さんと母さんがそう言った。確かに指名手配書の似顔絵は、サトルがお世話なっている一座達の似顔絵だが、本当に犯罪を犯しているのかは、まだ私達には分からない。本人達に聴かないといけない事案となったな。そして、イスレイくんが要望したこの人達の大道芸を観る事は難しいな。


 私達は母さんの転移魔法でその一座達の場所に飛んだ。


 ~とあるギルド~


 力帝はあの一件の以来凄く荒れていた。


「クソが!あの女のセイでこの俺様の評価ががた落ちだ!!」


 持っているグラスを乱暴に叩きつけた。当然、グラスは割れた。このグラスはギルドの私物だ。しかし、力帝はお構い無しだ。力帝が帝になった時点でこのギルドで逆らえる人物は存在しなかった。

 ギルドマスターは力帝を帝にした事を後悔していたが、時すでに遅しだった。そんな力帝が無名の女冒険者(ギルド会員)に負けたという噂話が持ち上がった。

 そして、力帝は、その噂話を耳にし、喋った者を半殺しし、周囲のギルド員を黙り込ませた。それでも怒りが収まりきれずに益々荒れて、ギルドの室内は毎日滅茶苦茶に荒らされていた。

 初めはギルドマスターやギルド職員で片付けていたが、こう毎日室内を滅茶苦茶にされれば、ギルドマスター以外のギルド職員達は全ての業務が出来ない為に仕方なく休暇となっていた。

 そんなある日の事、力帝は舎弟の男が情報を持ってきた。18年前、世間を騒がせた盗賊達に似た者達がこの王都に居ると、舎弟がその手配書を力帝に見せてこう言った。


『盗賊達は18年経っていやす。もう全盛期の動きは出来ないでしょうな?そこで、力帝様がそいつらを痛めつけて捕まえれば、力帝様の憂さ晴らしにもなりますし、名誉も回復する事でしょうな』


 舎弟の言葉に気を良くした力帝は手配書を分捕って、盗賊探しを始めた。


 そして、ついに見つけたのだった。

 今年はこれで更新を終わりにします。

 皆様、この作品を読んで頂き誠にありがとうございました。

 来年は1月4日の再開予定をしています。

 では、皆様、よいお年をm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ