親との再会 2
転移魔法で現れた2人は勿論。
「父さん母さん………」
だった。
「まさか、聖が2人に分かれていたとはな?」
「ええ。私も驚きました」
「………」
アイツは黙ってしまった。
「ねぇ、お姉さん」
「ん?なに」
「神聖王様なの?」
「そうだよ」
「じゃあ、質問してもいい?」
「なにかな?」
「えーとね。神聖王様の年はいくつなんですか?」
ピキッと空気が固まった。
うん、父さん達の年を聞くのはNGだ。しかし、子供の質問だ。
「だってさ」
「俺達の正確な年は判らないんだよ。生まれた時から大人の姿だったからな」
「そうなのか?」
「ああ」
「私達も知りたいのよ。どうやって生まれたのかをね」
「他の人達の生まれた所の見ていないのか?」
「ああ、ヤツは隠していたからな。俺達、神も天使もヤツからどうやって生まれて来たのかは謎なんだよ」
「なぁ?ヤツって誰だよ」
「俺達の敵さ。ま、詳しい事は後だな」
年の話から、大魔王サタンに発展したが、そんな話は今は関係がないから切った。
「イスレイくん、神聖王の年は不明という事みたいだよ」
俺はイスレイくんに結果だけを話した。
「そうなの?不明なの?」
「そうだよ。判る事は長い時間を生きている事だね」
「わかった」
納得して貰った。
「父さん達は本当に神なんだな」
「そうだ。俺達は神だ。お前達を人間として育てたのは、俺達がしっかりと成人するまで育てたかったのだ」
「神は時間がかかりますからね。私達は主神をやっているのですから、長く育てられないのよ。そして、貴方達を人間にして、一緒に地球に行こうとした時に」
「神界に大規模の災害が起きた。俺達が指揮をしなければ、立て直されない程にな」
「仕方なく、当時、貴方達の乳母をしていたガブリエルに任せたのですよ」
「えっ!?が、がぶり姉ぇが俺の乳母!?お前は知っていたのか?」
「ああ、話は聞いたよ。舞、更夜が年子で生まれたからな。大変だから、何でも出来るがぶり姉ぇにとな」
「そうだったのか?」
「そうだ。その話を聴いて、当時、それを知らずにがぶり姉ぇを追い出そうとしたのだからな?俺は情けない気持ちで一杯だったな。俺達にとってはがぶり姉ぇは育ての母親だ。もう1人の母親だ」
「そうだな………確かに情けない事をやったな」
俺達2人で反省をした。
「やはり、お前も聖だな。しかし、魔力が全くないがどうした?魂にある魔力もないぞ?」
「そうですね?全く魔力がありませんね。一体?」
「そうなのか?魔力がないと拙いのか?」
「そうだな。この世界で生きて行くには魔力無しでは大変だろうな」
「そうなのか?」
確かに王都なら安全だが、旅をするなら魔力があった方が良い。道中に盗賊やモンスター、魔物や肉食動物に遭遇するからだ。
「で?コイツはどの位生きられるだ?魂に魔力がなければ足りていなかった部分は人間としての寿命を削っているのだろう」
「そうだな、かなり削ってしまったな」
「えっ!?ど、どういう事だ?」
「お前、俺達が転生したんだぞ?そこは判っているよな?」
「ああ。お前が女になっているには…………あっ!?まさか?この体は………」
「気づいたか。そうだ。お前の体はお前自身が全ての魔力と魂を使って、創造・造形した体だ。で、俺の体はレイナが事前に準備した体だ。レイナもまさか俺の魂が2つに分かれるとは思ってもいなかったからな?当然、創るのはこの体1体だけだ。そして、お前自身の体は前世の俺の体に近いモノだ。それは、前世の自身の体に近いモノの方が魂の適合がし易いからな」
「ま、そうだろうな。お前自身、もう死にたくないと無意識の内に発動したのだろう。そして、出来た体に入ったんだ。魂の状態だと、また、あの世に逝ってしまうからな」
「それが嫌で魂を削ってまで創ったのか?」
「そうだ。本来転生は前世の体とは違う体となるのが普通だ。だが、お前は、事故で亡くなった前世に近い体だ」
父さんが言う。
「じゃあ?俺の寿命は?やはり短いのか?」
「そうね。人間としては短いわ。けどね?神としては永遠なのよ。人間としての貴方の寿命は十年よ」
「人間としては十年か……俺が死んだら神に成るのか………」
「そうよ。このままで生きるならね」
「このままで、か?俺の寿命は伸びる方法があるのだな?」
「あるわよ。簡単な方法がね」
「簡単な方法があるのかよ!?」
嫌な予感がするな………。




