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不穏な空気 5 山瀬 聖(男)の回想 3

 団員達の芸を披露している時、初めは気が付かなかったが、だんだんと違和感を感じた。なんか、同族?がいるような感じだった。


 その違和感を舞台袖で探したら、小さな子供を抱っこしている女性を発見した。髪の毛がスカイブルーで長くその髪の毛をポニーテールをしている美人な女性だった。見た瞬間、違和感はコイツだと確信した。


 更に近づいて確認する為に深く帽子を被り金を回収しに回った。


 近づいて確信した。コイツは俺の『本体』だという事に。そして、コイツが「面白かったよ」と言っていたが、俺の耳には入って来なかった。それ以上にショックが大きかった。それでもなんとか、金の回収したが、完全に上の空状態だった。


 何故?お前は女になっているんだ?俺は俺達は男だっただろう?お前は男だった頃を忘れたのか?お前には前世の記憶がないのか?がぶり姉ぇ、舞、更夜の事を忘れてしまったのか?と、アイツの事を考えると次々と疑問が湧いて出てくる。


 俺は、その日を境にミスを連発をした。


「ヤジリ?この衣装は男物よ?」

「ヤジリ?違う!順番が逆だ!」

「ヤジリ?これではジャグリングが出来ない!」

「ヤジリ!?鍋が焦げているぞ!?」


 などなど…………。


「すみません!!」


 と何度も謝るハメになった。


「ヤジリ?どうしたの?まあ、貴方は入ったばかりだからミスをするのは仕方ないけどさ?それでも最近は私達が話しかけてもほとんど上の空状態でしょう?何かあったの?」


 メアリーが聞いてきた。


「すまん!少し考え事をしていた」


「考え事?やはり、大道芸人はヤジリには合わなかった?辞めるの?」


「イヤ、そうではない。別の事だ」


「別な事?それはなんなの?私達に言えない事?」


「…………」


 黙ってしまう。メアリー達に俺の事を言っても良いのかと?


「俺達には言えない事なのか?ま、出会って1ヶ月そこらだ。まだ、俺達を信用していない事は分かっているが、それでも、相談相手位にはなれるぞ?」


「そうだぜ?ヤジリ?」


「私は少なくともヤジリの事は仲間で家族の一員だと思っているわ。パパが言うように出会って1ヶ月位しか経っていないけどさ?それは関係ないと思うわ」


「家族………」


 まさか、家族と言われるとは思ってもいなかった。


「そうだな。メアリーの言うとおりだな?」


「ああ、たった5人なら家族と変わりはないな」


「そうか、ありがとう。嬉しいよ………」


 俺は今までの事を4人に話した。


 当然ながら、4人共驚いていた。


「じゃあ?ヤジリがあの森にいたのは本当は迷子ではなく、この世界に転生?生き返った?からなの?」


「そうだ」


「で?今までのお前の不調はもう1人お前が見たからか?」


「ああ」


「俺は覚えている。スカイブルーの髪で子供を抱いて見ていた美人な女性だったからな?かなり美人で若い母親だな?と思っていたが、その女性がもう1人のヤジリだったとはな?これは驚いたな?」


「思い出したわ。私のナイフ芸を全く驚かないで平然として見ていたひとがそうなのね?」


「そうだったのか?ま、ソイツがもう1人俺に間違いないんだ」


「では?ヤジリはどうしたいんだ?」


「会って話したい。確認もしたい」


「分かった。行ってこい!」


「良いのか?団長?」


「ああ、お前にとっては、もう1人の自分でも本当の身内かもしれないのだろう?それに俺もそんな存在がいたらしっかりと確認したいしな?皆はどうだ?」


「確かにね?性別が違って、もう1人の自分が存在していたら、確認したくなるわね?どういう生活を送っていたか?今幸せかって?」


 メアリーが言うと他の2人も頷いた。


「ありがとう皆!!」


 翌日、俺はアイツの気配を頼りに行き、混乱を利用立派な城に忍び込んだのだった。


 ~回想終わり~

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