披露宴 1
両親のサプライズによりぐだぐだになった結婚式が終わり、披露宴会場という名の宮殿の食堂に移った。
陛下は式が終わった後に年老いた神父には口止めをさせていた。
食堂に着くなり。
「聖殿!!先程のは一体?」
「おそらくは両親からの結婚のお祝いの言葉なのでしょうね?ま、神様らしく演出をしたようですがね?」
「そうか………まさか、神聖王様達から我が娘達に祝いの御言葉をいただけるとは思いもよらなかったが………」
「そうですわね?しかし、わたくし達にとっても思い出に残る婚礼の儀でしたわ」
「そうだな。これ以上ない婚礼の儀となったな」
陛下達は、父さん達に感謝しているようだった。
「今思えばさ、パパとママは派手な登場したわね?完全に主役のローランさんとテレサさんを喰った形になったわね?」
「そうですね?しかし、神聖王様ですからね?我々だけといえ神聖王様らしくやらないといけませんので」
「そうよのう。神聖王様達が普通に扉から入ってきて祝いの言葉を述べる訳にもいかぬじゃろう?」
「そうですね。しかし、母上もあの時に私達に一言でも言ってくれれば良かったですが?」
「全員を驚かせたかったのでしょう?言ってしまえば、つまんないと思ったのでしょう?」
俺がそう言うと皆が頷いた。
「なぁ?聖が結婚したらどうなるんだ?」
兄さんが聞いてきた。
「さあ?ま、自分としたら、普通に祝って欲しいよ」
そう、パパやママ達と一緒にだ。
「お姉さんはこの人と結婚するの?ボクもお姉さんと結婚する」
「あらまあ?」
「おっ?プロポーズか?」
「!?」
ママとパパはニコニコしていたが、兄さんは顔が強張った。
5歳児の言葉になに本気になっているんだ?
「ん?イスレイくんは私と結婚したいの?」
「うん」
「そっかー?けど、イスレイくんはまだ早いからね?」
「そうなの?いつ、お姉さんと結婚が出来るの?」
「まだまだ先だよ。イスレイくんがもっともっと大きくならないとね?」
「なら、ボク、早く大きくなってお姉さんと結婚する」
「そうだね?」
と、イスレイくんの頭を撫でる。
ま、イスレイくんが大人になれば、俺はおばさんと言われる年に突入する寸前の年になっているんだよな。その時は、イスレイくんにも素敵な女性が現れるだろうしな。
その光景を見ていた陛下達は。
「やはり、聖殿に学園が終わった後でもイスレイの家庭教師をやってもらいましょうか?」
「ウム、そうだな?しかし、これは聖殿と話し合わなければならぬな?私達が勝手に決めても良い話ではない」
「そうですわね?この披露宴が終わった後にでも話ましょう」
「ウム、判った。そうしようか」
と、話していた。
バーストさんが。
「皆様、新郎新婦のご入場でございます」
お色直ししたローランさんとテレサさんが入場した。ローランさんの服装は白のタキシード。テレサさんの服装は白のドレスとなっていた。
そして、夫婦は席に着いた。
「では、国王陛下」
「ウム、と言っても、ここに居るのは私の家族とファルコンの家族しか居ないが、本日の婚礼は神聖王様達のおかげで一生忘れぬ婚礼となった。ローラン。イヤ、婿殿。我が娘を頼むぞ。以上だ!」
「陛下、ありがとうございました。では、パーティーを楽しんで下さい」
その言葉で俺達は食事をし始めた。
「さ、婿殿」
陛下はワインボトルをローランさんに。
「あ、ありがとうございます。お義父様」
ローランさんも同じようにする。
この光景を見て、2人が見つかって、そして、誤解が解けて良かったと思う。やはり、結婚は、両親からの祝福があってこそだと思う。
テレサさんもローランさんも今幸せそうにしているからだ。
そこにクレアが。
「お姉様、お義兄様。御結婚おめでとうございます」
「ありがとう、クレア」
「ありがとうございます。クレア王女殿下」
「お義兄様?私は義理の妹となりますので、クレアで良いですよ」
「イヤ、しかし………」
「あなた?クレアがそう言っているのですから」
「分かった。改めて、ありがとう、クレア。今後共よろしく」
「はい。お義兄様」
そして、俺もイスレイくんを伴って挨拶に行った。
「ローランさん、テレサさん、御結婚おめでとうございます」
「おめでとうございます」
「ありがとうございます。聖様、イスレイ」
2人でお礼を言った。
「結婚したお2人に私からプレゼントです」
「えっ?プレゼント?ですか?」
「なんでしょうか?」
「私からのプレゼントはこれです」
俺はボックスから出した。
「えっ?これは一体?」




