アトランティスの村にて
俺達は店に戻った。
「ただいま」
小さな声で言う。
「えっ?何小さな声は?あっ!イスレイが」
「そう、今、寝ているのよ。だから、一度、エリサの部屋に戻ってから行こうと思っている」
「そうね?その方が良いわね?」
俺達4人は転移魔法でエリサの部屋へ行く。突然の訪問だから、誰も出迎えはなしだ。玄関を開けると、近くで仕事をしていたメイド達がびっくりしている。帰る時間予定よりも早く帰ったからだ。メイドの1人が慌てて、バーストさんを呼びに行く。その間にメイドや執事達も慌ててこちらへとやって来る。
「お帰りなさいませお嬢様。申し訳ございません。お出迎えを致しませんで」
バーストさんを始めメイドや執事達が頭を下げていた。
「良いわよ。それよりもイスレイが寝ているわ」
「畏まりました。こちらへ」
バーストさんが寝室に案内をした。
「聖様こちらにイスレイ様を寝かせて下さい」
「分かった。あれ?」
イスレイくんを降ろそうとしたのだが、イスレイくんの手ががっしりとしてて離れない。
「まあ?イスレイたら寝てても聖とは離れたくなったのね?私が聖の所に行くと言ったから、凄くはしゃいでいたから」
「そうなんだ?でも、離さないとな」
「そうですね。しかしながら、無理に離すとイスレイ様の手がお怪我をされてしまいます。子供でも意外と力がありますので」
「大丈夫ですよ。こうしますから」
転移魔法の応用で、イスレイくんをベッドの中に寝かせた。
「凄いわ」
「本当ですね?これは意外と高度な魔法技術がいりますが?」
バーストさんが言う。
「まあね。ま、俺達はアトランティスの人達の様子を見に行って来るよ。その間にイスレイくんが起きたら宜しくね。ミカ姉ぇ行くよ」
「はい」
「えっ?ちょっとそれってどういう」
シュン。
俺は転移魔法を発動し、アトランティスの村の手前に移動した。
そこから歩いて向かう。いきなり目の前に現れてはびっくりするし、攻撃されても文句は言えない。
「聖?あれで良かったのですか?」
「仕方ないでしょう?さっさとやらないと、ここにはいつ経っても行けれないよ?ミカ姉ぇ?」
「そうですね」
「けど、嬉しいよ。普通に聖って言ってくれて」
「何度も言いますが、普通は様ですよ?しかし、2人っきりの時は呼び捨てで良いって言いましたからね?」
「当たり前でしょう?俺はミカ姉ぇの妹なんだしさ?それに姉らしくしたいのでしょう?なら、俺の事は呼び捨てで呼ばないとね?」
「それはそうですが………レイナは母親で、聖は姉。貴女達2人は実の姉妹なのに私に対しての接し方が違います」
「それはそうだよ。つい最近までレイナの存在を知らなかったしね?それにさ、レイナはミカ姉ぇの下着を盗んでいたしね?」
「そうですね。まさか、転生した聖のブラが私のブラを使用していたとは思ってもいませんでしたよ?」
「俺もだよ。あの時はレイナに対して怒りがふつふつと湧いてきたからね?」
「私も聖の立場ならそう思いますよ。今度レイナに会った時はちゃんと叱りますよ」
「そうしてくれ。もう少しで着くよ」
会話を止め2人で歩いていると、村の入口が見えてきた。村の入口に2人の男が立っていた。門番か?
その門番達が。
『ここから先はアトランティスの村だ!用がない方はお帰り願いたい!』
丁寧な言葉だったが、余所者は去れと、体全体で主張している。
「知っている。ラキさんを呼んでくれないか?聖が会いたいと言えば分かる筈だ」
『えっ!?貴女様が聖様?』
「そうだが?」
そう答えた途端に、門番達が顔を見合わせて頷き合い。1人が。
『オーイ!皆ー!族長が族長様が帰って来たぞー!!』
と、大きな声を上げて、村の中に入って行った。
「「はぁ?ぞ、族長!?」」
今度は俺とミカ姉ぇが顔を見合わせてた。一体何がどうなっているんだ?
もう1人の門番が。
『ささ族長様。村の中へお入り下さい』
「えっ?」
困惑しながらも、村へと入ると。
「聖様ー!族長様ー!」
と、言いながら、ラキさんが走って来る。
「ラキさん?これは一体?」
俺はラキさんに質問したのだった。




