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それぞれの行動 2

 皆が去った後の店内の同じ客席に座っているミカエルとエリサ。


「(な、なんか気まずいわ。なにか話を)」


 そうエリサが思っていると。


「エリサさん?」


「は、はい!」


 ミカエルの方から話しかけて来た。エリサはビクッとしながらも返事をしたのだった。


 ミカエルはそれを気にせずに。


「この間、聖さんには貴族をやって貰いたいとの話がありましたが、エリサさんは聖さんが居れば全ての問題点が解決が出来ると思っていますか?我々よりも寿命が短い人間達に?」


「おそらく、無理でしょうね?私達があれこれと問題点を解決している間にまた更なる新たな問題点が出てくるでしょうね?それでも、私は、この王国をより良い王国にしたいと思っていますから、それには聖だけでは足りません。更に良い人材を確保をして、より良い王国造りをして、次の世代に引き継いで貰えたら良いと思いますよ」


「それは立派な考えの理想論ですね?貴女や聖さん達が頑張っても上手く国の運営が出来ない可能性だってありますよ?私は過去にもそういった国を視てきました。高い理想を掲げる余りに過激な規制強化をし過ぎた余りに滅んでしまった国をね?」


「そうなのですか?それはその規制に反対する役人達が居なかったのでしょうか?」


「そうです。その国の王の周りは全てイエスマンで固めてしまったのですよ。そして、反対する人達は追放、または断罪をしてしまったのです。それが家臣達に恐怖心を植え付ける引き金となり、更に今の権力欲しさに悪政の法案でもイエスマンとなったのですよ。王に逆らえば、自分自身愚か、家族や更に一族徒党が全て死にますからね」


「完全なワンマン体制ですね?それでは、国民達はその王に従わないでしょうね?必ず反乱されるのが目に見えていますよ」


「そうですね。国民達も最初はその政権に多いに期待していましたが、蓋を開けてみれば、前の政権よりも更に非道い悪政ですから、期待していた国民達の反発も半端ではありませんでした。あっという間にその王は国民達に斃されてしまいました」


「やはり、政治は難しいですね?」


「そうですね?それに貴女が仮に名君と呼ばれても、その子々孫々達が名君とは限りませんね?」


「そうですね?それは、闇貴族を見れば判ります。先代の当主は立派な人だったらしいですが、当代とその子供がどうしょうもない屑でしたから。なんで、そんな立派な人からどうしてこんな屑が生まれて来たのか全く理解が出来ません」


「それは教育や環境がそうさせたのでしょうね?親が偉いと子供が偉いと勘違いしてしまいます」


「そうですね。私もそう思いますよ」


「まあ、中には親の威光でも全く威張らない貴女や聖さんのような人間もいますがね?その方が貴重な人間達ですね?」


「ありがとうございます」


 ミカ姉ぇとエリサがそんな話をしている時に俺はイスレイくんを連れて、公園に来ていた。公園にはたくさんの家族連れや恋人が居て賑わっている。その人達を目当てに屋台や旅芸人や大道芸人達が芸をしていた。


 それらを見たイスレイくんはもの凄くはしゃいでいた。


「お姉さん!凄くたくさんの人達がいるよ」


「そうね。て、イスレイくん?そう引っ張らないの。屋台とかは逃げて行かないからね」


 ぐいぐいと俺の腕を引っ張ろうとしているので注意をする。まあ、イスレイくんにしたら色々と物珍しい物がたくさんあるから、分からんでもないけどね。


「あっ」


「はい、私と一緒に見て回ろうね。おいで、抱っこしてあげるから」


「うん」


 イスレイくんを抱き上げて、公園を散策した。イスレイくんも少しでも高い所から見た方がより見えるしね。


 屋台には色々と食べ物や飲み物が売っているが、俺もイスレイくんも昼食を食べたばかりだったので、屋台の食べ物は食べなかった。そして、大道芸人達が芸をしているエリアに行き見る。ちょうど、二人の男性芸人が芸をしている所だった。


「わーっ!凄いや。あんな事も出来るんだね?」


「そうだね。二人の息が合わないと出来ない芸だよ」


「そうなんだ?」


 イスレイくんは興味津々と言った所だね。大道芸人達の芸を夢中になって見ているわ。


 そして、メインになると人達が少しずつ離れて行く。それにイスレイくんが気づいた。


「お姉さん?ボクの周りの人達が居なくなっちゃったけど?どういう事なの?」


「ああ、これらの大道芸はタダでは無いのよ。メインが終わるとお金を回収しに来るの。で、離れて行く人達は、その芸にお金を払う価値が無いと思う人達と面白かったけどお金を払いたくは無い人達のいずれかなのよ。本当は、前払いの方が良いのだけどね?小さな大道芸の劇団はどうしても後払いになっちゃうのよ」


「そうなんだ?お姉さん?ボクは面白かったからお金を払いたい!」


「そうね。後で一緒に払いましょうね?」


「うん!」


「はい、良い子ね」


 その後、回収に来た芸人に二人で金を払った。俺はその芸人に面白かったよ。と、言ったが、その芸人はただ黙って、次の人に回収に行ってしまった。なんか感じが悪い芸人だよな?


 イスレイくんは大道芸人達の芸に満足しているようだった。

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