それぞれの行動 1
食事が終わり、後片付けを済ませて。
「聖さん?この後、なにをする予定ですか?」
「ああ、アトランティスへ様子を見に行くよ。あれから一週間経っているからさ。どうなっているのか視てみたいんだ」
「そうなのですか?ならば、私も行きますよ?」
「そうだね。ミカ姉ぇも来て貰えれば安心だ」
「はい」
「お姉さん?お姉さんが行くなら、ボクも行きたいな?」
イスレイくんがワクワクしながら言って来た。
「イスレイ!貴方はダメよ!」
エリサが止めに入る。
「どうして?」
「聖は遊びで行くのではなく仕事として行くのよ。だから、貴方はダメなのよ」
「えーっ!!ボク、お姉さんと遊びたい」
「そうか。なら、少しの間、遊んであげよう」
「本当!?やったー」
「聖?良いの?」
「ええ、ほら、近くに大きな公園のようなモノがあったでしょう?そこに行って来るよ。あそこにはなにかしらのイベントがやっているからさ」
「ああ、確かにな?しかし、子供には甘いな?」
兄さんが言う。
「イスレイくんは弟のようなモノさ。少し行って来るよ。行きましょうか」
「うん、お姉さん手繋いで行こう」
「そうね」
イスレイくんを連れて店を出る。
「私達も新たな依頼を見つけましょう」
「その前にリーダーを決めてからでも遅くはないですよ?」
「そうですね?リーダーを先に決めましょう」
「そうね。判ったわ。誰をリーダーにするの?」
「そうじゃな?」
「リーダーは的確な判断が求められますよ?それに、戦闘経験が豊富で、尚且つここの辺りの地理も詳しく無いと務まりませんが?」
ルエルがそう言う。
「この辺りの地理はマリアさんが詳しいですよ」
「しかし、私は戦闘経験は豊富ではないわよ?それに戦闘などの的確判断や指示ならヒルドさんだわ」
「まあのう。この中では妾が一番じゃな?」
「そうですね?困りましたね?」
「ええ、誰を私達のリーダーにするか?」
4人が困っていると。
「ならよ。各パート事のリーダーを据えるのはどうだ?一人だけに負担を負わせるのじゃなくて、皆で分担してその担当リーダーをやれば良いだろう?」
ガイが助け船を出す。
「そうですね?なにも一人で背負い込む事はありませんね?」
「そうね?兄さんもたまには良いことを言うじゃん?明日辺りは槍が降ってくるかもね?」
「なんでそうなるんだよ!」
ガイは文句を言う。
「だって、いつも的外れな兄さんが、まともに言ったからね?」
「あのな!!」
「まあ、的外れでもまともでも、今回、おぬしが言うている事は真実じゃよ。妾達は各パートナーで組んでおるパーティじゃからのう。各パートリーダーを決めても文句は出まい。それらが優れた輩が成るんじゃからな」
「そうね。もしダメなら、代われば良いしね」
「そうですね?それにどれが優れているのかは、まだ解りませんしね?」
「そうですね?とりあえずは、判っているリーダーを決めましょうか?」
「そうだね?そして、依頼を受けましょう」
「決まりじゃな。ギルドの方に移動するかのう」
「オレもみてやるよ」
「兄さんが?大丈夫なの?」
「大丈夫だ!これでもここでは先輩だぞ!変なものは選ばねぇよ!」
「本当かな?」
「このオレを信じろって!」
そう言いながら、マリア達はギルドの方に移動する。
それを見ていた大人3人は。
「ま、あの子達で何事も決める事は良い現象ね?」
「そうだな。俺達に頼る事もなくな?ま、困ったら、俺達に聞きに来るだろうよ」
「そうだな。さて、私も仕事に行くか」
「仕事?ギルドの?」
「ああ、それも帝としてのな。聖にごちそうさんと言っておいてくれ!じゃあな」
ステラは店を出てくる。
「なんだかんだと言っても、やる事はやっているのね?私もギルドの方へ行くわ。王女様はごゆっくり」
リリカはエリサに一礼をしてギルドの方へと移動した。
「俺も午後の部の準備をしないとな」
ファルコンも厨房へと行く。
残されたのは、ミカエルとエリサの2人だった。2人の間に少し気まずい空気が流れていた。




