昼休み
13時30分を過ぎるとお客も徐々に少なくなって来る。お客もカフェが次の準備の為に一時閉店と判っているからだ。
午後の部は15時から17時までのスイーツやコーヒーなどの飲み物が中心だ。本業のカフェ店だ。
そして、繁盛してからは夜の部もやるようになったその営業時間は18時から21時までのレストランとなっている為にエールやワインなどのお酒も提供しているようだ。夜はギルド所属の人達も利用している事が多いらしい。
その閉店の時間に、俺達、従業員の休み時間になっている。アルバイトのシフトもチェンジをしている。俺は土日の昼の部だけになっている。後はパパがいつもの通りにやってくれる。
俺が賄い料理を作っていると。
「ただいま~」
「聖~めし~」
との声が同時に聞こえて来た。
「マリアさん達にステラさん、お帰りなさい。それにしてもマリアさん達は服がボロボロですね?」
とミカ姉ぇが応対した同時に心配した声が聞こえた。
「本当にボロボロだわね?どうしたの?」
エリサの声もする。
「エリサ、いらっしゃい」
マリアが挨拶をしているようだ。
「ウム、クエスト自体は大した事がかなったのじゃが、妾達が点でバラバラに行動してのう」
「ほとんど、私達で自爆したようなモノですよ」
「私達にリーダー的存在が居ませんので、こういう結果になってしまいました………」
「やっぱり、お姉ちゃんが言ったようにリーダーを決めてから行動に移すべきだったわ」
「そうですね」
との声が聞こえて来る。マリア達の実力はXランク級の実力があるけど、話の内容だと、実戦不足やお互いのコミュニケーション不足が目立ったようだな?
「皆、お帰りなさい。あっ、これはこれは、ご来店誠にありがとうございます」
ママの声が聞こえた。ギルドからこちらに移って来たんだ?それにしても、どこの店員よりもしっかりとした挨拶だな。それに対してエリサも「ありがとうございます」と返しているし。
「で?ステラはなにしに来たの?もう昼の部は終わっているわよ?」
「勿論、聖の飯を食いに来たんだよ。それは朝練で言っただろうが!それと食費代の金はちゃんと払っているぞ!」
先生が反論した。
「判ったわ」
ママが折れたようだ。おそらく、先生は勝ち誇った顔になっているな?
「マリア達は着替えて来い。すぐに昼食になるからな」
パパが来てそう言った。
「そうね。服を着替えに部屋に行きましょう」
マリア達は、着替える為にここの部屋へと戻って行った。ここでもリク達の部屋がある。
そして、賄い料理が出来上がった。
人数分の食事をテーブルに置いた。
「美味しそうだわ」
エリサが言う。
「まあ、これはカフェの料理メニューに出すか出さないかの試作メニューだよ」
「そうなんだ?じゃあ?これを皆で食べて判断するのね?」
「そうだね。それとパパが作れるかどうかの判断もいるよ」
「ああ、そうよね?普段のメインはファルコンさんだったわね?」
「そう言う事だよ。はい!皆ー!ご飯が出来たよー!」
そう言うと、皆が集まって来た。
皆で食事をする。アルバイトの女性は気を使っているのか、別の場所で食べていた。
エリサとイスレイくんにはケーキと飲み物をサービスをした。
「こうして家族全員で食べるのも久しぶりだな?」
「そうね。一人余計な者が居るけどね?」
ジロリとママはその人物を睨むが。
「だとさ」
ポンと俺の肩を叩く先生。
「貴方よ!ステラ!それにこの食事は聖が作ったのでしょうが!」
「リリカ!」
「なによ?」
「私達は小さな頃からずっと一緒だったのだぞ!」
「そうね?なんだかんだで腐れ縁だわね?それが?」
「その私を切り捨てるのか?私は悲しいぞ!」
先生は泣く真似をしている。
「あのね?貴女はどうしてこう大袈裟に言うのよ?それにご飯なら自分でも作れるでしょう?独身さん?」
「ふん!そういうリリカも普段は料理を作っていないだろうが!既婚者!」
と、二人して食べながらも言い合っていた。本当、ママとステラ先生は仲が良いな。




