やっぱり風呂は気持ちいいよね 2
「えっ?お姉さん何をするの?」
「ん。こんなのだよ」
と、水で出来た小さなイルカを見せる。その水イルカ達が連続で輪潜りをしている。
「うわー!凄いや!お姉さん?これはなに?」
目を輝かせて、聞いて来た。
「これは水の魔法を使った。水芸だよ」
「凄い!お姉さんはこんな事も出来るんだ?」
「そうよ」
そう言って、簡単な水芸によるイルカショーをクレアとイスレイくんに見せたら。
「お姉さま?いつの間にそのようなモノを?」
「そうだよ。私達には見せてくれなかったじゃん」
リクとマリアがこちらに来た。
「こんな魔法は即興で出来るよ。それにマリアもリクも、もう子供ではないからさ、披露はしなかっただけさ」
「でも、こんな面白そうな芸は子供ではないけど私も見たいわ」
「そうですよ。私も見たいですよ」
「ボクももっと見たい!もう一度やってよ」
「私も見たいわね。こういう事をやっている人間はまずいないわ。居るなら旅芸人と旅の大道芸人の人達ぐらいだわ」
「そうだね?王都にもそういう人達がいるけどさ、お姉ちゃんより凄い人はそうはいないわね」
「ふーん、そうなんだ?私のは遊び感覚でやっているからな?じゃあ、もう1回やるよ」
俺はまた水イルカショーをやる。結局は全員が見ることになったが、全員が全員、こういうイルカショーを見たことが無いので大いに盛り上がった。
ショーが終わると、パチパチと拍手が起きた。
「面白かった」
「またやって欲しいわ」
「これ、毎日、やって下さい」
「毎日は嫌よ。余り長湯は体に良くないよ。それに毎日やると飽きるよ。はい、出るよ」
「あっ!?そうよね?結構長い時間入っているわ」
「聖さんの言うとおり、皆さん出ましょう」
そう言って、風呂から出る。もう、手とかがふやけ過ぎているな。
着物に着替えて、陛下達に別れの挨拶をする。
「それでは、失礼します」
「今回は何かと助かった」
「そうですわね。聖殿、ありがとうございました」
陛下達が頭を下げた。
「いえ、たまたまですよ」
「お姉さん。ボクの家庭教師になってね?」
「そうね?考えておくわ」
「絶対だよ?」
「ええ、またね」
「うん」
イスレイくんの頭をなでた。
「イスレイ。私の素顔を見せてあげるわ」
クレアは仮面を外した。
「これがお姉様の素顔?綺麗」
「ええ、そうよ。お父様、お母様、また、来ますわ」
「ああ」
「ええ」
「それでは」
俺は転移魔法を発動して、俺達の寮部屋に戻った。
リビングに行くとステラ先生がお腹を空かせて待っていた。どうやら、俺達の帰って来るのを待っていたようだ。余りにの遅さに先生はかなり拗ねていたが、そんなのは知らないよ。
まあ、先生の好きな食べ物で夕食を作ったから機嫌は直ったけどね。
先生の話だと明日から予定通りに通常授業が再開するようだ。
俺もこの異世界に来て段々とこの異世界に染まって来ている。それに、この異世界で良い家族達にも出会えたし、まだまだ、いろんな出会いがあると思うな。
俺達の物語もこれからだ!!
~とある王都の公園~
「ヤジリ?ここが王都よ」
「へぇー?ここが王都か?結構、賑わっているな?」
「でしょう?ここでしばらくはお仕事よ」
「ああ、沢山儲けようぜ!!」
「ええ、そうね。ヤジリ」
~とある集落~
「あなた、ここの人達は良い人達ね?」
「ああ、ここで無事に赤ん坊が産まれれば、良いのだが………」
「そうね……………」
~とある国の~
「……………ここ、詰まらない……………ここ、出て行く…………新しい世界に」
第一部完。
これで第一部は終了です。
実の所、その当時『この小説を終わりまで1年で書き上げてやる!!』と、意気込んではみたものの。結局は、その1年目はこの第一部まででした。
その当時は、初回と最終回を思い浮かべてから見切り発車で書いたこの小説ですから、その間の物語は、かなり自由に書いて終わらせようと思いましたが、その自由に書いたのが仇となり、色々とアイデアが浮かび上がり、更に主人公の設定も途中で替わり、膨大に物語の構想が膨らんでしまって、今でもそのサイトで連載を書いている状態です。(苦笑)
こちらは次回からは早速第二部を始めます。
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