学園手続き1
カフェはこの一週間は忙しく働いた。俺1人では回っていけないぐらい更に大繁盛をしていた。そして、何人かが、バイトとして新たに入って、シフトを組んでいる。
大繁盛の最大の要因はケーキだった。新しい食べ物で、甘く、何とも言えない食感が客達にウケた。それにコーヒーに合っていた。
勿論、他の料理も格段に美味しくなっていた。
それでも、パパは、俺達が空間でトレーニングをやっている時や空いている時の時間を使って、料理やケーキの練習や研究をやっていた。
今では、パパの料理やケーキ方が旨い。
俺も負けたくないから、空いた時間に料理やケーキを作り捲っているが。
○●○
別の日。
数日後には学園が再開されるので、俺は、学園の転入の手続きを行う為に学園に来ていた。学園の方も俺が転入手続きを行う日程を指示していた。
俺はその学園の正門前に居たが、とてつもないデカい学園の建物が目の前にあった。まるで巨大な要塞だ。
マリアに話を聞けば、学園は初等部、中等部、高等部、大学部、大学院までこの敷地内あるという。それに、学園はこの王国でただ唯一の教育機関のようで、この王国の全ての子供達がここに集まるようだ。
更にはその職種の専門校もあるが、それらは、ここの学園を卒業してからになるみたいだ。
まあ、全ての人間が集まるのなら、当然のようにマンモス校になるよな。
しばらく、学園の建物を眺めていると、学園の警備兵なのか?俺に近づいて。
「どうしましたか?我が学園に用事でも?」
そう言われ、
「はい、今日、転入手続きを行うようにとの通知を頂いたのでやって来ましたが、あまりにも広大な敷地と建物に目を奪われましてね?」
正直に感想を述べた。
「ああ、初めての方でしたか?初めてこの建物を見る人は必ず言いますよ。分かりました。では、通知の確認をさせて頂きますよ。…………はい、確かに。では、入り口まで案内をします。後は、教師が来ますので、その教師に従って下さい」
「分かりました。お願いします」
警備兵の案内で学園の建物の入り口まで行くが、敷地内も複雑に入り組んでいる。コレは知らないと迷子になるな。建物の入り口に着いた。
俺は警備兵にお礼を言った。
しばらく待つと、女性が来た。教師か。
「お待たせしました。私はこの学園に教師として勤めています。ジェーン・エレックと言います。今日は、貴女の案内を務めさせて頂きます」
ジェーン先生がお辞儀をする。
「これはご丁寧にありがとうございます。私は聖 山瀬と言います。宜しくお願いします」
俺もお辞儀をする。
「では、学園長室までご案内致します」
ジェーン先生の後ろを歩く。
学園長室までの間に学園建物の説明を受けた。そして、世間話になり。
「えっ?ジェーン先生はリリカさんと同級生だったのですか?」
「はい、リリカには学園時代にかなり世話になりましたよ。それにたまに会っていますよ」
「そうだったのですか。私はリリカさん、ママ達の養子にして貰いましたので」
「ああ、だから、貴女の身分保証人の所にリリカとファルコンさんの名前があったのですね?」
「そうです」
「丁度着きましたね。ここが学園長室です。学園長が中におりますので」
コンコンコンとノックした。
「開いておるよ」




