出会い 3
詐欺女が退場して。
「さて、この部屋をリホームします!この参考書類はとりあえずは図書室で良いかな?」
「それで良い」
「判りました」
転移魔法で参考書類全てを宮殿にある図書室に転移させた。本棚は一つだけ残し、ボックスの中に没収し、俺が知っている限りの地球の玩具を創造魔法で出した。
「ワァー、凄い沢山の玩具が出て来た。ねえ?これ全部ボクにくれるの?」
「そうよ。でも、しっかりとお勉強もするのよ」
「えーっ!あっそうだ。なら、お姉さんがボクの家庭教師になってよ」
「私はまだ高等部の生徒だよ?まあ、簡単な事は教えられるけどね?」
あっ!神の知識を使えば良いか?それならば、家庭教師も出来るか?
「それでも良い。お姉さんは優しいもん。だから、ボクの家庭教師になってよ。ねえ?お父様もお願いしてよ」
「イヤ、聖殿はまだ生徒だ。1日中は無理だ。また、改めて、話を設けよう。いささか急過ぎるからな」
「そうですね。では、この玩具らの遊び方を教えるわ」
「うん」
俺は遊びながら、イスレイくんに遊び方を教えた。
陛下は何故かジグソーパズルに夢中になっていたので、大人用のジグソーパズルに挑戦してもらっている。
こうして、一通り遊び方を教えてから、俺達は陛下達の部屋に戻ったが、イスレイくんは俺にべったりとしていた。どうやら、好かれてしまったようだな。
陛下はパズルが途中なので持ち帰っていた。また後でやるのだろうね。
「イスレイが聖に懐いているわ」
「だって、お姉さんは優しいもん。ボクに玩具をいっぱいくれたもん」
そう言って、抱き付いた。それを見たマリアとリクが対抗し、俺に抱き付いて来た。
「お姉ちゃんは私のものよ」
「いいえ、お姉さまは私のものです」
「お姉さんはボクのだよ!」
「あらあら。本当に懐いておりますね?」
のほほんと王妃様が言っているが。
その3人で俺の引っ張り合いになった。というかさ、マリアとリク?なに5歳児相手にそんなにムキになっているんだ?
「ミカエル様?コレって?どういう状況なんでしょうか?」
「さあ?私には判りませんよ?ルエル」
この様子を見ていたミカ姉ぇとルエルさんが呆れていた。
夕食の時間になり、陛下達と一緒に夕食を共にする。
食事はやはりコースメニューだった。前菜からスイーツまで、超一流の食材を使っており手抜きは一切無しだった。その味は言わなくても判るでしょう。
勿論、宮殿内の食事なので、黙って食べるが、食事中。特に馴れていないリクが落ち着かない様子だった。
食事が終わり、また、陛下達の部屋に戻った。そこで、紅茶を飲みながら料理の感想を話す。
「我が宮廷料理の味はいかがだったかな?」
「はい、美味しかったですよ。陛下達は、これを毎日召し上がっているのですね?」
いくら豪華な料理でも、毎日、食べると飽きるな。
「そうですわね。けど、今回の夕食は特別ですわ。毎日、ここまで豪華な料理ではありませんのよ」
「そうだったのですか?」
「ウム、聖殿達は私達が呼んだお客様だから、この位のおもてなしはしないとな」
「それは、ありがとうございます」
お礼を言う。
「私、お姉ちゃんの妹で良かったわ。こんな食事は一生に一度あるかないかだもの」
「だけど、黙って食べるのが、逆に緊張しました。いつもこうなのですか?」
「そうですわね?王侯貴族の食事中は黙って食べるのが基本のマナーですわ。そして、食事が終わった後で、別の場所でこうしてお茶を飲みながら話すのがマナーですよ」
リクに教えていた。リクも将来はこの宮殿に住むのだから今から基本的なマナーを学んだ方が良い。
「といってもパーティーや晩餐会は違うが、普段の食事はいつもそうだな」
「私達との食事とは違うのですね?私達は会話しながら食べていましたから………」
「その時のルールですわよ。わたくし達も会話しながら食事もしたいと思いますが、王侯貴族ではそれはマナーが悪いとされておりますからね?でも、わたくし達も聖殿の所では会話しながら食事をしていましたわ」
「そうだな」
「あっ!そうでしたね?やっぱり、私はその方が良いですよ」
まあ、こういうのは徐々に慣れていくしかないな。
「えっ?お父様達はお姉さんと食べたの?いつなの?」
「日曜日よ。あなたがお祈りに行きたくないとぐずった時ですよ」
「あっ!」
「残念だったわね?でも、ご両親と遊びに来たら、一緒に話ながら食べましょうね?」
「うん」
「さて、結構長居をしてしまったのでそろそろお暇しましょうか?」
「そうだね?明日から学園だしね?」
「今日が休みで良かったですね?」
「そうだね?じゃないと、ここに来ていたのはお姉ちゃんとリクだけだったものね?」
「はい。私は余計に緊張をしていました」
「済まないが、聖殿にはまだ話す事があるのだ」
「えっ?まだあるのですか?」
「ああ、イスレイが乱入したので、言うタイミングをな。実は、聖殿に、貴族をやって貰いたいのだ」
「えっ?貴族を?」