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陛下と面談する 4

 闘鬼とナチ帝国の話はここまでとなった。これ以上、議論しても何も発展はしないからだ。


「昨日の事件は判った。後は、私達の方で処理しておく、貴族達の事があるから。聖殿にはまだ話があるのだ」


「まだあるのですか?」


 てっきり、リクの養子の話だと思ったが?


「ウム、昨日、リリカから聴いたのだが、ファルコンのカフェでコックをやるそうだな?」


 イヤ、まだ返事はしていないけどね?


「そこでだ。聖殿にコレを授ける」


 と、勝手に進める陛下だったが、しかし、陛下が取り出したものは。


「コレは。王国でプロの料理人の証明書とその証だわ」


 クレアが言う。

 えっ?そうなのか?


「ウム、日曜日に聖殿の料理を食べてその腕前を持っていると確信したので、授けよう。受け取ってくれるか?」


「は、はい!ありがとうございます。これはとても嬉しいですよ。のどから手がでるくらいに欲しいモノでしたから」


 これは本音だ。学園を卒業したら、料理専門学校に行こうと考えていたくらいだから。


「そうか。では、授けよう」


「はい」


 その証明書と証が俺の手に渡された。


「ありがとうございます」


 再度、お礼を言った。


「良かったわね?お姉ちゃん」


「お姉さま、おめでとうございます」


「ありがとう。これで、形だけでもがぶり姉ぇの同じプロのステージに立ったな」


「ガブリエルですか?ガブリエルは、人間の世界に行ってから更になんでも出来るようになりましたね?以前、聖さんが言っていた資格というモノと取ったからですか?」


「そうだね。おそらくは、()()()()に色んな資格を取りまくったのではないかな?取っておけばいずれにせよ役に立つと言っていたからね?そういえば、ラジコンの操作や船舶の資格も取っていたな?後はドローンの操作資格も」


「あまり関係ない資格まで取ったのですか?」


「そうだね」


 と言って笑った。


「リク殿」


 王妃様が声をかけると。


「は、はい!」


 と、リクが緊張した声で返事をする。


「リリカから話を聴いたかと思いますが、再度、わたくしから改めて言いますわ。リク殿、わたくし達の養子に成る気はありませんか?勿論、わたくし達の養子になっても、学園に在学中は今まで通りの生活をしてもらっても構いませんわ」


 と、王妃様が提案した。


「え、えーっと………」


 リクは困惑し俺の顔を伺う。


「リクが決めたら良いと言ったでしょう?」


「は、はい………で、では、一つ、聞いても良いでしょうか?」


「なんです?なんでも聞いてください」


「はい、では、何故私を養子に?私は、知っての通り、アトランティスの出身です。16年前や先日にこの王国にクーデターを起こしたのですよ?」


「知っていますわ。クッキー作りの時にリク殿がわたくしに話してくれましたから。しかしながら、その時もリク殿は母親の温もりを知らないと言いましたわね?わたくしでは不足ですか?わたくしはリク殿とまた休みの日にクッキーや色んなものを作って行きたいと考えておりますの。しかしながら、ここは宮殿ですわ。一般人おろか貴族階級の人達もこの部屋にはわたくし達の許可なしでは入室する事はできませんわ。だからこそ、わたくし達の養子になればフリーで入室が出来ますわ」


「王妃様は私とクッキーとかを一緒に作りたいから養子にするのですか?」


「はい、ただそれだけですわよ?後はわたくしで母親の温もりも感じて欲しいですわね」


 にっこりと王妃様が微笑む。


「私はこんなにも母親に恵まれて良いでしょうか?私は()()()()()に恵まれました」


「4人って?」


「はい、まずは産みの母親です。そして、母上にお姉さまと王妃様の4人です」


「ああ、なるほど」


 と、クレアが言い皆が納得しているが。


「ちょっと待てよ!なんで俺が母親になっているんだ!」


 納得いかないのは俺。


「えっ?だって、お姉さまは、美味しい食事を私達に提供してくれるので、私にとっては母親と同じですが?」


 リクが言うと、マリアとクレアが『うんうん』と頷いている。


「あのな?美味しい食事を提供すれば、リクにとっては全て母親になるのか?」


「いいえ、お姉さまですから私は母親と言えるのです」


「あのな?それじゃあ俺はがぶり姉ぇと同じじゃないか」


「そうですね?ガブリエルと同じですね?でも諦めて下さいね」


「因果応報ってヤツか?」


「そうですね」


 ミカ姉ぇがにっこりと笑った。


「では、リク殿はわたくしも母親と認めて下さるのかしら?」


「はい、私は養子になります。宜しくお願いします」


 リクは頭を下げた。

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